横浜の老舗企業「岩井の胡麻油」、その歴史に迫る!
ココがキニナル!
岩井のごま油をロスの日系マーケットで見つけました。横浜の歴史ある会社のようですが、横浜出身の私は今まで知りませんでした。商品の特徴、歴史などを調べていただけると嬉しいです。(M@LAさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
岩井の胡麻油は、昔ながらの方法でじっくり時間をかけ、職人の匠の技によって伝統の味が保たれていた。
ライター:吉澤 由美子
ゴマ油の基礎知識
ゴマ油の材料はもちろん胡麻。あの小さな1粒の約半分、50~52%が油分でできているそう。
ゴマは400粒でやっと1gになる。半分が油として、岩井の胡麻油で一般的なサイズの小瓶140gの油を搾るためには、280g、11万2000粒のゴマが必要になる。
ゴマ2g、800粒でこのくらい
ゴマには、白ゴマ、茶ゴマ、黒ゴマ、金ゴマの4種類がある。岩井の胡麻油では、白ゴマを材料とした商品を中心に、アントシアニンやカルシウムを豊富に含んだ黒ゴマのねりゴマといった商品も作っている。
ゴマの種類
現在、ゴマは99.9%を輸入に頼っている穀物。身近にゴマが生えているところを見る機会はほとんどない。
これがゴマの実。さやの中にぎっしり入っている
岩井の胡麻油には小学生が社会科見学に来る。そうした子どもたちに植物としてのゴマを見せようと、敷地内の花壇でゴマが毎年作られている。
敷地内で収穫されたゴマの実。逆さにして降ると実が落ちてくる
植物油には胡麻油のほかに、オリーブ油、菜種油、大豆油などいろいろなものがあるが、焙煎という工程を経て作られるのはゴマ油のみ。この焙煎を行うことで、ゴマに含まれるゴマリグナン(セサミンはこの1成分)という抗酸化物質が増え、ゴマ油はほかの油に比べ圧倒的に酸化しにくいという特長を持っている。
酸化しないということは、油が劣化しないということ。そのため、天ぷらを100%のゴマ油で揚げると、時間が経ってもおいしく食べられる。さらに、揚げ油は捨てずに、減った分を継ぎ足して使い続けることも可能になるのだ。
ゴマについての基礎知識を得たら、いよいよ工場内の見学に出発!
工場内部の様子 製造工程
岩井の胡麻油の特長は、伝統的な工法を用いていること、そして職人の匠の技で昔ながらの風味や香りを保っていること。溶剤を使って無理に油を取り出したり、添加物を加えたりしない、安心できる穏やかな味わいだ。
工場の敷地内。右手が原料倉庫と搾油工場
最初に入ったところは原料倉庫。産地から入荷した原料のゴマの袋が積み上がっていた。袋の中には、ゴマの種子以外に微量の鞘のくず、砂、石などが入っている。
原料倉庫には袋がうず高く積まれていた
写真の左に見えている緑色のシフター(振動選別機)でふるい分けられ、さらに先の石取機で不純物が取り除かれる。
その後、ゴマは加熱・焙煎の工程に送り込まれる。
ロータリーキルン(筒型連続焙煎機)で加熱・焙煎される