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横浜「1000ぶら」商店街探訪Vol.3 「芹が谷銀座商店街」で今夜の酒の肴探し

ココがキニナル!

活動資金1000円で横浜中の商店街をめぐる旅。第3回は通称「せりぎんタウン」で「OX」の自家製チャーシュー、「丸十ベーカリー ハヤカワ」の煮物の惣菜、「魚治」の塩鰹を購入し自宅にて1000べろを堪能

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ライター:ナリタノゾミ

酒の肴を求めてめぐる、せりぎんタウン(つづき)

次に向かったのは「丸十ベーカリー ハヤカワ」。「OX(オックス)」の見上さんによると、「せりぎんタウン内で最も古い店舗のうちのひとつ」だという。
 


店内にはパンはもちろん生活雑貨や駄菓子も並ぶ


せりぎんタウンの発足当時から店舗を構えているという同店ご主人・早川さんは、港南区商店街連合会の会長も務める。
「何歳に見える? 毎日やることがたくさんあるから、疲れてなんかいられないよ」といって笑う早川さんは御年78歳だ。
 


背筋の美しさが若々しい早川さん


店舗裏の工房内にそろう、年季の入ったパン調理用器具の数々が印象的だった。
古き良きものにノスタルジーを感じる、筆者の世代。その感性に対して、早川さんは「私も、昔ながらの商店街が持つ、懐かしい空気を生かしていけるようでありたい」と返してくれた。
 


小麦の油を吸い、独特の美しい艶を出す机の上には分銅式のはかり


「毎朝だいたい20本くらい食パンを焼きますね」。
人気のパンは、100種類以上もあるという調理パン。特に菓子パンは子どもたちに大人気だという。

最後の1斤だけ残っていた早川さんの特製食パン(通常価格は120円だが、翌日が休日だったので105円の特価だった)と、早川さんの奥さんが作った煮物の惣菜(200円)を購入した。
 


1000円札を崩す瞬間。食パンは明日の朝食に


早川さんにお礼をいって、同店を後にする。
残金695円を握りしめて、猛暑の中、再び商店街をめぐった。

さて、商店街の裏側を徘徊していると、「氷」と書かれた旗を発見!
 


裏道にたなびく「氷」の文字を発見する


「かき氷なんて売ってそうなお店、あったっけ?」と半信半疑のまま、表に回ってその店舗を訪ねてみる。
 


確かにかき氷(100円)を販売している。が、喫茶店でも駄菓子屋でもない


かき氷を販売していたのは創業60年の鮮魚販売店「魚治(うおはる)」。
「お魚屋さんなのにかき氷を販売しているんですね?」と問いかける筆者に、「魚屋だから、いい氷でかき氷を作れるんだよ」と答えてくれた、2代目店主の鈴木さん。
 


「創業は60年。せりぎんタウンに移転してきたのは十数年前だよ」と、鈴木さん


迷った挙句、未体験のコーラ味を購入。なんと、容器の底にはみぞれシロップが入っているから、氷を掘り進めた先には違う味が待っているのだ。
 


かき氷の最初の3口はスプーンを使わないことにしている。この方が旨いのだ


なるほど、魚を冷やすための上等な氷を使っているのだから、かき氷もおいしくできる。店舗奥から出していただいた丸椅子に腰掛け、小学校帰りの子どものように、かぶりつく。
 


FMヨコハマの藤田君が来てくれたこともあったわね。もしかして知り合い?」とお母さん


さて、かき氷をほぼ食べ終えたところで、今夜の晩酌のおともになりそうな逸品を探す。
すすめていただいたのは、「塩鰹(しおかつお)」(150円)なるもの。聞きなれないメニューだ。
「この塩辛さが、お茶漬けとの相性も抜群なんだよ!」と、鈴木さん。

試食用のそれを、ほんのひとかけらつまんだところで、「これだ! これをアテに日本酒にしよう!」、インスピレーションでそう確信した。
 


東北出身の筆者にとって、むしゃぶりつきたくなる塩辛さと、鰹の豊かな香り!

 


ほぐした状態の塩鰹。ほんのひとつまみで十分なアテになる


筆者の興奮ぶりが宣伝になったのか、通りすがりの主婦も試食し、お買い上げ。こちらもさっそく購入することに。
 


「塩鰹」を袋に移す


はまれぽステッカーを手渡すと、お気に入りの場所に貼ってくれることを約束してくれた鈴木さん。お礼をいって、さらなる「1000ぶら」の旅へ。