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バスのアナウンスが流れる「横浜名物 弥太郎最中」って本当に名物なの?

ココがキニナル!

中村橋バス停で『横浜名物弥太郎最中はこちらで降りると便利です』という広告が入りますが、本当に名物なの?子どものころから気になっていました。(はまりんくるさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

知名度では「名物」とは言い難いが、常連に愛される老舗の和菓子店。「弥太郎」は俳優の名前で、名付け親は先代。バス広告は15年以上前に止めていた。

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ライター:藤井 涼子

老舗の和菓子屋さんだった!



お花屋さんを出てさらにまっすぐ進むと、ようやく和菓子屋さんを発見。近づくと、のれんに「弥太郎最中本舗」とある。弥太郎最中とは店名だったのか!?
 


やっと弥太郎最中にたどり着いた


早速お店に取材を申し込むと快諾していただいた。
 


昔ながらの良い雰囲気の和菓子屋さんだ


店主の関衣代(せききぬよ)さんにお話を伺った。

まずはキニナルにある「バスのアナウンス」だが、1980年代に数年やっていたが、15年以上前にバス広告は止めてしまったそう。「今はやってないのよ」とのことで、正確にいつからいつまで広告を出していたかも覚えていないそう。

止めた理由は、広告の効果を期待できなくなったということなのだそう。昭和50年代ごろまでは商店街も人通りが多く、とてもにぎわっていて、最盛期の昭和40年代は一日に300~400個も売れたそう。たが、現在は人通りも減り、店を畳むところも増えたため、より地域に密着した商売をする道を選んだという。
 


店名にもなっている「弥太郎最中」(こしあん)1個179円


創業は1918(大正7)年。今年でなんと95年目となる。関さんは3代目。途中戦争でお店が焼かれるなどの危機に見舞われたが、先代の努力で立て直し、ずっと中村橋で和菓子店を営んでいるそう。
関さんは7年前にご主人を亡くされ、今は最中の製造も含めて一人でお店を切り盛りしている。

お店の主力商品はもちろん「弥太郎最中」。こしあんと粒あん、それにゆずあん(それぞれ1個179円)の3種類がある。
 


写真右上のこしあんにはカットされた栗入り。写真手前のゆずは白あんだ




「弥太郎」の名前の由来とは?



戦前、店名は「金喜堂」(きんきどう)だったそうだ。
 


店内奥の暖簾にも「金喜堂」の文字がある


戦時中に休業した後、再度お店を開く時に店名を「弥太郎最中本舗」に変更。「弥太郎」は、横浜出身の俳優「黒川弥太郎」に由来するという。初代のお父さんが、黒川弥太郎のお母さんと兄妹で、「弥太郎を応援しよう」という思いを込めて名前がつけられたそうだ。

こちらが黒川弥太郎さんの写真。
 


直筆のサイン入り!


1930年代に新国劇(しんこくげき)という劇団で活躍した後、東映に入り映画やテレビの時代劇で主演も務めていたそう。
 


なんとも美しい顔立ち!


ちなみに「横浜名物」と最中の包装にも書いてあるが、この名付けに関しては「さぁ? 先代が付けたからね。特に深い意味はないのよ」だそう。催事などに出店したことはなく、ずっとこの本店のみの販売だ。
 


秋冬にオススメ商品の「栗むしようかん(650円)」もある


当時は和菓子職人さんも沢山いたのだが、今は関さん一人。後継者も決まっていないそう。今は常連のお客さんが多いとのこと。やはり最中などは若い人より年配の方に好まれるようだ。
 


弥太郎最中(粒あん)。あんこたっぷり!!


弥太郎最中をひと口いただいた。
甘い! 最近は「甘さ控えめ」の和菓子も多くなってきたが、これは違う。かなり甘いあんこだ。
濃い緑茶に合いそうな甘いあんこにパリリとした皮がこの「弥太郎最中」の美味しさだ。きっと何十年も変わらぬこの味が、お店に買いにくるお客さんを喜ばせているのだろう。

バス停までの帰り道、70代くらい女性に弥太郎最中について聞いてみたところ「知ってるよ」との返事で、「最中が美味しいよ」と付け加えてくれた。



取材を終えて



お店の昔の写真などをお借りできないか聞いてみたが、「戦争でお店が焼けてしまい何も残っていないのよ」との返事だった。大正時代から続くお店の歴史には、語りつくせない苦労があったことは間違いないだろう。
そんな事を考えながら、しみじみと最中の甘いあんこをいただいた取材となった。
「横浜名物」というには物足りない知名度だったが、歴史あるお店の看板商品は美味しく、今も地域に愛され続けている。

弥太郎最中本舗
住所/神奈川県横浜市南区睦町1-33-8
電話番号/045-711-2026
営業時間/9:30~18:30頃
定休日/不定休(月1,2回)

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  • 食べたい!

  • 弥太郎最中は知る人ぞ知るって感じでしょうからねー。横浜だと喜月堂の最中のほうが有名でしょうし・・。中村橋ももう商店街という風情がだんだんと薄れてきていますけど、弥太郎最中さん始めキニナルお店もまだあるので頑張ってほしいですね。あ、最中やどら焼きたまに買いに行ってます。

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