横浜「1000ぶら」商店街探訪Vol.17お寺と、お地蔵さまがとりもつご縁。鶴見西口商店街で鍋を味わえるか
ココがキニナル!
豊岡商店街の西田書店で古書を購入、つくの商店街のキクチ果実店で野菜、魚作で魚、日光陶器で酒器、いそがや本店で酒を購入し寄せ鍋を堪能
ライター:ほしば あずみ
いよいよ鍋の材料さがしへ
さて、豊岡通りを抜け、三角交差点からはじまるアーケード通りが「レアールつくの」。つくの商店街だ。
商店街にアーケードがあるだけでテンションもあがるというもの
まずは野菜を調達しよう。
目に飛び込んできたのはミカンやカキの明るいオレンジがまぶしいキクチ果実店の店先。
創業は1959(昭和34)年のキクチ果実店
3代目店主の菊池さん。「鍋ならネギだね」
鍋の材料を相談すると、ゆずとネギを勧めてくれた。そうだ、鍋には何にしたってネギがなきゃはじまらない。
「待ってな、今美味しいネギ持ってきてあげるから」と太いネギを手早く並べてくれた
キクチ果実店で扱う野菜や果物は、バナナなど国内で栽培できないものは除いてほぼ国産。
「だって輸入と国産、どっちを買いたい? 国産だよね、特に地場野菜の横浜産は人気だね。売れる方を仕入れるから国産が多くなるんだよ」
ゆず(180円)は高知産
山形産ネギ(148円)と合わせて、残金567円なり
さて、次は鍋のメイン食材を探そうと、キクチ果実店を出たところで、向かい側が広場のようになっていてお地蔵さんが並んでいるのが見えた。
全国でも珍しい「ぼてふり地蔵」が祀られているという
江戸時代、生麦村や潮田村から寺尾や末吉方面にアサリやハマグリなどの魚介の行商人(ぼてふりさん)が、この地を往来していたそうだ。彼らはアーケードの入口にあたる三角交差点付近にあったお地蔵さんの前で一休みするのがならわし。出立する時にお地蔵さんを横に倒して「早く売れたら帰りに起してあげる」と願をかけ拝んでいたことから「ぼてふり地蔵」と呼ばれていたという。お地蔵さんはその後、横浜大空襲で焼失したが、2003(平成15)年になって再建された。
良い取材ができるようお祈りしておこう・・・(現在のお地蔵さんは倒せません)
「ぼてふりさん」にちなんで、鍋は魚介系がいいな、と商店街を進む。レアールつくのに魚屋さんは1軒しかなかった。それが創業100年ほどになる「魚作」。
「残り500円で鍋を作るの? じゃあタラがいいんじゃない? 一切れ250円」
魚屋さんはこうじゃなくちゃ、と嬉しくなるほど、気さくで元気の良い「魚作」
というわけで鍋は「たらちり」に決定
一切れのタラも丁寧に売ってくれた「魚作」の大橋さん
「今日は土曜だから種類少な目だよ」とはいうものの、この品ぞろえ
はまれぽステッカーも目立つところに貼ってもらった! 残金317円なり