佐村河内氏に障害者手帳を交付したのは横浜市!市の障害者手帳交付の基準は?
ココがキニナル!
佐村河内氏に身体障害者手帳を交付したのは横浜市とのことですが、横浜市の障害手帳の検査基準はどうなってるんでしょうか(洩矢諏訪子の兄さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
基準は身体障害者福祉法により全国同じ。現状が認定時の障害と違う場合は手帳返還命令も。市は15日に佐村河内氏と面談、聴力再診断することを確認
ライター:大和田 敏子
検査方法についての問題点は?
診断のための聴覚検査は、防音の部屋において低音から高音まで6種類の音について聞こえるかどうか調べるもの。検査は一般的な健康診断などよりは細かいものであるが、装置から音が聞こえたらボタンを押してくださいといった検査方法自体は、ほぼ同様であるという。
聴覚検査のイメージ(フリー画像より)
主に乳幼児や自己申告が困難な高齢者などの検査に用いられているABR検査(脳波で聴力を検査する方法で、本人の意思を介さない)もあるが、検査機器があるのは、大学病院などの大病院に限られ、横浜市においても数少ないという。
ABR検査のイメージ(フリー画像より)
山田さんは、この検査方法ばかりがクロースアップされることの問題点を指摘する。
「聴覚のみではなく、視覚や身体機能の障害などでも、診断において自己申告に頼っている部分は大きい。すべて客観的な機器による検査による診断でなくてはならないとなると、検査を実施できる施設が少ないこともあり、障害者手帳の交付を受けようとする人たちの負担も大きく、支障をきたす」と山田さん。
同様のことを、田村憲久(のりひさ)厚生労働相も語っている。
田村厚労大臣(厚生労働省ホームページより)
田村厚生労働相は、2月18日の衆院予算委員会で、佐村河内守さんの件を踏まえ、手帳を交付する際の聴覚検査の在り方を検討する考えを示しているが、その中で脳波を調べる精度の高い検査機器はコストが高く普及していないと説明。「機器が置いてある病院が少なく、検査を受ける人の負担が余計にかかるなどの問題がある」と指摘している。
手帳には福祉サービスを受ける上での注意事項が記される
身体障害者手帳交付は、患者さんたちに必要な福祉サービスを使っていただくための制度なのに、こういう事件で審査を厳しくせざるを得なくなるという状況になるのは本意ではないと山田さんは話された。
身体者障害者手帳を偽装した場合の罰則は?
一般的に、身体障害者手帳を偽装した時には、どのような罰則があるのだろうか。
身体障害者福祉法47条に、「偽りその他不正な手段により身体障害者手帳の交付を受けた者、または受けさせた者は、6ヶ月以下の懲役、または20万円以下の罰金に処する」とあり、それに従って罰せられる。
また、身体障害者福祉法46条には、「返還命令に従わない場合は10万円以下の罰金が処する」という規定がある。
法令上は、障害者手帳の取り消しという処分はなく、現在の状態が認定したものと相違している場合は、返還命令が出されることが予測されるが、1949(昭和24)年12月26日に身体障害者福祉法施行以来、横浜市ではそのような例はないという。
横浜市では、2月15日に、市健康福祉局職員が佐村河内守さんと会い、約1時間半にわたって手話通訳を介して経緯を聞き取ったことを発表している。
佐村河内さんは「約3年前から聴力が回復していた」という謝罪文の内容を認め、近く市が指定した医療機関で聴力の再検査を受けることに応じた。横浜市は診断結果をもとに、障害の等級の変更や障害者手帳の返還について判断するという。
市の判断が注目される
この部分について、どのような判断がくだされるかはわからないが、一般的に、聴覚障害2級という状態からの回復の可能性について、横浜市医師会耳鼻咽喉科医会代表の星川智英(ともひで)先生にうかがった。
桜木町駅近くにある横浜市医師会事務所
星川医師によると、「聴力回復の可能性がゼロとは言えないが、回復の見込みは薄い」とのことだった。
佐村河内さんの事件によって、不安を感じている聴覚障害者も少なくない。
「実際には、聴覚に障害があっても、補聴器や人工内耳の使用により、普通に会話ができる方はたくさんいらっしゃいます。そうした方に疑いの目が向けられたり、再調査をされるのではといった不安を抱かせたりするようなことのないように、制度を維持していくことが重要だと考えています」と山田さんは話していた。
取材を終えて
仮に佐村河内さんが意図的に聴覚障害を偽っていた場合には、詐欺容疑などで立件される可能性もゼロではない。
佐村河内さんの事件についての真偽は明らかでないが、2007(平成19)年から2008(平成20)年にかけて、北海道で身体障害者手帳の集団不正取得事件が発覚するなど、障害者手帳を不正に利用しようとする事件が、たびたび起こっていることはとても残念なことだ。
障害者がより良く社会生活を営むために考えられ、整えられてきた身体障害者手帳の交付という制度が、人の欲望や悪意によって妨げられるような事態は避けなければならないし、そのために障害者が不安を感じることはあってはならないと思う。
山田さんが、「身体障害者手帳の交付は、医師と患者さんの信頼関係の上に成り立っている制度」と話されていたことが印象に残った。
すべてを疑ってかからなければならない、精密な機器による検査結果だけしか認められない社会になってしまうとしたら、それはとても悲しいことだ。
―終わり―
tennomamaさん
2018年04月10日 19時30分
佐村河内氏のせいで、本当に聴こえない人がとても迷惑しています。私の病状が進行していても、果たして病院の先生方はちゃんと検査してくれるでしょうか?とても不安になります。進行性の感音性難聴、もう補聴器を入れても良く聞き取れないのに…語音明瞭度の検査をお願いしても、「何故?今なの?」と医師は言います。本人が希望してるのになぜ?検査を嫌がるの?障害が進行していたら、その医師にペナルティーでもあるの?全く納得がいかない。
rerereさん
2014年02月25日 20時02分
『身体障害者手帳の交付は、医師と患者さんの信頼関係の上に成り立っている制度』 なのだとすると 『障害者手帳に関する認定業務を行う、横浜市健康福祉局障害福祉部障害者更生相談所(港北区小机町)』 の存在理由が見えない。
shinobu0614さん
2014年02月24日 15時40分
問題は佐村河内を診断した医者だろ?モラルのない医者が訳の分からない自称障害者を生み出している現実なのだしね