横浜で半世紀以上も現役の超レア「丸ポスト」を探せ!
ココがキニナル!
元町の裏通りで、昔の筒型の鋳物製郵便ポストを見ました。横浜市内には古いポストはどれぐらい残っていて、保全、或いは交換などは行われている?(BANDO_ALFAさん/山下公園のカモメさん)
はまれぽ調査結果!
横浜市内に現存する古い“丸い筒型ポスト”は中区と栄区にある2ヶ所のみ。保全が行われ、現段階では新型への交換は予定されていない。
ライター:細野 誠治
栄区公田。半世紀を生きた、街のシンボル
JR根岸線に乗って最寄りの本郷台駅へ。
本郷台駅改札口
栄区を流れる、いたち川を越えて環状4号線にぶつかったら大船方面へ右折。
自動車販売店の手前の道へ入る
あった!
駅から歩いて20分ほど。リサイクルショップの敷地に、もうひとつの“丸ポスト”はあった。所在地の住所は栄区公田(くでん)230。立派な横浜市内。
リサイクルショップ、有限会社椎郷(しいごう)屋商店
うん、丸ポストだ
心なしか、赤(朱色)が鮮やかな気がする
この2つ、2ヶ所が横浜に現存する“古いポスト”。
南関東支社によると横浜市内にあるポストの数は約2100ヶ所。その内の2つだけだ。
こちらのポストの管轄は大船郵便局。所在地は鎌倉市になる
横浜市内のポストなのに、どうして管轄がお隣の鎌倉市なのかと言うと・・・
郵便の集配を行う地域については、地域の世帯数や郵便物数等から配達の効率性等を鑑みて担当する地域を決定しているため、行政区とは必ずしも合致するものではないから・・・だそうだ。
敷地のお店の方にお話を聞いてみよう。すいませーん!
迎えてくださったのは代表の岩崎健一さんと、お母様の光子さん。
対応いただいた岩崎さん親子
敷地にある“丸ポスト”について「横浜市内には2ヶ所しかない」と告げるとビックリしたご様子。
「何年か前に大船郵便局の方がいらしてね、新しいものに交換しましょうか?って言ってきたの。でも断ったわ」と光子さん。
危なかった・・・。もしOKしていたら貴重な1つが無くなってるところだ。
「この丸いポストはね、この町のこの辺りのシンボルなの。だから、そのままにしておいてくださいって」
光子さん、お手柄です! そう来なくちゃ。
「つい2ヶ月前にも大船(郵便局)の人が来てね、ポストのペンキをキレイに塗っていったばかりだよ」と、健一さん。
―どおりでキレイだと思いました!
5月にペンキでお色直ししました!
丸ポストの保全について日本郵便・南関東支社に聞くと「保持、美観維持のためにメンテナンスを実施しています」とのこと。ありがとうございます!
また市内に残る2つの丸ポストについては現在、撤去や新しいものへの切り替え予定はないとのこと。
良かった、大丈夫なんですね。
老朽化し使用に耐えられなくなった場合は撤去され、廃棄処分になるという。
どうか末永く使われてほしい・・・。
しっかりとした土台石の上に建つ
岩崎さん親子と、しばし世間話をする。
丸ポストの設置年が郵便局に聞いても分からないと言うと・・・。
「ここのポストはね、1965(昭和40)年に建てたの」と光子さん。
えっ! そうなんですか!?
「そう。この人(健一さん)が幼稚園に上がった歳だから」
来年で50年。半世紀を生きてきたポストだと判明する(現場主義って大事!)。
私は50年、ここにいます
半世紀に渡って使われ続けていたものを見て、考える。
効率化を理由にポストが切り替わっていった。でもまだ使える。現役だ。そして町のシンボルでもあるという。
矛盾だよな、とは思いつつ残し続けてくれている郵便局に、感謝の言葉を贈りたくなる。そして、丸ポスト、いや郵便差出箱1号(丸型)にも。
想いを運ぶのは人の力で、求められるのは早さと正確さ。そしてホンの少しの「情緒」があれば嬉しいよな。
今回のキニナル、そんな感想を持った。
差し出せば、どこにでも届きます
取材を終えて
表彰状
中区元町、郵便差出箱1号(丸型)殿
栄区公田、郵便差出箱1号(丸型)殿
貴方がたは、横浜市民の市井の声を届けるため
雨の日も風の日も、辛く厳しい炎天下においても
ただひたすらに立ち、横浜の街並に溶け込み、
風景の一部として私たちの記憶にあり続けました。
この業績を讃えて、ここに表彰します。
そしてこれからも末永く、この横浜の地にいてください。
平成二十六年七月
はまれぽ.com ライター 細野誠治
「いえいえ・・・」「どういたしまして・・・」
そして最後に皆さまへ。
暑中お見舞い、申し上げます!
それでは、また。
―おわり―
●元町仲通り・丸ポスト
住所/〒231-0861 横浜市中区元町5-209 元町巌島神社 敷地
●栄区公田・丸ポスト
住所/〒247-0014 栄区公田町230 有限会社椎郷屋商店 敷地
sakuyamaさん
2017年06月09日 08時31分
この前丸型ポストを身近に感じた記憶が…と考えてみたら、やはり鎌倉市内でした。いつまでも存在し続けて欲しいですね。
ヤタローさん
2017年06月08日 15時46分
鎌倉市内(特に所謂旧鎌倉地域)では多数活躍しています
BANDO_ALFAさん
2017年06月08日 00時23分
名作選に選んでいただけたそうで、光栄であります。