横浜にあるこだわりの蕎麦屋を教えて! 関内編
ココがキニナル!
関内にある蕎麦屋「七福 志な乃」には「深山そば」という蕎麦粉のみを使った蕎麦があるのですが混雑時にはやらないと注意書きがあり、しかも値段は1800円。是非調査を御願いします。(bjさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
同じ関内で注目の美味い蕎麦屋「あお柚子」の「板そば」もご紹介。「志な乃」の「深山そば(みやまそば)」は深々たるこだわりで作られた極上の味。
ライター:クドー・シュンサク
創業50年「志な乃」のそば
そば粉のみで作る「深山そば(みやまそば )」。手があいていないと注文できないシロモノ。店に電話をして取材交渉するも、きっぱり断りの言葉。再度、取材交渉し、なんとか「じゃあ来てもいいよ、いつだい?」と、まずは取材にはたどり着いた。
頑固な職人気質なご主人はちょっとおっかない雰囲気。
取材日になり、JR関内駅から徒歩5分ほど歩きお店へ。それでは、外観から。
おじゃまします
ビルの奥に店をかまえる「志な乃」
店に入り、挨拶をすませると「取材って話だけだよな」とご主人。そばもいただいての取材ですとお伝えすると「今日はもう火をおとしたから作れないよ」とのこと。
「今日はもう終わりだから食べるならまたにしてくれるか」とご主人。日をあらためて再訪することに。
深山そばをいただく旨を店の方にお伝えし、再訪
「深山もざるそばも一緒だよ。とりあえずざるそばとそばがき出すから」とご主人。
深山そばの取材がメインとしてのお願いとお伝えしたのだが「今日は深山できないよ、悪いけど。今日出せっていうのならこの取材はなしにしてほしいな」とのこと。
「一緒だから、ざるそばとそばがき食べていきな」とご主人
一緒というのは、味の違いはさほどないという意味。確かに投稿にあった通り、メニューにも「混雑時を除き調整します」と書いてあるが、現在は基本、作るのに手間をかけているため、前日までに予約して作れる状況ならうけるという。なので、今日は状況的に無理なので出せないとのこと。
どうすればいただけるのかしつこいが尋ねてみたら「客として予約入れれば作るよ」と言われたので「明日、お昼に食べにきますので、客として。予約していいですか。今日は取材としてざるそばとそばがきをいただきます」と伝えた。するとご主人は「今日も明日もか・・・そば好きだな(笑 )明日何時にくるんだい? 朝から打っとくよ」と、約束をいただけた。
「じゃあ今日は2つ出すからがんばって全部食べていきな」
深山そばは明日。本日は指定の品をいただくことに。
まずはざるそば(1050円 )から
いただきます
とても強いコシ。しっかりと噛んでいただく太いそば。噛むほどに甘みと香りがじわりと広がる。醤油の味がひかえめな、しっかりと芯のあるダシがあっさりとしたうすくちのツユ。強いそばとやさしいツユの味わいは深い。そして、すごく美味い。
そばがき(1050円 )
ふっくらと上品に仕上がったそばがき。そばの香りと甘みがダイレクトに味わえる一品。薬味は、わさび・ネギ・しっかりと削られた鰹節。ふっくらもっちりとしたそばがきは最後まで豊かなそばの味が楽しめた。
ここでご主人と少しお話
創業50年。ただ普通に、変わらない製法でそばにこだわって続けてきたという「志な乃」。
黒くて美味いそば。全粒粉ではなく、味気のしっかりしたダイナミックなそばが志な乃の味。日本のそばの実の7割は輸入品。国産は残りの3割で、そのうちの半分は北海道で作られる「夏そば」というもの。国産の残りの半分は「秋そば」というもので、8月に種をまき10月に花が咲き、11月に収穫するもの。その秋そばを志な乃では使用。
志な乃のご主人、木村勝一さん
穀物は基本、寒風にさらされると甘みがでるという。味気のあるダイナミックなそばに甘みが加わったものが木村さんの理想のそば。茨城県の山脈で栽培される常陸(ひたち)秋そばの実を使用。そして木村さんは、臼で粉をひく作業から店で茹で上げ提供するまでの全作業をひとりでこなす。
「そばに限らず、手作りの生の料理は生き物なんだよ」と言い、「じゃあ明日、深山打って待ってるよ」と早々にお話は終了。
取材翌日3度目の訪問
深山そばとは
開店間もない店内に入り、木村さんにご挨拶。「すぐでるから」とのお言葉。
3度目の訪問でたどりついた。木村さんのこだわりがつまった、つなぎを使用しない十割そばの一種ともいえる「深山そば」。
そば粉のみで作られた要予約の一品、深山そば(1800円 )
では
前日の味と記憶をたどる。つなぎを少し使用したざるそばよりも、ほんの少々噛みごたえがやさしい印象の深山そば。甘みは噛むほどにざるそばよりもさらに広がる。大差はないが、印象が少し違うかんじ。それにしても、とにかく美味い。深山そば、美味い。
味、インパクト、無意識に感じる奥行き。すごい一品でした。
手打ちのひやむぎ(1500円 )も驚きの絶品でした
客として伺ったので、野暮な話はなしにして「ごちそうさまでした、また来ます」とだけ木村さんに伝えた。「ありがとうございました」と背中を向けたまま声をかけてくれた。
日本全国に暖簾分けが10店舗ある本店の「志な乃」のそば。
これぞ、本物の味。といった絶品の味でした。
ごちそうさまでした
取材を終えて
関内には多くの蕎麦屋がありますが、今回取材した2軒のお店は、表情が違えど、とても美味しいと思えるそばでした。
ご興味いただけた方は是非。
ー終わりー
あお柚子
住所/横浜市中区尾上町3-35 横浜第一有楽ビルB1F
電話/045-222-4138
営業時間/
(月~金)11:30~14:30、17:30~22:30
(土)17:00~22:00
定休日/日曜日、祝日
志な乃
住所/横浜市中区住吉町3-31 信和ビル1F
電話/ 045-681-4055
営業時間/11:00~15:20、17:00~20:20
定休日/日曜日、祝日