70年代後半から80年代に大流行したオリジナルファッション「ハマトラ」を愛した女子たちや当時の様子は?
ココがキニナル!
昔、ハマトラっていうのが流行ったと思いますが、当時の様子や夢中になった女子のお話とか聞きたいです。どれくらいにぎわったのか知りたいです。(いまいさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
ハマトラはフクゾーの服、ミハマの靴、キタムラのバッグが三種の神器で元町発祥のトラッドなファッション。1970年代から80年代前半に大流行!
ライター:松宮 史佳
創業1923年! 老舗靴店「ミハマ」に突撃!
1923(大正12)年創業という歴史ある靴店「ミハマ」。“履きやすく健康的でノーブルな靴”がコンセプト。
「夏期限定で軽井沢に出店していた」という1950年代ごろの「ミハマ」の貴重な写真
(提供:ミハマ)
ギッシーが横浜市内の靴修理屋さんに行ったところ、「ミハマの靴がいっぱい並んでいた!」とのこと。同店の靴が「多くの横浜市民に愛されている」ことがわかるエピソードだ。
洗練された雰囲気が漂う「ミハマ」外観
「さ、参りましょう」と2階へ案内して下さる青野さん
・・・まるでお屋敷のようなゴージャスな内装にびっくりしながら階段を上がる
2階に飾られていた色紙に思わず頷く
2階は昔の靴が飾られており、まるで博物館のよう。思わず見入ってしまう。「ミハマ」の靴は女性らしく、上品なデザインが特徴的。
「ハマトラ大特集」でも取り上げられた「カッターシューズ(1970年代)」
1973(昭和48)年「デザインパンプス」
スタッフの方が見せてくださった“ハマトラ大研究”「JJ(1980年10月号)」
1975(昭和50)年、JJ創刊時のスナップ(当時の人は皆大人っぽい感じ!)
雑誌には「(ハマトラが)学生から社会人に広がった」とある。つまり、最初は学生のキャンパスファッションとして広がり、「OLなどの社会人にも広がったのだろう」と推測できる。
「ミハマ」の「カッターシューズ」はハマトラに欠かすことができない
雑誌に取り上げられているのは「ミハマ」のシブい親方
150種の木型を元に1つひとつ丁寧に靴を作る
ハマトラを再現するのに「オススメの靴」を持って来ていただく。「ものすごく高いのでは?」と思ったが、「カッターシューズ」は1万500円と比較的リーズナブルで驚く。取材で歩きまわるため、靴にはこだわりがある松宮。だが、きつかったり、逆に脱げてしまったりと合う靴がなく、困ることが多い。「ミハマ」の靴はどうなんだろう? 履いてみると・・・
ぴったりな上に「履き心地バツグン!」
スタッフの方によると、横浜は坂が多いためヒールのない靴が作られたらしい。なるほど!
スタッフの方にお礼を言い、次の店へ!
明治創業のバッグ店「キタムラ」
1882(明治15)年に創業した「キタムラ」に到着
開業当時、同店はふろしきや巾着袋などの和装小物を扱っていた。だが、時代の流れとともにヨーロッパからバッグを輸入して販売するハンドバッグの専門店へ。しかし、「本物のバッグを作りたい」と1972(昭和47)年に「Kマークのオリジナルハンドバッグ」が誕生。
「キタムラ」は「やさしさ・かわいらしさ・上品さ」がコンセプト
2014(平成26)年秋冬の最新の牛革ハンドバッグ。2万9000円(左)、3万3000円
現在は販売していないが「ハマトラが流行っていた当時に販売していた」というバッグをお借りし、「フクゾー」へ。
いよいよハマトラを再現!
松宮、普段はカジュアル派なので、トラッドは初体験。「トラッド」の服を着るとどうなるのか!?
普段は「(テキトー)カジュアル派」
スタッフの方に“きちんとした着方”を教えていただく
と、松宮を見ていたスタイリスト・ギッシー。「・・・髪型がなんかチガウ」とひと言。そこで髪を下し、「なんとなーくトラッド風」にまとめることに。
「フクゾー」の「ブラウス(1万1000円)」「トリミングカーディガン(1万6800円)」に「ラップキュロット(2万2000円)」に・・・
「キタムラ」のバッグ
「フクゾー」のハイソックス(1300円)+「ミハマ」のカッターシューズ(1万500円)を着て・・・
かなり気恥ずかしいが、ハマトラを再現!
「あら、お財布忘れちゃった!?」みたいなポーズ
「フクゾー」の服や「ミハマ」の靴はゆったりとしており、「とにかく着やすい」。実際に“ハマトラ”を着てみた感想は「上品」という感じ。当時の客層が「お嬢さんが多かった(by鈴木さん&前出の男性)」というのも頷ける。初めての“ハマトラ”は普段よりちょっぴり背筋が伸びる気がした。
取材を終えて
今回は元町の老舗ブランド「フクゾー」「ミハマ」「キタムラ」の3店舗にご協力いただき、「ハマトラ」ファッションを再現することができた! 取材を通して「元町は職人と接客のプロがいる街」だと思った。現在はファッションも多様化しているが、「修理して3世代に渡って着る」というファッションもステキだと思う。これからも3つのブランドには元町からファッションを発信し続けてほしい!
―終わり―
参考文献
『日本のファッション(城一夫・渡辺直樹』
『サブカルチャー社会学(仲川秀樹)』
『日本俗語大辞典(米川明彦)』
maz03さん
2015年05月10日 19時12分
いわゆる普通の女学生ファッションですよ。今は一般化したのでハマトラとか言わなくなったけど。当時神戸の女子大の子はわりと裕福な子を中心として欧州ブランドを積極的に取り入れてた。高い毛皮とか革のコートだとかブーツだとか、エルメスのバッグとか。バブル前夜。横浜は地元の商店で売ってる15000円のキタムラのバッグとかコインローファーとか堅実風だった。アメカジね。だから、今の女子高生ファッションの原型ですね。神戸は大西洋航路の港で、横浜は太平洋航路の港という背景もあるかもね。
shinobu0614さん
2014年11月12日 19時27分
手創りってのがすごいな
いまいさん
2014年11月12日 16時30分
随分前になりますが、キニナル投稿させていただいた者です。取り上げて頂きありがとうございました。刺繍が手縫いだったのはこの記事で知り、少々お高いのも納得です。そして当時のフィーバーぶりもドア破壊されたエピソード等、当事者でしか知りえない貴重なお話、とても面白かったです。是非、元町に行ってお買い物をしたいなと思いました。