横浜にある昔ながらの立ち飲み「角打ち店」のある場所を教えて! 番外編
ココがキニナル!
横浜にある昔ながらの角打ち店が気になります。安善のほてい屋酒店、横浜橋近くの浅見本店などが有名ですが、他にどんなお店があるのでしょうか。(ときさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
杉田にある古き良き味わいの「愛知屋酒店」と、伊勢佐木長者町にある新機軸の「たむらワイン店」を紹介。お酒を通じたお店とのコミュニケーションが味わいを生む。
ライター:ほしば あずみ
週末毎の試飲会でまだ見ぬワインとの出会いを
「たむらワイン店」は、JR関内駅からだと徒歩8分、横浜市営地下鉄「伊勢佐木長者町」駅と車橋のちょうど中間あたり、中区長者町2丁目にある。
ワイン店? そう、ワイン店である
ワンカップを握りしめるか、コップに本醸造を注いでもらっていることの方が多いので、若干気がひけてしまう。ワインのことはほとんど知らないけれど、大丈夫だろうか。
棚にずらりと並ぶワインボトルに圧倒されるが
あれ、すごくお手頃価格なワインがあったりする
たむらワイン店は、関内で20年以上ワインに携わってきた田村祐一さんが2012(平成24)年にオープンさせたワイン専門店。すべてのワインがフランス産で、そのほとんどがブルゴーニュ産だという。それはワイン一筋の田村さんの培ったこだわりで、「いいと思うワイン」を厳選した結果なのだそう。
店主の田村さん。血液がワインかもしれないと思った
気軽なテーブルワインからワインセラーで管理される高級品まで
ブルゴーニュ産のロゼワインも
そんなこだわりのワイン専門店と「角打ち」は結びつかないような気がするが・・・
テーブルの黒板に、角打ちの文字が!
たむらワイン店の角打ちとは「試飲会」なのだ。1本買うには勇気のいる価格のワインも、気軽にグラス1杯600円程度から試せ、また木曜から日曜まではフリーテイスティングという、無料試飲できるワインもある。
おすすめワインがホワイトボードで紹介されている
ワインの知識がなくても、田村さんにおまかせで大丈夫。田村さんは、フランス食品振興会が認定する小売店のワインアドバイザー・コンセイエの資格を持っている。ワイン選びのエキスパートなのだ。
テイスティングのレクチャーも
ワイングラスをぐるぐる回すのは、空気を含ませて香りを高めるため。その回す方向は時計と逆回りにする。
「万が一勢いあまってこぼれても、周りにかからないようにするマナーなんです」
なるほど、確かに左回りだと、自分の方にこぼれる(実際に回してみるとわかります!)。
知識がなくてもワインは美味しい。でも、少し知るだけでもワインがもっと味わい深く、ずっと美味しく飲めるようになる。
コップ酒をワイングラスに持ち替えて白ワインを・・・
「コート・デュ・ローヌ・ブラン2012イー・ギガル」と「2012ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ボーヌ クロ・ド・ラ・シェーズ・デュー(モノポール)シャトー・ド・サントネイ」を飲み比べ。この2本は取材時の無料試飲ワイン。試飲できるワインは「試飲特価」で買えるのもうれしい。
発泡性ワイン(クレマン・ド・ブルゴーニュ:試飲700円)もいただく
グラスの底から立ち上がる繊細な泡を眺めていると幸せな心地になってくる。せっかくなので、黒板の「おつまみメニュー」と一緒に頂こう。「スモークがおすすめ」とのことだったので、スモークチキン(400円)を。
「え、400円でこんなに!?」「ちょっと盛りすぎたかな?(笑)」・・・絶品だった
さらに「むきたてかきの水煮(800円)」缶詰とは思えないぷりぷり感
今回試飲した
ワインさんたちに並んでもらいました
ちなみに、田村さんがこれまで飲んできたワインの量をうかがったところ、「あれだね」と指さした店の片隅には・・・
「あれ」は一抱えある鉢にぎっちり詰まったコルク栓だった
「『あれ』×(かける)数十個くらいかな」
理系の方ならこれをヒントに何本なのか答えを導きだせるかもしれないが、筆者は指の数より多いものは「いっぱい」としか言えないので、田村さんの奥様、友紀さんによると、
「家1軒くらいは建てられたね」
それだけの経験に裏打ちされて、今ここに厳選されたワインたちが並んでいる。すごい説得力だ。
お店にいた常連客の関口さんにお店の印象を伺った
「常に会話があるのが心地いいですね。ワイン会なんかも企画されて、ワインを通じて知らない人とも仲良くなれるのがいい」
店の奥のスペースでワイン会が催されることもある
ワインファンと田村さんとのワイン談義は尽きない。ワイン初心者には広く門が開いている。店内いっぱいに並ぶワインの種類は数えきれないほどだが、田村さんに任せればこの中からぴったりの1本が見つかるのだと思うと楽しい。
取材を終えて
「角打ち」の見本のような杉田の愛知屋酒店と、「こういうのもあるのか」な、たむらワイン店。一見、和と洋、旧と新ではあるがそこに一貫しているのは、お酒を通じてお店とお客の対話が絶えないこと。これこそ、家や飲食店での飲みと一味違う、酒店で飲むお酒ならではの味わいなのだと改めて思った。
―終わり―
店舗情報
愛知屋酒店(愛知屋小林商店)
住所/横浜市磯子区杉田4-8-57
TEL/045-771-0727
定休日/日曜日・祝日
営業時間/9:30~20:00
たむらワイン店
住所/横浜市中区長者町2丁目5-11馬場ビル1F
TEL/045-232-4521
定休日/毎週月曜日、第2火曜日(臨時休業あり)
営業時間/火~土曜日 11:00~21:00、日曜・祝日 11:00~20:00
Theoさん
2014年12月07日 14時52分
足悪く、遠いので角打ちは叶わぬ夢と諦めていましたが、杉田と聞いては電動カートで馳せ参じる価値ありそう。はまれぽさんありがとう。
ホトリコさん
2014年12月04日 12時31分
確か井土ヶ谷にもありましたが、以前の職場があった川崎の産業道路駅や小島新田駅にもあったな。もっともお洒落感は無く、一杯引っ掛け屋とか、立呑屋とか呼んでました。特にびっくりしたのが、熱燗はヤカンで保温されていて、直接コップに注いでました。当然ヤケド注意です。
秋沙さん
2014年12月04日 10時12分
【関連記事】に「立ち飲みスペースが藤棚商店街に多い理由とは?」(2011/09/07) http://hamarepo.com/story.php?story_id=462 も加えてください。何店か角打ちを辞められたお店もありますが。。