磯子の横浜プリンスホテル跡地「ブリリアシティ横浜磯子」と横浜の歴史的建造物「旧東伏見宮別邸」の様子を一挙公開!
ココがキニナル!
三島由紀夫の小説に登場する洋館のモデル「旧東伏見宮別邸」を取材して!(ねこぼくさん)磯子プリンスホテル跡地のエレベーターはなぜ有料?(kikkeさん)ブリリアシティーからの眺めは?(ゆがみ小僧さん)
はまれぽ調査結果!
旧東伏見宮別邸・旧GHQ首脳部邸宅・旧プリンスホテル・現レストラン。外観は現代でも残っていた。エレベーターの利用料50円は維持管理費とのこと
ライター:人見 静馬
現地へ
筆者のモヤモヤは解決した。外見を完全に保てば何をしても良い――この条件の元に開業されたレストランということである。しかし、あの中村孝明のレストランである。値段はいかばかりだろうか。そもそも編集部にたかるつもりであった筆者といえども、申し訳程度の遠慮は持ち合わせている。料理の値段に見合う取材ができれば良いが。
そんなことを一人胸に秘めつつ、降り立ったのはJR根岸線磯子駅。旧東伏見宮別邸はその高台にある。
上部だけ少し見えるあれは・・・?
駅から5分ばかり歩くと、山の上――と表現した方が適切だろう――にひょっこりと建物が見えた。ひょっとして、あれが旧東伏見宮別邸の周囲に作られたマンション「ブリリアシティ横浜磯子」か。
どこかローマ帝国のコロッセオを思わせるデザイン。ちょっとミスマッチ。だがカッコイイ
入り口。右、白柵の向こう側から歩いても上を目指せる
中へ足を踏み入れると、そこにはコンビニ。便利。
このセブンイレブンはマンション居住者以外も利用できる
セブンイレブンを左手に置いての光景
この駅の改札のような光景。実はシステムはそのまま駅の改札である。ここを通ってエレベーターに乗り中村孝明貴賓館へ出るには、50円かかる。歩いていけば無料。
「50円」の理由を東京建物の担当者に伺うと「ここは業者・近隣住民・自治体間での協議を経て許可を取り付け、マンション建築となった運びがあった。その協議の過程で“マンション住民以外の方のエレベーター施設開放”があり、本来マンション住民以外に開放していない施設を有償で開放することとなった。業者が維持管理に必要な費用を算出し、近隣住民・自治体との話し合いを経て、50円という金額になった」とのこと。
しかし、50円。別にどれだけ苦労するかという問題でもないと思うが、あの坂道に50円分の価値があるのかどうか、帰りに検討してみよう。
さて、エレベーターを出た光景がこちらである。
おおー!
絶景!
さすが、やんごとなき一族のご療養地。すばらしい眺め。ホテルだったころもさぞ景色を売りにしていたんでしょうなぁ。
マンションの最上階。取材時はクリスマスツリーも飾ってあった
ここを出ると、いよいよ旧東伏見宮別邸、中村孝明貴賓館が見える。
マンションを出ると
渡りの向こうに邸宅!
もう気分は金田一耕助である。同シリーズは筆者の人格形成や服装の趣味に多大な影響を与えている。興奮を禁じ得ない。
無論、事件は期待していないが。事件起きても解決できないし。
思ったより鮮やか
古めかしい建物よりも、こちらの方が当時の感覚を味わえる。
ここが入り口
摩耗した大理石に時代を感じる
ねこぼく氏の投稿にもあった三島由紀夫『春の雪』に出てくる階段。
「海を見下ろす高い崖上にあり、御殿風の外観を持った洋館には、大理石の階段がついていた」
おおお・・・周辺を合わせて見るとそのまんま・・・。難しいことをいかに簡潔に伝えるかが上手い文章とそうでない文章との差だという。これは実に簡潔。さすが「大三島」である。
建物の規模に比べて小さい看板
もっと「レストラン色」を出しているかと思ったが、小さな看板にメニュー表が出ているのみ。確かに孝明氏、知名度はあるのだろうが、あまりに控え目に感じる。