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野毛に「入口の暗号を解かないと入れない」謎のバーがあるって本当?

ココがキニナル!

野毛のダイニングバー「無頼船」の2Fで営業している名前もわからないBar。入り口に置かれている電話にある番号を入力しないとドアが開かないらしい。調査お願いします。(横浜泥酔男さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

入口の電話は指定の番号を入力しないとドアが開かない仕組み。番号は電話機に書いてある。店名は「One Many」であった。

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ライター:秋山 千花

One Manyについて伺う



なんだか、ラムについていろいろ教えてくれそうなこちらの男性。そう、彼こそが今回の主役、キニナル「One Many」のオーナー・水島雅浩さん(40歳)。
 


では、改めて「One Many」について聞いてみましょう


オーナーの水島さんによると「One Many」はこの2月で丸11年になるラムバーである。途中、店舗移転なども経て、今のスタイルになったのは今から3~4年前。あの不思議なエントランスはその際に作られたものだと言う。

「入り口が分からないっていうくらいのバーがよかったんですよ」とそのイメージについて語る水島さん。そこで思いついたのが電話ボックスだったのだとか。

「ホントはピンクの電話とかを置いちゃおうかと思ってたんですけど、それだとホントに誰も来ないんじゃないかと思って」と笑う姿は、失礼ながら「地元のちょっとやんちゃな先輩」といった感じでなんだかとっても親しみやすい。
 


水島先輩の中学時代の同級生だという「ちゃんまん先輩」も常連客のひとり


電話ボックス型のエントランスにトリックをしかけた理由については「正直なところセキュリティーの部分が大きいですよね」との回答。

同店の営業時間は夜7時から翌朝の7時まで。その間、オーナーの不在時には女性スタッフが一人になることもあるので、やはりどんなお客様でもOKとばかりは言えないというのがスタッフを守るべき立場にあるオーナーの本音のところなのだろう。「Dial 0(ゼロ)」が回せる状態であること、それはバーを訪れる側の最低限のマナーでもあると思う。


ところで、なぜにラムなのだろう?


ウイスキーやワインに力を入れるバーは何軒か知ってはいるものの、ラムバーとの出会いは「One Many」さんが初めて。
その魅力はと聞くと「比較的品質の高いものが、ウイスキーなんかに比べて手頃な価格で飲めるというのはありますね」と水島さん。

若いころから長くバーの仕事をする中でラムの味わいの幅の広さを知り、さらに当時ラムに特化したバーがあまりなかったことからラムバーをオープンしようと考えたのだとか。

もともとはカリブ海周辺を原産とする酒であったラムだが、冷蔵技術の向上により、今では世界中の多数の国で生産されているそう。
 


沖縄・伊江島産サトウキビで作られる国内産のラムも


キニナルお値段は、ストレートのワンショットで750円~6000円くらいと幅広い。
 


JBALLY、クレマンなど、ラム好きなら喜ぶこと間違いなし
 

こちらLAPALUM(ラパラン)は今なら1本数十万円はするという超高級ラム


「残念ながら空ビンなんですけどね」との話に「いったいどんなタイミングで空けたの?」とキニナル質問を投げかけたところ「いや、飲んじゃおうかみたいな感じで(笑)」とあっさり。

うおぉ、筆者もその場にぜひ居合わせたかった!!
数十万のラムを「飲んじゃおうか」の勢いでぐいっとやって「めちゃめちゃ美味しかったですよ!」とさらっと言ってのける姿、なんともまあ男前。
 


先輩、かっこいいです!


と、ここでそんな男前の水島さんから「せっかくだからどうぞ」とごちそうしていただいたのが、現在水島さんのお気に入りだと言うオススメの一杯。イングランド西部にあるブリストル港に本拠地を持つ瓶詰業者・ブリストルの「バルバドス・ラム ロックリー・スティル1986 シェリーフィニッシュ」
 


いやらしい話で恐縮ですが、そのお値段1杯3850円。わおっ!


筆者の乏しいラムのイメージから、グラスはショットグラス? と思っていたのだが「香りの広がりが楽しめるシェリーグラスでぜひ!」と水島さん。
「ショットグラスだと味気ないですしね」と、つくづくラムへの愛は深い。

注がれた琥珀色のその美しい飲み物は、グラスに注がれるとふわっと鼻先をくすぐる甘い香りでまず嗅覚を酔わす。その香りときたら「芳醇(ほうじゅん)」という言葉にぴったりの深く優雅な香り。
 


なんだこれ!? ホントにラム?


これ、恐らく何も知らずに飲んだら、ラムだと気づかないかも。甘いラムのイメージからは想像もつかないすっきりとした飲み口。シングルモルトウイスキーを思わせるはっきりと主張する美味さと、シェリー酒のような心地よい甘さ。

筆者、この1杯で完全にラムのイメージを変えられました!
 


あたし・・・ラム・・・超好きかも!?




ラムの飲み比べ



こうなると、違うものも飲んでみたくなるのが酒飲みの性。

水島先輩のご厚意に甘えて、続いては活性炭を使って色と香りを取り除いた種類の「ホワイトラム」の飲み比べ。いただいたお酒は、「アプルトン ホワイト(750円)」と「ネイソン ブラン “L'ESPRIT”70%(1100円)」。

「アプルトン」は、カクテルなどに多く用いられる「ホワイトラム」。熟成されていない「ホワイトラム」ならではのクセのないライトな味。一方「ネイソン ブラン」はというと、一口飲むとふわっと口の中に広がる優しくもしっかりとした独特の香りが印象的。

何だ? この香り? トウモロコシのような・・・
 


同じホワイトラムでも、まったく別の飲み物です


この2つの「ホワイトラム」、実はその製法に違いがあるとのこと。

ラムの多くは「アプルトン ホワイト」のように、砂糖を分離させた後の液(糖蜜)を使用して作られるのだが「ネイソン ブラン」はサトウキビの絞り汁をそのまま使用する「アグリコール製法」という製法で作られているのだとか。

香り特徴もさることながら、その味わいも繊細かつまろやかで、70度という強烈な酒であることも忘れるほど心地よい飲み口。
 


お通しはドライフルーツ。ハードリカー(蒸留酒)によく合います
 

ピザやパスタなど軽食も用意


「お酒だけを飲まれる方がほとんどですが、フードメニューもそれなりに用意しています」とのことで、パスタソースも常に5種類くらい用意されているそう。
メニューはその日によって少しずつ違うが、時にはお手製ピクルスや、趣味で狩猟を行っている水島さんのお父さんが持って来てくれるというジビエ(狩猟で得た野生鳥獣の食肉)も味わえるのだとか。
 


厚切りベーコンのたっぷり乗ったミックスピザ(1200円)をいただきます
 

お腹がいっぱいになったところで更にもう一杯


こちらのボトルはメーカーさんからお店の10周年を記念していただいたオリジナルボトルだそう。さすが、お得意さま!
まだまだ! 続きましては、プランテーション“バルバトス”(1450円)
 


こちらも絶品!


もう、こうなってしまうと取材なんてそっちのけ。

男・水島先輩が気持ちよくお酒を勧めてくれるのをいいことに、調子に乗って独りラム祭り状態。
 


こちらは本家「横浜ラムフェスティバル」のポスター


実は水島さん、港ヨコハマでラムの魅力をより多くの人に伝えることを目的に活動する「よこはまラム推進委員会」の中心メンバー。
 


参加店舗は現在11店舗


すでにご存じのはまれぽユーザーも多いかと思うが「横浜ラムフェスティバル」はその活動の主軸となるイベントで、10年ほど前から行われているとのこと。

「昨年は外務省や横浜市役所などの協力もあり、日本丸メモリアルパークで開催することができたんです」と水島さん。その評判もよく、今年もすでに開催が決定しているのだそう。
一夜にしてすっかりラムの虜となってしまった筆者。今からその開催が待ち遠しい。
 


横浜とラム。これからもますます盛り上げていってください




取材を終えて



現在、水島さんが経営するのは「One Many」のほかに、中区にある「Bar INFERNO」と戸塚区にある「ARCANO」の2店舗。One Many程の品ぞろえとまではいかないが、ほか2店舗も横浜ラム推進委員会の参加店舗として、比較的多くのラムを取り扱っているそう。いずれの店舗も、内装から水島さんを始めとするスタッフが、内装から手がけたというこだわりの店だ。この2月には更にもう一店舗がオープンするのだとか。

 

「ARCANO」(左)「Bar INFERNO」
 

今後4店舗の経営者となる水島さん。華やかに見えるその肩書きの裏には、決して順風満帆とは言えない苦しい時代もあったという。
「記事になるような話ではないですよ」と言いながらぶっちゃけてくださったお話は、なかなかどうして波乱万丈の物語。でも、だからこそ水島さんにも、この店にもしっかりとした信念と優しさがあるのだろう。

「やらないで後悔はしたくない」、そういって失敗話も気持ちよく笑い飛ばした水島さん。今後も失敗を恐れることなく、まだまだ何かおもしろそうなことをやってくれるに違いない。

今回、筆者が取材と称して「One Many」を満喫した時間は、およそ3時間半。恐らく終電の心配さえなければまだまだ居座り続けたことだろう。
ラム、最高! またぜひ足を運びたい。


―終わり―
 

One Many
住所/中区野毛町1-46-3 2F
電話/無
営業時間/19:00~7:00
定休日/不定休
 

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  • むかしハードダーツが置いてありましたよねいまはなくなったのかな

  • ラム好きなのにこんな素晴らしいBARがあるとは存じ上げませんでした(^_^;)ありがとうございます!m(_ _)m

  • えー、入り口の謎はぼかして欲しかったなぁ・・・ネタバレされてがっくりです・・・

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