川崎で活動する『ひょっこりひょうたん島』でお馴染み!? 半世紀以上の歴史ある「人形劇団ひとみ座」に密着取材!
ココがキニナル!
「ひょっこりひょうたん島」や「ネコジャラ市の11人」で人形操演を担当した、川崎の人形劇団「ひとみ座」の活動を紹介してください。(羽後人さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
ひょっこりひょうたん島オンステージといった多くの舞台をこなすかたわら、学校や保育園での公演、川崎でイベントを開催するなど精力的に活動中!
ライター:大野 ルミコ
プロが魅せる! 人形劇を見に行こう!
友松さんからのお誘いを受け、梅雨明け直後のギラギラした太陽の下、川崎市民プラザへとやってきた筆者。
晴天の中、朝早くから多くの親子連れが訪れた
関東最大級の人形劇のおまつりだという
この日行われた「人形劇まつりin川崎市民プラザ」は、1988(昭和63)年、ひとみ座を中心にプロ・アマチュアの人形劇団が集まって始められた「人形劇のおまつり」。館内ステージでの公演をはじめ、さまざまなワークショップなども行われている
入場券代わりのバッジ(300円)を購入して、いざ! 館内へ
すでにステージ前では多くの人が人形劇を楽しんでいる
会場内でひとみ座は2作品の上演と、ウレタン人形作りのワークショップを行っているという。早速、ワークショップの会場へと向かってみる。
毎年、大人気で材料が途中で売り切れてしまうという
ウレタンを型紙通りに切り抜き、組み立てて人形を作っていく
完成品のオオカミ。すごいカワイイんですけど・・・
ウレタンを切って、説明書通りにボンドで貼り付けていく。その作業が面白いのか、あれこれ悩みながらも子どもたちが夢中で作業をしていく姿は見ているだけで微笑ましい。指示通りに作る子、人形にマジックで模様を書き込んでいく子、一人ひとりの個性が光る。
小さな子も夢中になって取り組んでいた
そして、筆者にとっては「生まれて初めて」の人形劇観劇。今回は人形劇まつりの大トリとして上演された『りすおとかめ吉』を見せていただくことにした。
この人形劇まつりでのひとみ座は『ぶたおとぶーこの夏休み』と『リスおとかめ吉』の2作品を公演。両方とも手に人形をかぶせて演じるギニョールタイプの劇。ひとみ座には幼稚園・保育園や小学校などでの公演を手掛ける幼児劇場があり、今回はそこで活躍する劇団員の方が参加しているようだ。
ステージを取り囲むように多くの人が詰めかけた
演じたのはひとみ座の代表でもある中村孝男(なかむら・たかお)さん
この『りすおとかめ吉』は、中村さんが一人ですべての人形を操る一人芝居。劇の途中、りすおとかめ吉以外にちょっぴり意地悪なカラスや犬も登場するが、それももちろん中村さんが人形を入れ替え、声を変え、演じ切っているのだ。
画像クリックで動画再生。とても一人で演じているとは思えない!
突然、ご本人が登場してくる場面も(笑)
劇中、中村さん演じるおじさんが登場し、子どもたちにかめ吉の居場所を尋ねるシーンがある。それに「右!」「左!」と声を上げている子どもたちの顔は真剣そのもの。きっと目の前で物語を繰り広げている「りすお」と「かめ吉」のことを命ある一つの“生き物”として見ているんだろうな・・・と感じる。
でも、無理もない。大人の筆者だってすっかり感情移入しているんだから。
落ち込むかめ吉と励ます、りすお。・・・手の動きでここまで豊かな表情が出せるとは!
落ち込んだり、笑ったり、驚いたり、人形の顔が付け替えられるわけでもないのに、中村さんの手の動きで表情がクルクル変わるのに驚かされる。のんびりゆったり話すかめ吉とちゃきちゃきの江戸っ子のようなりすおの声の違いも、とても一人が演じているとは思えないくらいだ。
友情、環境問題、ペット問題――作品にはいろんなメッセージが込められていた
しかし・・・子ども向けの人形劇でこんなにスゴイのなら、劇場で上演している人形劇はどれほどのものなのか。「人形劇って子どもが楽しむものでしょ!?」と思っていた自分の考えがいかに間違っていたかを思い知らされる。
ぜひ、筆者のような勘違いをしている人にこそ、一度、ひとみ座の公演を見ていただきたい――そう思いながら会場を後にした
取材を終えて
川崎市民プラザでの上演が終わった後、短い時間だったが演じていた中村さんとお話しする機会をいただいた。
中村さんも、先日お話をお伺いした友松さんと同じように「人形劇にはいろいろな活動の場がある」と話す中村さん。「でも、やっぱりこうしてお客様の前で、お客様の笑顔を見ながら演じるのというのが、ひとみ座の基本だと思っているんです」
終演後も中村さんとぶたおくんの周りには子どもたちが集まってくる
見ているだけでもかわいらしい人形が、命を吹き込まれ表情豊かに動き回る。そしてそれを見て大人も子どもも驚いたり、悲しんだり、笑ったり――。「人形劇には無限の可能性があるんです」と話した友松さんの言葉の一端に触れさせていただけた取材だった。
―終わり―
取材協力
人形劇団ひとみ座
電話番号/044-777-2222(平日10:00~18:00)
HP/http://hitomiza.com/
<神奈川県内での公演予定>
賢治のカバン(『セロ弾きのゴーシュ』『注文の多い料理店』『やまなし』)
日時/8月20日(木)14:00~、21日(金)・23日(日)11:00~・14:00~
会場/県民共済みらいホール(横浜市中区桜木町1-1-8-2 県民共済プラザビル1階)
料金/前売2600円、ペア券4800円、当日3000円
※20日(木)14:00~は満席。キャンセル待ちのみ受付中
※詳細はひとみ座へお問い合わせください
あまえびさん
2015年08月07日 11時16分
ひとみ座は川崎フロンターレのホームゲーム開催時に毎回舞台を開いていて、サッカー観戦が好きな者としてはとても身近な存在です。でも市バス井田営業所の近くに拠点があることは知りませんでした。
ポスポスさん
2015年08月07日 10時00分
何年か前にテレビの『ぶらり途中下車の旅』でも紹介されたことがあり、見ました。それに横浜市内の小学校や幼稚園にも来てくださったりもして、娘が小学生の頃見たと言っていました。