横浜市営バスの「飲食禁止」ルールは夏場の飲み物もダメって本当?
ココがキニナル!
横浜市バス車内では飲食禁止のルールがありますが、健康福祉局ではこまめな水分補給を呼び掛けています。健康のため、飲み物などは必要では?交通局の見解がキニナル(あぷりこってぃさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
市営バスのルールは「ほかの乗客の迷惑になること」を禁じている。乗客の健康維持のための水分補給まで禁じていない
ライター:福原 麻実
健康福祉局へ
では、バス車内での水分補給は、周りの状況を見ながら、健康に必要な範囲に留めるとして、実際どれくらい必要になるのだろう?
こまめな水分補給を呼びかけているという、健康福祉局の森田課長補佐と蜂屋さんにもお話を伺った。
熱中症予防についてお話を伺った森田課長補佐
「熱中症予防には水分補給が重要ですが、適度な水分を摂ろうということに加えて、一度にではなくこまめに水分補給をしていただきたいと思います」
「一度にたくさん水分を摂っても、身体が取り込めずそのまま尿として流れていってしまいますので、コップ一杯程度、200mlくらいのお水を定期的に、のどが渇いたと感じる前に飲んでいただきたいですね」
「また、“水”だけでなく“塩分”の入ったイオン飲料や経口補水液のような、ミネラル分の入った飲料をなるべく摂取することです。1リットルぐらい汗をかいたとすると、3グラムぐらいの塩分が体外に流れていってしまうんですね。そうなる前に塩分を摂らないと不足してしまうのですが、お茶やお水だけ飲んでも補給できないという理由があります」
3グラムもの塩分。そんなに流れていってしまうとは
「そのためなるべく塩分もしっかり摂るように啓発しています。家庭での(ミネラル分の入った飲料の)作り方も紹介されていますが、スポーツドリンクやイオン飲料、経口補水液がドラッグストアや量販店で販売されていますから、そういったものを手軽に摂取していただくのも一つの方法と考えています」
これはゼリータイプの経口補水液
人間の身体は寝ている間に2リットルもの汗をかくのだとか。「寝る前と起きた時はなるべく水分を、高齢者など、のどの渇きを感じづらくなっている方は特に飲んでいただきたい」とのこと。
いただいた資料。健康福祉局ではチラシなどで注意をよびかけている
「これは環境省が作成したポストカードです」と蜂屋さんが指したのは、写真上部の黄色の紙だ。
「一例として、市民のみなさんがご両親に暑中見舞いとして出したり、民生委員が高齢者、特に独居老人と呼ばれる単身者の方々の家庭を回る時に渡したり。そういったさまざまな目的での利用を考えています」
―熱中症に関して、予防のポイントは?
「こまめに水分・塩分を摂ることはもちろん、通気性・吸湿性の良い服装を心がけてください。扇風機やエアコンを適切に用い、室内の温度調節には十分注意しましょう。また日頃から汗をかいて運動するなど、暑さに負けない身体づくりも大切です。暑い日が続きますが、熱中症に注意して健やかに過ごしていただきたいですね」と森田さん。
2015年8月3日時点での搬送者数
飲酒した翌日や風邪をひいている時など、体調の悪い時にも熱中症にかかりやすいのだとか。
広報での呼びかけ。これは消防局との共同で出されている
「呼びかけても返事がない、自力で水分が摂れない時は119番にかけて救急車を呼んで欲しい」と蜂屋さん。
このほか、環境創造局では打ち水やグリーンカーテンを呼びかけている。
―読者からの「健康福祉局は盛夏時のこまめな水分補給を呼びかけています」というのはどこで流しているのですか?
「横浜市営地下鉄で“次は○○駅”と流れるLEDの電子広告に“熱中症に気をつけましょう”“水分補給を心がけてエアコン・扇風機を活用してください”という広告を出しています。また、本市ではごみの収集車が回収する際に時宣的なニュースを放送しているのですが、その時に熱中症予防について注意喚起をしています。さらに、広報紙やホームページ、チラシの配布などを行って、啓発しています」
横浜市民の実態は?
街の人は夏場の水分補給や、バス内での飲食についてどのような意識を持っているのだろうか。インタビューをしてみた。
まずはJR桜木町駅前でバスを待っていた女性、草田さん。
バス内で飲み物を飲みますか? と伺うと、水筒を持っていれば飲んでいますねとのこと。
アナウンスについては「そうなんですね」とご存じではなかった様子。
気さくに答えてくださった草田さん
横浜駅前でバス待ちをしていた男性にもたずねてみた。
こちらは土井さん(写真NG)
バス内で飲み物を飲みますか? という問いに「暑ければ・・・」というお答え。
飲み物は「ペットボトルの水とか」と答えてくださった。
こちらもアナウンスについては「そうなんですか?」と、ご存じない様子だった。
交通局の方に伺った「カップラーメン」というのは極端な例だろうが、バス内で「食べる」ことの実態はどうなのだろう?
ラッシュ時から少しずれた、まだギリギリ空いている夕方の時間帯にバスに乗りそうということもあり、学生さん中心にインタビューしてみた。
「ペットボトルの飲み物」を挙げる子たちが多かった中で、一番興味深かったのは3人組の女子高生。
お名前はナイショとのこと
―バスでの飲食、OKとNGの境目はどのあたりだと思っている?
「お菓子! ポッキーまでOKで、ポテチはダメ」
―その違いは何?
「片手で食べられること」
判定が難しい意見が出た。
溶けてなければ汚れも匂いもあまりなさそうだし、何より彼女達基準で周囲の迷惑を考えたチョイスに思えるからだ。
取材を終えて
飲料も食品もさまざまだ。飲み物の容器も多様化している。
笠原係長もおっしゃっていたが「特定のものを禁止する、特定のものを認める」というのは難しい。
自分が真新しいスーツやお気に入りの服で出かける時に、バスの中で隣にいる人が飲んだり食べたりしていたら嫌なものは? と想像して、ちょっと嫌だと思ったら、それはNGということでいかがだろう?
市営バス側は、乗客の快適に気を配っている。利用者はそれを乱さないように、ほかの乗客の迷惑にならない範囲で行動したいものだ。
―終わり―
ushinさん
2015年08月14日 15時04分
ざっくり禁止して個別の注意はしづらいな~じゃなくって、適宜「車内での飲食で『他人に迷惑をかけないように』お気を付けください」という注意喚起を放送(それも聞き流される自動音声ではなく運転士の肉声で)行うのが先でしょ?さすが、全席優先席とか気の狂った施策をやって、実質意味なしだった横浜市交通局らしい。ところでバス運転士の交通ルール順守きちんと徹底して赤信号堂々無視してるところ見られないようにするのが緊急課題じゃないの?!
ホトリコさん
2015年08月11日 12時16分
通勤途中の京王線で、高尾山へ行くのか?登山装備お婆さんに水かけられました。キャップ付きの病院で出される液体薬の容器でしたが、座っていてもひっかけてしまうくらいだから、ましてやバスよりも安定している電車内、急停車しもしていません。
よこはまいちばんさん
2015年08月11日 11時49分
デジタルな世の中が原因なのか、飲食はご遠慮!と言われて水1口すらダメと思う極端さ。川崎だったが自分も通勤時間に路線バス内で朝食代わりに?唐揚げを食べる同じ人物に度々遭遇(通勤でお互い同じ便だから)。車内はニンニク醤油臭が充満。常識の範囲だからわざわざ押しつけがましく言うな!との意見もあるが、車内で食べている当人は極当たり前に思って本人は常識範囲だと異様にも思っていない様子。放送ではなく乗務員が直接注意すれば簡単にキレてしまう連中も多々の世の中で、事業者側も全ての利用客に対して曖昧さを持ったマナー啓発に徹するしかない状況は、ハッキリ言えば市民・国民一人一人が作りだしている環境なのだと思える。車内のお菓子類もカップラーメンよりはマシだが、5時間も6時間も・数日間もの期間を我慢するのではないのだから数十分程度はガマンしろ!と感じるのだが。デジタル時代はハッキリ線引きしろ!と考えるのだろうな~。