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反町駅周辺は昔「遊郭」だったって本当!?

ココがキニナル!

東急東横線反町駅前には戦前まで遊郭があったそう。当時は「大門」という大きな門があって、門の先が遊郭になっていたのだとか。この遊郭について知りたい。(ねこぼくさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

東横線反町駅から第二京浜道路へ出る一画に「反町遊郭」があった。1900(明治33)年に作られたが、その建物は横浜大空襲で焼失した。

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ライター:橘 アリー

反町遊郭はどこにあったのか?


 
場所については、資料によって「現在の東横線反町駅から第二京浜道路へ出る一画にあった」「現在の反町公園にあった」「現在の反町公園の西側一帯にあった」という3通りに書かれている。
 


東横線反町駅


そして、地図と復元図が2つある。

一つは『わが町の昔と今 3神奈川区編』に遊郭があった当時の復元図で・・・
 


復元図を元に作成した地図


これは「反町遊郭」があった当時の様子をご存じの地元の方が1985(昭和60)年に復元したもの。ここに出て来る遊郭の名前で「島崎廊」「松吉廊」などは『横浜市史稿 風俗編』にも「反町遊郭」に移転した店として名前が残っている。

もう一つは『第二京浜国道と鶴見めがね橋物語』の中にあった「大日本職業明細図 神奈川」の地図。
 


大日本職業明細図 神奈川の地図(『第二京浜国道と鶴見めがね橋物語』より)


地図中の赤丸のところが「反町駅」で、黄色い丸のところが「反町遊郭」。

道の様子は現在とは違っているが、これらの資料をもとに、「反町遊郭」があった場所を考えると・・・
 


だいたい赤丸の辺りになるのではないだろうか


現在の反町公園のどの辺りまで遊郭があったのかはわからないが・・・
言葉にすると「反町遊郭」があった場所は「現在の東横線反町駅から第二京浜道路へ出る一画で、現在の反町公園の西側一帯」になるのではないだろうか。

最後に、現在も残っている「反町遊郭」の名残りについて。
 
 
 

「大門通り商店街」にあったお店が今もある!?


 


復元図には「反町遊郭」の手前に「大門通り商店街」があり


そこには、さまざまな商店が軒を連ねている。
その中の2軒、大門のすぐ右にある鰻屋「菊家」と、大門から左へ3軒目の「おかめ寿司」が現在も残っている。
 


菊家は風情のある建物である
 

菊家の近辺はマンションなどが建ち並ぶ住宅地となっていて・・・


菊家の左横の道を進むと反町公園がある。
 


現在の反町公園


一方「おかめ寿司」は・・・
 


現在は立派なビルに


「おかめ寿司」は反町駅前の反町交差点のすぐそばにある。
 


こちらが現在の反町交差点


「反町遊郭」があった当時からある2軒のお店が現在も残っているが、この2軒は遊郭があった当時、遊郭の大門を挟んで左右にあったようだ。
 


地図中の黄色い丸が「おかめ寿司」で白い丸が「菊家」


「反町遊郭」があった当時と現在は、道路の様子も違い、両店とも当時とは少し場所が移動しているようである。

両店にお話を伺う。
「菊家」は現在のご主人は戦後の生まれで、昔のことはわからないとのことだったが「おかめ寿司」で少しだけお話を聞かせていただけた。
 


「おかめ寿司」ご主人の大城啓祐(おおおしろ・けいすけ)さん(右)と年正(としまさ)さん


現在、ご主人の啓祐さんは78歳であるが、遊郭があった当時の様子については、残念ながら記憶に無くわからないとのこと。年正さんは、祖母から「子どもは大門から先へは入ってはいけない、と大人から言われていた」と話してもらった記憶があると教えてくれた。

当時の様子を知っている年代の方々は、現在はもう亡くなってしまっているそうで遊郭の様子を教えていただくことはできなかったが、当時の名残りの一つとして「おかめ寿司」と「菊家」が現在も反町にあり、代々受け継がれてきているとわかった。
 
 
 

取材を終えて



小説『人生劇場』で有名な作家・尾崎士郎(おざき・しろう)が、1962(昭和37)年当時、産経新聞に書いていた『わが青春の町』のなかの『青木反町』という髄筆で、当時の「反町遊郭」の情緒を懐かしんでいる。

「街道筋からそれた場所にあるだけに、この遊郭は、特別の客を迎えて、どんちゃん騒ぎをやっている客でもないかぎり、ひそやかな空気につつまれて、しんと静まりかえていた」

「私にとって青木反町ほど清潔な遊郭はなかった。いや、遊郭が清潔だったといういいかたは少し奇矯(ききょう)に過ぎるかも知れぬ。唯、私にとっては、青春の浪費に時を過ごしていた時代に、この町の思い出ほど純粋な感銘を残しているものはない」

と書かれている。

今回の調査で「反町遊郭」はその実態が現在ではあまり知られてはいないが、著名な作家の思い出の一端として残っていることもわかった。
 
 
―終わりー
 
 

参考文献



『神奈川区誌』神奈川区誌編さん刊行委員会
『わが町の昔と今 3神奈川区編』とうよこ沿線編集室
『横浜市史稿 風俗編』横浜市役所
『第二京浜国道と鶴見めがね橋物語』サトウマコト
『横浜文化財調査報告書 神奈川砂子』横浜市教育委員会
 
 
 

この記事どうだった?

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コメントする
  • 横浜風俗史は奥が深く、話のネタになります。記者さん、本当に良く調べてわかりやすく纏めてますね。感謝しつつ楽しませていただきました!!

  • 時間が経つと消えてしまう歴史を、こういう形で記事にして、皆で共有するってすごい大事なことだと思う。

  • さっそく訂正いただきありがとうございました。今後の記事も期待しています。

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