9月23日に行われた横浜市内の動物園で亡くなった動物を偲ぶ「動物感謝祭」の様子をレポート!
ココがキニナル!
9月23日に野毛山動物園で行われた「動物感謝祭」って、どんなイベントかキニナル?(はまれぽ編集部)
はまれぽ調査結果!
来場者がそれぞれの想いを胸に参列した献花式だった。今年亡くなった動物や生まれた動物のパネル展や特別ガイドも行われていた。
ライター:すがた もえ子
献花式の様子は?(つづき)
式は、野毛山動物園園長鈴木さんの挨拶から始まった。
鈴木園長(中)のお話
「3園の動物園の動物たちに感謝の気持ちを表すといったことで、皆さまに献花をしていただき、亡くなったものには冥福を祈る、生まれてきた子たちにはこれから頑張る、長寿の動物にも頑張ってもらう、という気持ちで花を手向けてもらえればうれしい」と鈴木園長。
続いて金沢動物園の原園長
「金沢動物園でもさまざまな動物を飼育していますが、8月にウォンバットのヒロキくんが亡くなりまして、本日は国内最高齢だったヒロキくんの冥福を祈りにまいりました。皆さまにはとてもかわいがっていただきまして、今でもヒロキくんに会いに来てくださる方やSNSでも気にかけてくれる方も多く、感謝の気持ちでいっぱいです」と語る原園長。
両園長からの献花
そして思い思いに花をささげ、祈る人々
来場者の中には涙をこぼしながら動物の死を悼む人の姿もみられた。
献花式に参加された方々の声
献花するために列の一番前で並んでいたヒロキの大ファンだったというAさんご夫婦にお話をうかがうことができた。
「はじめはウォンバットっていう動物を知らなかったんです。それが金沢(動物園)にいるって知って見に行ったんです。この人(奥さま)がウォンバットに似てるねっていう話もしてて」とAさん。
「そしたらヒロキくんにはまっちゃって。月1で見に行くようになったんです。動物園に行っているのに、ヒロキくんしか見ないくらい好きで、はまっちゃって」とAさんの奥さまは目を潤ませる。
お二人にとってヒロキの存在はとても大きかった
今年になってからはヒロキの体調不良や天候不順のため会いに行けておらず、そんな中で入ってきたのがヒロキの訃報だったという。
「金沢動物園にも花束をかかえてお別れに行きました。そこで、今日も野毛で献花式をやるよって聞いて来たんです」と奥さま。
たまたま来園し、献花式に参加したというBさんも、やはりヒロキが亡くなったことに対して「さみしい」と語った。
このほかにも来園してみて献花式をやっているのを知って、参加したという方も多かった。
供えられたお花の山
動物たちが亡くなってしまうのは寂しい。それが自分のお気に入りの子だったりすると、寂しさはひとしおだ。毎年9月23日に行われている献花式は、そういった動物たちを思い出すいい機会になるだろう。
野毛山動物園と言えば、2014(平成26)年に亡くなった、世界最高齢のフタコブラクダのツガルさんがいた。この日も、主人不在となったツガルさんの檻の前で多くの人が足を止め「ツガルさん死んじゃったんだもんね」「もういないんだよね」とツガルさんを偲んでいた。
フタコブラクダの檻の中にはツガルさんのパネルが
檻の中には遺影も飾られていた
いまだ多くの人々に慕われ続けるツガルさん。本当に大きな存在だったのだなと改めて思う。
動物園の動物は、亡くなるだけではない
前回の感謝祭以降年、動物園で生まれた赤ちゃんたちのパネル展示も行われている。
野毛山動物園の赤ちゃんたち
リュウキュウヤマガメや、オグロワラビー、フンボルトペンギンの赤ちゃんが誕生したそう。ズーラシアや金沢動物園で生まれた動物たちも紹介されていた。
ズーラシアではオカピの赤ちゃんが生まれた
金沢動物園では、キリンの赤ちゃんが誕生した
亡くなるだけではなく、動物園では新しい命が生まれ、命の輪は繋がれ続けている。
野毛山動物園の動物感謝祭では、2015(平成27)年に生まれた動物の赤ちゃんの特別ガイドも行われていた。
リュウキュウヤマガメの特別ガイド
直接、飼育委員さんからお話が聞けるガイドは大人気で、すごい人だかりができていた。中央左のフリップを持っているのが飼育係の方。
天然記念物リュウキュウヤマガメ
これは大人の亀だが、2014(平成26)年11月9日に誕生したリュウキュウヤマガメの赤ちゃんは、は虫類館の室内で見ることができる。赤ちゃんの両親は、文化財保護法違反により摘発され、野毛山動物園に保護されて来た。リュウキュウヤマガメの生息地・沖縄以外では初の繁殖となる赤ちゃんだ。
取材を終えて
金沢動物園の原園長と少しお話をさせていただいたのだが、ヒロキは本当に毎年夏をこすのが大変だったという。飼育舎にクーラーを設置してからはだいぶ楽そうだったが、この夏はこせなかった、と寂しそうにおっしゃっていたのが印象的だった。
また、野毛山動物園の鈴木園長にお話を伺った際「献花式は亡くなった動物を偲ぶ機会だが、それだけでなく、長寿の動物や新しく動物園で生まれてきた命についても思いを寄せてほしい」とおっしゃっていた。
横浜市内の動物園では今回金沢動物園で亡くなったウォンバットのヒロキのように、飼育環境によってでの記録を更新する動物たちもいる。 平均寿命を超える動物たちもいる。て元気に来園者へ元気を分けてくれるご長寿の動物たちや、かわいい赤ちゃんにも会いにいってほしい。
―終わり―
ホトリコさん
2015年09月29日 12時23分
死んでしまって、なおかつ最後の一頭、一羽だったりすると、かなりガックリしますが、新しい命ってことでは、オランウータンとアカアシドゥクラングールの赤ちゃんがオススメです。