かつて横浜で盛んだった捺染文化を受け継ぐ横浜発祥ブランド「濱文様」とは?
ココがキニナル!
横浜が大好きです。以前、横浜帆布鞄さんを取り上げていましたが、横浜をモチーフにした服飾雑貨や文具、ファブリックを扱ってるショップが知りたいです。(はまっこはむさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜にこだわった「濱文様」には、地元・横浜の昔から伝わる技術で作った、ステキな商品がいっぱいあった!
ライター:濱屋 亘
横浜にこだわった商品を拝見!
濱文様は札幌から大分まで全国で13の直営店があり(2015〈平成27〉年9月現在)、今回お邪魔した「みなとみらい店」は2013(平成25)年6月に大型商業施設「MARK IS みなとみらい」の地下4階にオープンしたばかりの神奈川県唯一の店。店内は茶色を基調とした落ち着いた雰囲気で、三方が通路に面した開放的な作りになっている。
みなとみらい線「みなとみらい」駅改札直通「マークイズ みなとみらい」地下4階
店内にはてぬぐいを始め、はんかち、風呂敷、巾着、スカーフなど染めの技術を使った布製品が充実。店長の北條沙織(ほうじょう・さおり)さんにこの店一番の人気商品を聞くと、「やっぱり絵てぬぐいです」。
今回取材に親切に対応してくださった北條さん
「絵てぬぐい」は、てぬぐい全体が一枚の絵となった、見ても楽しめる新感覚のてぬぐい。柄も葛飾北斎や歌人広重といった古典的なものから、動物や四季折々の情景を描いたイラストまで幅広く、豊かな色遣いや、洋服にも合わせやすい現代的な雰囲気も、その魅力の一つになっている。
みなとみらいの情景を描いた商品も多い。「すごろく」や「マップシリーズ」もある
なかでも一番人気なのは、富士を背景に横浜の港が広がる「夢のみなとみらい(税込1296円)」。こうした地元の風景や縁起の良い富士が描かれている商品はとくに人気で、お土産としてだけでなく、自宅に飾るために買っていくハマっ子も多いのだという。
「夢のみなとみらい(左)」と「みなとみらいと船」各税込み1296円
続いて人気なのが、てぬぐいを一冊の本のように綴じ、ページ毎に絵柄をめくって楽しめるようにした「てぬぐい本(税込1080円)」。とじひもをほどけば、一枚の絵としても楽しむことができるユニークな商品。
書店のようにズラリと並んだ「てぬぐい本」の数々。どれを選ぶかかなり迷う・・・
試しにめくってみた「妖怪本」。ページ毎に絵柄が違って、見ごたえ十分!
ちなみにこの「てぬぐい本」(2007年度)は「いろははんかち」(2008年度)「重ね絵てぬぐい」(2014年度)とともに、グッドデザイン賞を受賞している。
風呂敷やハンカチといった商品も売れている。1コマずつ違うポーズをとる豆柴や文鳥がプリントされたハンカチは、かわいくて、ついはまってしまう人も多いのだとか。風呂敷は別売りの持ち手をつけることでバッグ風にもアレンジでき、風呂敷に馴染みのない世代でも楽しむことができるようになっている。
風呂敷で作るお洒落なバッグは、コンパクトに畳めて持ち運びも便利
店にはほかにもメガネケースやがま口、扇子といった和小物から、ショルダーバッグやトートバッグなどのバッグ類、お弁当巾着やペットボトルケースといったキッチン用品、シュシュやストール、折り畳み傘などの身の回りの品物があれこれ充実。意外なところでは、液状のり(税込162円)なんてものもある。
文具もいろいろ。「金封(写真左)」は、水引を外した後にハンカチとしても使える
限定柄の商品もある。地元で親しまれている「横浜三塔」を模したトートバッグは、この店だけの限定柄。落ち着いた色柄なので男女ともに使いやすく、普段使い用に買っていく地元の人も多い。
てぬぐい「濱パンダ(税込864円)」や絵手ぬぐい「横浜の豆柴水兵さん(税込1296円)」などもみなとみらい店だけの商品で、ほかにも、地元・横浜をモチーフとした商品がたくさんそろっているので見逃せない。
みなとみらい店限定柄「よこはま三塔(小・税込2484円 大・税込3888円)」
「てぬぐい生地の切り売り」があるのも、ここみなとみらい店だけ
「商品筋としては30~40代の女性がターゲットなのですが、実際に来られるお客さんは若い方からご年配の方までさまざま。男性の方もよく来られます」と北條さん。実際、店内には女性向けの商品だけではなく、自転車やメガネ、定規といった比較的男性向けの柄もそろっている。
味があるので、これが好き! という支持層も多い
キッズ甚平やキッズ用のバスタオルといった子ども用品もある。「みなとみらい店は、駅ナカにあるほかのショップと違って、比較的ゆっくり見ていただけるのが魅力です。店舗周辺の通路も広く、近くにはベンチもあるので、ベビーカーを押したお母さんや、ご年配の方にも楽しんでいただけます」と北條さん。
付けるハンカチを取り換えるだけで使えるよだれかけは、洗い替えが簡単で便利!
取材してみて商品の多さにビックリしたので、試しにいくつあるのか聞いてみると「単純に商品数だけを数えると100種類以上あります。さらにさまざまな柄があるので・・・」とても全部は数えたことがない、と北條さん。
新しい柄も次々と出るので、お客さんからは「来るたびに違う商品が置いてあって楽しい」と言われる反面、全部並べきるのが大変なのだとか。「やっぱりここは横浜初の店舗ということもあって、社長の思い入れも強いんだと思います」
ちなみに、筆者がキニナったのはこちらのマグカップ(税込1728円)。底のフタ部分を回すと本体が外れ、カップの絵柄を変えられるという優れもの。
これなら飽きずにずっと使えそう!
選ぶことで、自分らしさを表現できる。濱文様は、そんなさりげない主張と選ぶ楽しさ、さらに地元を大切にする社長の思いがたくさん詰まった、見ているだけでも胸がいっぱいになりそうなお店だった。
取材を終えて
実は筆者の地元・京都にも濱文様の直営店が1軒あるが、地元の西陣などとはまた一味違う、ぱりっとした感じの色合いや、現代的で意匠に富んだデザインに「さすがハマはおしゃれやなあ~」と好きで通っていた記憶がある。
古い伝統技術をベースに「いま・なにが・ほしいか」をリアルタイムで発信していく濱文様。これからもぜひ、ハマを支える力であってほしいと思った。
-終わり-
濱文様さんの手ぬぐい本、てぬぐい、絵てぬぐいを抽選で各1名様にプレゼント。
ご希望の方はこちらのお問い合わせフォームより、
以下の情報を明記のうえご応募ください。
・お名前
・ご住所
・連絡先(電話番号)
※商品は選べません。ご了承ください。
※当選者の発表は、発送をもって代えさせていただきます。
取材協力
株式会社ケイス
住所/横浜市港南区港南中央通8-22
電話/045-847-2431
濱文様 MARK IS みなとみらい店
住所/横浜市西区みなとみらい3-5-1マークイズみなとみらい
電話/045-319-6351
営業/月~木 10:00~20:00、金・土・日・祝前日 10:00~21:00
URL /http://www.hamamonyo.jp/
シロの扇さん
2015年10月08日 21時01分
伝統工芸と若いデザイナーのコラボ、形は変えず、新しく。高速のPAや道の駅で、地元の良いモノを現代的に、そんなモノが大好きです。ハマにもあるんですね!!商品の写真からも色々目が行ってしまいます!手ぬぐい本、書店のようにずら~っと並んでて手にとって読んでみたくなりました。素敵なハマのちいさな物語をありがとうございます。
ホトリコさん
2015年10月08日 12時16分
後でアパートに戻ったら確認しますが、ズーラシアで手に入れた猫柄の和ハンカチと似た感じです。
むしぱんださん
2015年10月07日 22時25分
濱文様の手ぬぐい、大好きです。捺染ならではの模様の美しさも勿論ですが、洗い晒していった時の柔らかさが他の手ぬぐいよりも心地よく感じます。ショップやウェブでたくさんの柄を眺めていると楽しくて時間を忘れてしまいますね。