閉ざされていた花月園競輪場跡地が1日限定で特別公開! 跡地利用はどうなる?
ココがキニナル!
遂に花月園に動きがあるようです。11月23日には一日のみの開放があるとか?今後の予定なども含めて、是非、取材をお願いします!(EnnKuuさん/鶴見の紳士さん)
はまれぽ調査結果!
大規模な公園と宅地への整備が決定し、取り壊される直前の花月園競輪場。さよならイベントでは、大勢の人が名残を惜しんだ。
ライター:吉澤 由美子
選手たちの思い出が詰まった花月園競輪場
(つづき)
最初のレースは現役選手が走る。
現役選手のレース、スタート直前。後ろでOBが自転車を支える
最初は誘導の自転車が先導して走る
バンクの斜面を使っての攻防
緑の大塚選手が勝った!
そして次はOB選手によるレースだ。
ゴール前のコーナーを抜けたあたりの攻防。力尽きた1台の姿も
白の勝利!
OBレースで優勝した東晃(ひがし・あきら)さん
東さんは、「選手やOBはみんな家族みたいなもの。和気あいあいでスタートしましたが、最後はやっぱりみんなガチになりましたね(笑)。花月園で優勝した 経験はなかったので、メモリアルレースで初優勝できて、いい思い出になりました」と笑顔で答えてくれた。横浜について伺うと、「ハマっ子ファンは温かい人 が多いんです。よく優しい言葉をかけてくれたのが印象に残っています」と教えてくれた。
花月園を含め、鶴見はとても思い出深い土地とのことだったので、お気に入りのお店を伺うと「中華料理屋の桃林 (トウリン) ですね! 牛バラご飯やネギソバ、チャーハン、なんでも美味しいですよ!」とのこと。実に美味しそうな口調に思わず行ってみたくなる。
そしてレースの後は、バンクを解放。実際にレースで使うバンクを歩くことができるのはそうめったに体験できることではない。
30度以上の急斜面。スキーの上級者コースと同じくらいの傾斜だそう
補修の跡もあるが、全体的にかなりキレイに保たれている
このメインスタンドも見納め
ここで、バンクを楽しそうに歩いていたファミリーに声をかけてみた。
川畑さんファミリー
川畑さん一家は、花月園の近所に住んでいる。「最後なので記念に娘や孫たちとバンクを歩いてみました。公園になるということなので、それも楽しみですね」と川畑さん。
昔の花月園について伺ってみると、「花月園が遊園地だったのは、父の世代だからさすがに分かりませんね。僕の小さいころはすでに競輪場でした。でも、近くの児童館にクジャクが飼われていたのは、もしかしたら昔遊園地だった時の名残だったのかもしれません」と川畑さん。
レースを見て、バンクを実際に歩いて花月園競輪場を後にする。最後に、今後の予定について、横浜市の方にお話を伺うため、ブースの方に戻ることに。
今後の予定
この花月園競輪場が取り壊された後はどうなるんだろう。
そこで、会場にいらした、横浜市環境創造局公園緑地部公園緑地整備課の諏訪さんと、UR都市機構の木原さんにお話を伺った。
UR都市機構の木原さん(左)と、横浜市の諏訪さん
まず、花月園の土地のほとんどはもともと神奈川県が持っていたもの。2010(平成22)年に県主催の跡地利用検討会により、隣接するJFEスチールの社 宅跡地も含めた一体的な整備が望ましく、独立行政法人都市再生機構(以下、UR)が事業主体となる、地区公園と隣接する住宅地などとの一体的な整備を推進 する防災公園街区整備事業により整備する、というとりまとめが示された。
周辺の地図と予定地(画像提供:横浜市都市整備局)※クリックして拡大
高低差がある土地なので、造成で高さを調整(画像提供:横浜市)※クリックして拡大
URは今後、横浜市の条例に基づき住宅地部分の開発手続きを行った上で、地区全体の整備を実施する。なお、整備された公園は、横浜市が管理することになる。
公園、道路、歩行者用通路、広場、樹林や草地、宅地などが計画されている(画像提供:横浜市)※クリックして拡大
流れとしては、神奈川県がURに土地を売却し、URが整備を行って、公園部分を横浜市に売却する。一体的に整備する土地には大和ハウスなど民間企業が持っている土地も含まれるが、それも含めてURが整備を行う。
宅地部分の上物(建物)については、整備後に建設の入札が行われる予定だそう。現在の想定では、700戸程度の住宅ができる見込みらしい。
では、整備される公園はいったいどんな風になるのだろう?
計画地や周辺の標高を踏まえ、中央部に大きな広場を確保し、遊具広場と多目的広場(球技などもできる場所)も作る。大すべり台やエクササイズエリアの予定もあるとか。
緑地に囲まれて、中央に大きな草地広場(大原っぱ)(画像提供:横浜市)※クリックして拡大
現時点のイメージ図(画像提供:横浜市)
将来のイメージ(画像提供:横浜市)※クリックして拡大
防災機能を持った公園というのは、広域避難場所として、大地震などにより発生した火災の熱や煙から市民の生命・身体を守るために一時的に避難する場所を確 保するためのもの。防災施設として、災害時などに使える非常用トイレ、テントパーゴラ(日よけ)、かまどベンチなどが設置されるらしい。
競輪場跡地の整備は、2016年春ごろまでにスタート予定。既存の解体工事に1年半。造成・基盤整備に4年。地区公園整備に約2年。それぞれ途中から並行して行うことで5年半の整備期間になっている。公園ができるのは2020年度予定。
また、花月園は遊園地時代からのサクラが多く残っている名所でもある。そこで、サクラの木は状態を見て健康なものを移植し、若いサクラを追加してサクラの 名所としての姿も失わないように配慮する予定だとか。また、横浜市提供の画像は計画段階のものであり、市民の意見も伺いながら計画を具体化していく予定と のこと。
花月園は、見事な枝ぶりの巨木が並ぶサクラの名所でもある
取材を終えて
大規模な防災公園と広大な宅地に再開発される花月園跡地。取り壊される直前のバンク一般公開とメモリアルレースに大勢の人が集まって名残を惜しんだ。
競輪の現役選手やOBによるトークショーやメモリアルレースでは、花月園競輪場に対する思いの深さが伝わってきた。
使われなくなってしまった場所が新たに生まれ変わって周辺の住民にとって便利な場所になるのはとてもいいこと。でも、そこにはやっぱり一抹の寂しさがあった。
― 終わり ―
鶴見区「さよなら花月園競輪場イベント」告知
http://www.city.yokohama.lg.jp/tsurumi/topics/20151019/sayonarakagetsuen.html
検討会や経緯等の詳細
都市整備局
花月園競輪場跡地等の利活用検討
http://www.city.yokohama.lg.jp/toshi/kikaku/kagetsuen/
整備スケジュール等
環境創造局
(仮称)鶴見花月園公園
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/park/make/seibi/kagetsuen/
事業内容詳細
UR都市機構
鶴見一丁目地区
http://www.ur-net.go.jp/tsurumi/
うりぽんさん
2018年04月22日 13時25分
手遅れだが、横浜Fマリノスの本拠地となるサッカースタジアムを建設する案は出なかったのか?ガンバのスタジアムのように、日産が建設費を負担すればよかったのに防災公園になるのでもはや不可能だが
yamaさん
2015年11月28日 21時14分
うーむ、役所(県)から役所(市&UR)か。民間ディベロッパー各社には話がなかったのだろうか?。ちょっと入札とかググってみたけれど、解体・施工の案件ばかりだし。また用途地域変更して、ビジネスパーク化(市の本社獲得事業)とか高層マンション(更なる住民税増)は難しいのだろうが、なんか役所ばかりでナシが決まっているように見えてしまう。
ホトリコさん
2015年11月26日 12時16分
どうしてその場所だったのかは不明ですが、横浜市内の少年野球部員の合同練習を、脇にあった広場で行っていて、自主参加だからヘタクソだったのに参加できたので、ある意味良い思い出なのですが、競輪場の当時の印象は汚くてタバコ臭い、紙切れを辺りに撒き散らす場所と、良い印象はありませんでした。