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2016年1月9日に行われたJR南武線205系の「ありがとう運転」の様子を実録レポート!

ココがキニナル!

1月9日に運行を終えたJR南武線205系統最後の運行の様子がキニナル!(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

南武線205系は2014年から新型車両への置き換えが始まり、引退した車両の一部はインドネシア共和国を譲渡してきたが2016年1月9日完全引退となった

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ライター:紀あさ

実録!! 「ありがとう列車」乗車レポート



乗車位置は先頭車両、進行方向左手側の扉際。

登戸行きとの車内アナウンスが入ると「立川までいってくれー!!」という声が車内から漏れた。少しでも長く乗っていたい気持ちも分かる。

最初の停車駅、鹿島田(かしまだ)駅。
 


 

撮る人、乗る人、そして撮ってから急いで乗る人!
 

鹿島田駅を出発する。ホームの子どもたちが「ばいばーい!」と叫ぶ声が聴こえる。

期待していた車内アナウンスは冷静だ。「南武線205系車両『ありがとう運転』でございます」と一言。

2駅目、武蔵小杉駅に到着。
 


ここでも特別に白服の駅長の合図で発車ベルが鳴った
 

先頭車の車内は相当の混雑。ざっと300人くらいは乗っているだろう。

車内アナウンスはまだ普段通り「この電車は南武線205系、臨時快速電車登戸行きです。続いて武蔵中原。お出口は右側に変わります」・・・

と思いきや・・・

「ご乗車いただいております205系電車は登戸駅到着をもちましてすべての運行を終了いたします。次の武蔵中原を出発しました後、前方左側をご覧ください。JR社員一同でこの電車のお見送りをいたします」

車内は大興奮「見えた」「見えない」の声が飛び交う。
 


中原電車区でのお見送り、ベランダと屋上にも
 

「感動的」「わぁ」「すごい」「ありがとう」と車内の声
 

205系自身も優しく警笛を鳴らし、車窓から振られる手に応えた。

この乗車レポートは、途中全駅で降りて撮影したいと思っていたのだが、武蔵中原駅と武蔵新城駅とは反対側のドアが開いた。とてもではないが反対まで動ける隙間はなくこの2駅のホームの様子撮影は断念。
 


そんな間にも1駅ごとに乗客が増えていく
 

駅を出ることを知らせるホームの「登戸行きドア閉まります」のアナウンス。何人乗ったのだろうか。

扉側からの乗客の声「閉まらない・・・」「閉まった!!」「すごい」。扉と遠い側からは「何が起きているんだ?」まるで見えない。
 


 

次の武蔵溝ノ口駅も、家族連れなど多くの人が集っていた
 

 

また乗客を少し増やして、武蔵溝ノ口駅でも駅長さんによる出発合図
 

普段見かけない白服姿に各駅で出会えることに感動。

武蔵溝ノ口駅では乗客が乗った後、扉がなんとか閉じると拍手が起こった。通勤電車をはるかに凌ぐ混雑具合に車内は「イテっ」「ママー!!」「やばい・・・」と大変な様相になっているが、そうは言いながらも、途中で降りようとする人もいない。
 


車窓から、ビルに映る205系車両の姿を眺める
 

そして次が終点の登戸駅。

「南武線205系『ありがとう運転』登戸行き。次は登戸、終点、お出口は右側です」

ああ、到着してしまう。

「お忘れもののございませんよう、どうぞご準備いただきお待ちください」

車内の誰かが「押し合わないようにゆっくり降りましょう」と全員に向けて声を掛ける。
プァー、プァーと警笛が2回鳴る。
 


先頭車両前方でずっと撮影していた人もいよいよ最後だ
 

着く直前にもう一度、車掌さんからアナウンスが入る。

「205系列車は平成元年より南武線でご利用されはじめ、晴れの日も雨の日も雪の日も皆様とともに走り続けてまいりました。登戸駅到着をもちまして、すべての運行を終了いたします。これからは皆様の思い出のレールを走り続けさせていただけたら幸いです」
 


雪の日も走ってきた南武線 2014年2月8日稲城長沼駅にて
(撮影:今井英明さん)
 

「本日は南武線205系『ありがとう運転』ご乗車いただき、ありがとうございました。南武線社員一同、熱く御礼を申し上げます。またこれからも愛される南武線を目指してまいります。ご利用いただきありがとうございました」

速度が落ちる。レールの音が、ゆっくりになる。かたん、ことん、かたん・・・。
 


「着いちゃった・・・」
 

車内は大きな拍手と、幾度も幾度も続く「ありがとう」の声で満たされた。
 


最終運転を終えた運転手さんの横顔