ごった煮感が楽しい町並み。はま旅Vol.27「日ノ出町編」
ココがキニナル!
横浜市内全駅全下車の「はま旅」第27回は、歴史ある町並みも残しつつ変化し続ける街、日ノ出町駅。初めての体験も…。
ライター:吉田 けんたろう
童心に帰れるスポットへ
そろそろ休憩をと考えていたところ、駅前にひと際レトロな喫茶店を発見した。そこで、CDのジャケ買いならぬ、喫茶店のジャケ入店を敢行。コーヒー350円という看板にも誘われ、店内へ。
中にはご婦人のスタッフの方がひとり。ほかの客は誰も居なかった。
とりあえずコーヒーを注文。
喫茶店の名は「喫茶室ルドーメン」
店内は歴史を感じさせるクラシックなインテリア
1Fが喫茶スペース、2Fは夜になるとカラオケスペースとして営業しているようだ。
そして、記者の心を鷲掴みにしたのがこれ。今では希少な懐かしいテーブルだ。
1回100円でプレイできる
子どもの頃はゲーセンといえばこのタイプのゲームが主流だった。店内には5台ほどマージャンのゲーム機がレイアウトしてある。懐かしさのあまり2ゲームほどプレイしてみたが、残念ながらリーチすら実らなかった…。
スタッフの方によると、創業から30年以上経っているとか。カフェが主流となる昨今、昔ながらのスタイルで今後も頑張ってもらいたい。
ルドーメンを後に駅前から平戸桜木道沿いを黄金町方面へ歩き、次に訪れたのは佐野屋本店。玩具問屋として100年以上続く、日ノ出町きっての老舗だ。
軒先にはダンボールがいっぱい
1Fはオメンやシャボン玉などのおもちゃ類、2Fには昔ながらの駄菓子が置いてある。問屋なのでバラ売りはしていないものの、セットで安く購入できるのが魅力だ。記者は非常食として、種類の異なる数個の駄菓子をパックしたセットを購入。
アイドルやキャラクターグッズは今も健在
買い物上手のママさん客が多いという。子どもも喜ぶはず
住宅街を抜けて坂の上を目指す前に寄り道
日ノ出町駅は野毛山の最寄駅。そこに山があるからには目指さない手はない。
非常食も入手したし、次なる目的地は野毛山に決定!
野毛山を目指すには、その東側に広がる東ヶ丘という地区を越えなくてはならない。「丘」という文字からもわかる通り、そのエリアを越えるにはもちろん坂を登る。
そして、この地区には西区随一の有名な坂がある。現在は階段になってしまい、市内の急坂っぷりを競う「横浜K-1グランプリ(※記者が勝手に命名)」に残念ながらエントリーできなかった坂だ。その名も「急坂」。
そんなわけで、「急坂」へ向かって歩いていると、キニナル看板を発見。
そういえば、何も食べていない。山の前に坂の上を目指すことに。
「坂の上のそば屋司」と書いてある
階段の「急坂」は昔の名残り!?
階段の途中を左折。閑静な住宅街を進むと暖簾が見えた。
正確には坂の途中だったが、なんとも風情あるそば屋が現れた。
司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」からネーミング
快く対応してくれた店主の舞さん夫妻
店は元々日ノ出町駅の近くで営業していたが、自宅を改装して約1年半前に再スタートを切った。ご主人は蕎麦打ち歴50年の腕を持つ達人。その日の朝と午後の2回、ほぼ毎日そばを打っているという。
いただいたのは、季節限定の「かき南蛮」1200円。カキの滋味とサバ節からとったというダシの風味が見事に調和してとてもおいしかった。
「かき南蛮」はセイロでも注文可能
日本酒や焼酎とアテにして欲しいという「そばがゆ」(¥800)