横浜生まれのアナウンサー 渡辺真理さんを徹底解剖!
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横浜生まれのアナウンサー 渡辺真理さんを徹底解剖!
ライター:松崎 辰彦
ニュースは永遠の試行錯誤 ──「伝える」と「伝わる」の間で──
──TBS入社後は研修を経て、最も早く就いた番組が『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』、ひと月遅れて『クイズダービー』、まもなく『モーニングEye』のアシスタントに抜擢され、朝の顔として広く認知されましたね。その後も数々の番組で活躍され、1998(平成10)年に独立、フリーとなった。このように現在まで多くのキャリアを積まれていますが、そうした経験からニュースの“送り手”と“受け手”の関係について、お考えをお聞かせください。
番組を制作する側がいるという意味では当然「送り手」があって、見る側の「受け手」がいてくださるわけですが、同時に私自身も含めて、「送り手」は「受け手」でもありますよね。どんな生産者も消費者であるのと同じで。
きょうよりもよい番組を目指していくには、制作者としての経験と知恵を重ねることは大切ですが、それと同等かそれ以上に、見る側としてのニュースに対する疑問や違和感、新鮮な驚きに敏感であることも重要と感じています。そして常々自分自身もそうありたいと願っています。
ほほえみながら質問に答えてくれる
最も気をつけたいのは、「テレビをご覧いただく方の心を傷つけるようなものは作らないようにと肝に銘じること」かと思います。もちろん制作側に傷つける意図はなくても、見識不足だったり、想像力に欠けていたりすることで生じるほころびが、テレビという画面を通すと巨大な映写機で照らしたように見る側の心を大きく傷つけてしまう作用を生むことも、ときにはあります。
そして「心を傷つけないもの」には箇条書きの正解はなく、永遠に探り続けるものだからこそ「送り手」にとっても「受け手」にとっても、ともにこれからも進化していくことが可能なメディアなのじゃないかとも感じます。
SNSの広がりの中でも「やっぱりテレビがあるとちょっと楽しい」とか、「テレビだからこそ信頼できる面がある」と思っていただけるよう、微力ですが、努力を重ねたいと思っています。
──「はまれぽ.com」も多くの情報を配信しますが、日々さまざまな反応がある中で、対象をどのように伝えるべきか試行錯誤しています。毎日のニュースを、渡辺さんはどのような姿勢を以て報じておられますか?
ニュースは政治・経済や国際情勢のほか、事件や事故など、幸か不幸かで言えば、不幸をお伝えする機会が絶対的に多いのが事実です。当事者の方がご覧になっていることも想像しながら、「いつ・どこで・何が起きたのか、そして分かる範囲で、それはなぜなのか」という情報をできる限り正確に早くお伝えすることが役目だと認識しています。
ただ“伝える”と“伝わる”は、ひと文字しか違わないけれど、あらがえないほど大きな隔たりがあるのも事実で。しかも“伝わった”という確証は得られないわけですよね。だからこそ“伝える”努力だけは絶えず怠らずにいたいと思っています。
1つ1つの質問に真摯に向き合い丁寧に言葉を紡ぐ
──最近も政治家が失言で大臣を辞任するなど、メディアにおいてはちょっとした言葉の遣い方が、決定的な意味を持つことがあります。プロのアナウンサーとして、どのようなことに注意されていますでしょうか?
テレビに出られる方で言葉に気を付けない方はいらっしゃらないと思うんです。問題はテレビに映らない、カメラが回っていないところなのかなと感じます。こうして日常、話している時、たとえば友達と2人だけで話している時でも、その場に応じて相手の気持ちを気遣いますよね。
テレビだから特別と居住まいを正すより、日常の会話や配慮を細やかに、経験を重ねる毎に相手を思いやることのできる人になりたいと自省もこめて願っています。テレビも公の場も、その延長線上なのじゃないでしょうか。
何事も受け入れるのが横浜の魅力
──横浜に関してお伺いします。お気に入りのお店を教えて下さい。
たくさんありますが、まずはここ「えの木てい」です。先代のご主人と私の父が幼なじみで親友だったというご縁で、今でも家族ぐるみのお付き合いです。
渡辺さんと縁が深い「えの木てい」
もともとはお店ではなくて居住空間だったんです。先代の奥様の千鶴子おばさまがとてもお料理上手で、よく招いていただいては両親とともにグリーンピースのスープや煮込みのお肉料理など絶品コースをいただいていました。
あるとき、冬の雪の日に女子高生2人がこの洋館の佇まいを外から眺めていたのを「寒いから中にお入りなさい」と、おばさまが招き入れて、暖炉のある1階でケーキを振る舞ったことがきっかけだったと伺いました。
神戸と違って、横浜はそのころ、外国人居留地の洋館を観光コースとして開放してなかったんですね。だから「こんなふうに自宅を観に来られる方が多いなら、1階をお店として開放しようかしら?」と考えられたことから始まったので、お嬢さんの2代目マダムが継いでからも、とても家族的なお店なんです。
そして、今もチーズケーキやショートケーキは千鶴子おばさまのレシピのままです。
「えの木てい」はケーキだけでなく焼き菓子なども絶品
そのほかクリスマスには、元町の「喜久家」さんのお菓子を親しい方々に、その年の感謝をこめてお贈りします。それから、元町散歩の時には「クレープDON(ドン)」さんにも、ぜひ寄っていただきたいです。40年の職人技が光るクレープですから!
ラムボールで有名な「喜久家」
元町の人気クレープ屋さん「クレープDON」
ホテルニューグランドの「ザ・カフェ」もよくうかがいますし・・・「ありあけのハーバー」の社長さんも横浜に対するお気持ちからお菓子を復活なさっているのが地元の者としても嬉しいですし・・・本当に挙げきれないです。
──横浜のお知り合いなどおられましたら、お教え願えますか?
斉藤由貴ちゃんとは近所のスーパーでばったり会って立ち話したりします(笑)。ゆずの北川悠仁さんと高島彩ちゃんご夫妻とか。憧れていた横山剣さんは昨年雑誌でインタビューさせていただけて嬉しかったですし、林文子市長もよく仕事でご一緒させていただけるのが楽しみです。
中田宏元市長とは今、レギュラー番組でご一緒しているので2週間に一度くらいの割合でお目にかかります。横浜出身のモデルのはなちゃんとも元町のクレープ「DON」が相変わらずおいしい! と盛り上がったりしてます。