【横浜の名建築】神奈川県立図書館・音楽堂
ココがキニナル!
横浜にある数多くの名建築を詳しくレポートするこのシリーズ。第21回は、『神奈川県立図書館・音楽堂』モダニズム建築の第一人者が設計し、一流の腕を持つ職人たちが丁寧な仕事で仕上げた近代建築の傑作だった。
ライター:吉澤 由美子
計算されつくした光が届く図書館室内
(続き)
雨風の直接あたる表はさすがに劣化しているが、室内のコンクリートは今もなめらかだ。
図書館北側、閲覧室に面したルーバー(日よけ)。ここも改修予定
ルーバーの微妙な角度が閲覧室にほどよい光を生み出す
北側閲覧室内部は吹き抜け。創建当時は中2階への階段があった。
北側にある吹き抜けの閲覧室。現在は奥半分に書架が並ぶ
ルーバー越しに見える木立が読書に疲れた目に優しい
「階段を取ったのもオヤジが知ったら怒ったんじゃないかな。
ここは階段あってこそだから」伊藤さんは、懐かしそうにそう語った。
黒いタイルを使った巾木(はばき)
図書館入口にある階段。手すりの柱に創建当時の色を残す
書庫に残る創建当時のPタイル。定期イベント『図書館大公開』で見学できる
音楽堂の「木のホール」とホワイエ
深い庇に梁と柱は、どこか寺社仏閣のよう
音楽堂を案内してくださったのは、音楽堂館長の伊藤由貴子さん。
伊藤由貴子さんは、映像などに残された創建時の話を紹介してくださった
クラシック界の著名な演奏者から「東洋一」と評価を受けたこのホールは木でできている。
建築基準法により、現在ではもう作ることのできない貴重なもの
アコースティックな響きで今も愛されている