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【横浜の名建築】大倉山記念館・大倉精神文化研究所 (第2部)

ココがキニナル!

横浜にある数多くの名建築を詳しくレポートするこのシリーズ。第22回は、『大倉山記念館・大倉精神文化研究所』第1部に引き続き、この第2部では、塔、西館と東館、そして秘密の部屋がある1階部分を紹介します。

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ライター:吉澤 由美子

当時の最新設備が残る図書館



驚いたのは、書物用エレベーター。
1階に搬入された書物をフロアごとにわけて移動させていたものだとのこと。
 


上部にある時計のような回数表示は古いデパートでも見たことがある
 

操作ボタンは漢数字。Bはbasementで地階。以前の図面では、1階を地階と表示していた


壁にある通風孔のグリルは、書物に最適な湿度を保つため乾燥した温風を吹きだして乾燥させる温風送風口。
 


湿度の多い梅雨の時期などに温風を吹きだして乾燥を保っていた


書庫内にある階段下は、小さな物置になっている。
 


味わいのある階段下の物置


この物置の奥をつい最近整理していたら、思わぬものがでてきたらしい。
それが2つの梵鐘
(ぼんしょう)
 


以前は塔に下げられ、朝夕鳴らされていたという


創建当初は西洋の教会にあるようなベルが下げられていたが、それが梵鐘に変わり、その後第二次世界大戦の金属供出に梵鐘を出したという記録があるので、この梵鐘がその後、どういった経緯でここにやってきたのかただいま調査中だそう。



現在はレンタルスペースとして人気の西館



エントランスから西館へ入るには、まずロビーを通る。ここでは、創建当時の貴重な映像などを流しているモニターがあり、以前は殿堂(現在のホール)に置かれていたベンチが並んでいる。

ベンチも裾の細い柱や円盤列が意匠として入っており、なにもかも統一された設計理念で作られていたことに驚嘆させられる。
 


こちらも3連の出入り口。もともと研究の場だったため、内装はシンプル


3階には講義室だった第4集会室がある。大きな窓の上に小さな三角形の窓があって、明るい光にあふれている。
 


創建当時の黒板が今も残っている
 

装飾は少ないが優美な階段


トイレや階段を挟んだ先にあるのは、ここで一番人気の高い第5集会室。昔、貴賓室として使われていた場所だ。

マントルピースや三角形の窓、カーテンボックスとつながるフリーズにはロゼットが装飾されている。
 


マントルピースには暖炉としての機能はない