横浜市の県道上に現れた「波止場のピット」? 謎の建造物の正体は
ココがキニナル!
六ツ川の県道沿いに有る、波止場のピットみたいなの、これは何でしょうか。(hidejiroさん)
はまれぽ調査結果!
地下にある「井土ケ谷合流幹線」の水圧を調整するための「エアー抜き」だった! やむを得ず歩道上に設置し、周囲になじむようカモフラージュしている
ライター:はまれぽ編集部
周辺に地下施設はなし
パイプのつながる先を地図で確認してみたが、平戸桜木道路の地下には鉄道やトンネルなどは走っていない。隣接するのは駐車場なので、地下室などがある様子も見られない。
地下があったとしても、入口がないのだ
ここは県道だが、管轄は政令指定都市である横浜市道路局。この構造物が何なのか、施設課にうかがってみると「いろいろと聞いて回ってみたのですが、おそらく『井土ケ谷合流幹線』の通風用パイプではないでしょうか?」との回答をいただいた。
「合流幹線」とは下水道の一種で、通常は下水のみだが雨が降ると雨水が合流し、下水処理場まで流れていく仕組み。ちょうどパイプの下あたりに、その合流地点があるようなのだ。
さらに詳しいお話を、環境創造局下水道管路部管路保全課にうかがうことができた。
どうしてここにパイプが?
担当者いわく「確かに、その設備は井土ケ谷合流幹線の『エアー抜き』という設備です。市内の合流幹線は法令でエアー抜きの設置が義務付けられています」とのこと。
横浜市の開発許可基準に書かれていた
横浜市の都市計画法に基づく排水施設に関する基準では、地下式の雨水貯留施設の場合は、「エアー抜き設備を設置すること」と定められている。
その理由について、管路保全課は「これは、いっときに大量の雨水が流れ込んだ時に、幹線に圧力がかかってしまい、マンホールが浮き上がるなどの影響が出る可能性があるためです。必要最低限の数のエアー抜きを、市内数十ヶ所に設置しています」と説明する。
大雨で管路の水圧が上がると、マンホールが浮いてしまうことも(過去記事より)
通常は、公園内の人が立ち入らない場所など、できる限り目立たず邪魔にならないように設置するそうだが、道路管理者やほかの地下埋設物との兼ね合いで、歩道上などに設置せざるを得ない場合もある。それが、歩道上に設置された今回のようなケースだ。
エアー抜きは、基本的には金属の鋼管でできている。公園内の人が立ち入らない場所などではそのまま金属製のエアー抜きを設置する場合もあるが、ここではセラミック製の塗膜で被覆することで、目立たないようにしているようだ。
確かに、街路樹のように見えなくもない・・・?
「幹線の規模が大きい場合など、地元の方にも説明した上でエアー抜きのデザインを工夫することもあります。今回の県道上のエアー抜きも、周囲に調和するような色合いにしてあるようです」。
同様の工夫がされたエアー抜きが、市内にはいくつかあるそうだ。
こちらは、鶴見区栄町公園のエアー抜き
規模は違うが、県道のものと役割は同じ
できる限り目立たないように設置される設備だが、その役割は重要。
このエアー抜きがなければ、大雨の際などに合流幹線が十分な役割を果たせなくなってしまう。最近ではマンホールも水圧で浮き上がらないものに交換しているそうだが、高い圧力は管路そのものを壊してしまうこともある。
エアー抜きは下水道幹線のインフラ維持に欠かせないものなのだ。
取材を終えて
県道の謎の建造物の正体は、通常は目立たない場所に設置される「エアー抜き」が、下水道設備を維持するためにやむを得ず平戸桜木道路上に出現したものだった。
意識をしなければなかなか見つからない重要設備だが、もしかしたらあなたの暮らす地域にもあるかも・・・? ぜひ探してみてほしい。
ー終わりー
ホトリコさん
2019年03月11日 12時28分
いや、馴染まないでしょ!むしろ開き直って目立たせた方が、ブキミナオブジェとして気味悪くならなかったはず。
よっしぃ~さん
2019年03月09日 23時54分
波止場のピットでは無くビットでは?
ケン坊2さん
2019年03月09日 22時42分
学生の頃から気になってたんですがやっと解決しました!前にあるお店の人が勝手に作ったのだと思ってました。スッキリしました!