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京急大師線・産業道路駅地下化と変更駅名大師橋駅の由来

京急大師線・産業道路駅地下化と変更駅名大師橋駅の由来

ココがキニナル!

華々しく2019年3月地下化した産業道路駅はその後、住民の移動を支える場所として馴染んでいるだろうか。2020年3月に駅名が「大師橋駅」に変更される前にこれまでの様子を追う(ライター若林のキニナル)

はまれぽ調査結果!

昼間は沿線住民と思われる利用者の利用が多く、夕方は近隣の工場などで勤務していた人々の利用が多い。地下化された産業道路駅は、すっかり地域の生活に馴染んでいた

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ライター:若林健矢

電車の地下への出入り見学は隣の駅へ
 
京急川崎駅方面に歩いているうちに東門前駅まで来た。線路はまっすぐだが、この駅を出るとすぐに地下に潜っていく。
 


その名の通り、川崎大師山門の東にあるので「東門前」なのだ

 


東門前駅発車後すぐに地下に入っていく。坂を下っている様子が伝わるだろうか

 
そして今度は小島新田方面に歩いてみよう。こちら側は閑静な住宅街といった雰囲気で、産業道路駅を出た電車がカーブしながら地上に上がって来る。上がりきった先に踏切が1ヶ所だけ残っており、踏切を越えれば小島新田駅だ。
 


小島新田駅の手前で地上に上がって来る

 


ホーム直前の産業道路第4踏切は地下化後も残っている

 
ちなみに、地上時代の産業道路~小島新田間は単線だったが、地下化と同時に複線化され、小島新田駅のホームも2面2線になっていた。今は京急川崎方面から来た電車がそのまま折り返す運行形態のようだが、将来的なダイヤの変更などにも柔軟に対応できそう。
 


手前の1番線に加えて、奥の2番線も利用可能になった

 
このように、産業道路駅の地下化から約3ヶ月、すっかり地下ホームは日常生活の一部となっていた。今までの見慣れた風景が変わっていたのは少し寂しい気もするが、地域にとって良い変化になっているのならそれが一番だ。まだ工事中の部分もあるので、それがどう変わっていくかは引き続きしっかり見て行きたい。
 
 
 

産業道路駅から「大師橋駅」に改名決定!京急の対応は?


 
ところが、この駅は2020年に、またまた大きな話題を呼ぶことが予想される。2020年3月、京急電鉄では一部駅の駅名変更が予定されており、産業道路駅は「大師橋(だいしばし)駅」と名前を変えることになるのだ。
 


見慣れた「産業道路」の駅名は2020年3月まで!

 
だが、慣れ親しんだ名前が完全に消えるわけではない。京急電鉄によると、駅名変更が行われた後も、旧駅名(現在の駅名)は「副駅名標」として駅名標に残るとのことだ。産業道路駅の場合、来年以降の駅名標は[大師橋(旧駅名 産業道路)]と表示されることになる。
 
また、2019年度中に今まで電車が走っていた地上部分では線路の撤去などが行われ、一通りの撤去が済んだ段階で新駅舎の建設が予定されているとのことだ。
 
 
 

今さら聞けない産業道路駅の由来


 
ところで、今さらだが産業道路駅という駅名・・・そもそもなぜこの駅名なのだろう?
資料にあたってみると、1944(昭和19)年6月の駅開設当時、すでに開通していた大きな道路が通称「産業道路」と呼ばれており、それに隣接していることが理由だった。それまでの大師線は川崎大師(かわさきだいし)止まりの路線だったが、産業道路駅開設当時は戦争の真っ只中だったため、工業地帯に従業員を輸送する目的で延伸されたようだ。
 


今まで踏切と交差していたこれこそが「産業道路」のようだ

 


駅前の工事のバリケードには、1962(昭和37)年当時の産業道路駅の写真が残っていた

 


2015(平成27)年の地上ホーム。着々と工事は進められていた(画像提供:京急電鉄)

 
産業道路は大師橋を通じて東京都大田区まで伸びており、一般には東京大師横浜線の名がつけられている。
 
 
 
新駅「大師橋駅」の名の由来は?
 
そして駅名変更後の「大師橋駅」の名前は、その名の通りこの地域と大田区を結ぶ「大師橋」に由来する。大師橋は下り線が1997(平成9)年9月に、上り線が2006(平成18)年11月に架け替えられ、現在の姿になった。ちなみに大師橋を渡ると空港線の大鳥居(おおとりい)駅が近いぞ。
 


駅前から写真の方向に6~7分歩くと・・・

 


斜めに張られた骨組みが美しい!これが大師橋!

 
駅名変更については様々な意見があると思うが、京急電鉄は、将来的に駅名を変更して良かったと思ってもらえるように、地域と協力して引き続き街づくりに取り組んでいくとのこと。この後どのように沿線が変わっていくかはまだ不明だが、前向きな姿勢に期待が高まる。
 
 
 
取材を終えて
 
京急電鉄大師線・産業道路駅の地下ホーム開業初日は、ニュース性もあり、駅を見に来る人も多かったが、3ヶ月経った今は、すっかり地元の日常に馴染んでいた。大師線の末端にあたる部分のため、なかなか普段は訪れる機会が少ないが、2020年「大師橋駅」に駅名が変わる前に「産業道路駅」の新ホームを訪れてみてはいかがだろうか。
 
 
―おわりー 
 
 
取材協力・画像提供
京浜急行電鉄株式会社
 
参考資料
『京浜急行百年史』 編集・発行:京浜急行電鉄株式会社 1999年
『京浜急行 電車と駅の物語』 著:吉川文夫/佐藤良介 多摩川新聞社 2001年
『京急電鉄 街と駅の一世紀』 著:西潟正人 彩流社 2013年

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  • 駅前再開発の図面とかは有るのでしょうか?駅南側の広い行き止まり道路が新駅舎の南口へのアクセス道路になるのか?など想像するのも面白いです。数年後が楽しみですね。

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