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9月27日に開催する2019年の逗子花火大会。開催に向けての苦労とは?

9月27日に開催する2019年の逗子花火大会。開催に向けての苦労とは?

ココがキニナル!

逗子海岸の花火大会は毎年早い時期に行われていますが、今年はまだ開催に踏み切れていないそうです。なんとか費用を集めて来ているようですが、どんな状況なのか気になります。(ハムエッグさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

例年5月末に行われる逗子花火大会だが、今年は9月27日の開催が決定している。ただし、市の補助金だけでは足りないため、主催の逗子市観光協会では現在も資金集めを続けている。

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ライター:福田 優美

実行委員会の取り組みとは?



逗子市観光協会から開催に至るまでの経緯を伺えたので、次は実行委員会のことについて知りたい・・・ということで、田代さんに紹介してもらい、逗子市内ではんこ屋さんを営む丸山広宣(まるやま・ひろのぶ)さんをたずねた。

 

丸山さんが営む「はんこ屋さん21」
 

丸山さんは逗子市商店街連合会会長でもある。昨年、今年と2年つづけて実行委員会メンバーとして活躍されている。

 

明朗闊達という言葉がぴったりの丸山さん。日焼けした肌がよく似合う
 

「昨年は、前観光協会会長(現市長)に『花火大会の開催が危ない、一緒に商店街を盛り上げてくれ』とご連絡をいただいたところから、怒涛の日々が始まりました」

前観光協会会長から連絡があったときから、開催に向けての検討会、実行委員会で協議を重ねる日々が続いた。市民の協力を呼びかけるために記者会見を行うと様々なメディアが取り扱ってくれた。地元紙の一面や全国紙を飾ったことがきっかけで、多くの市民が花火大会の危機と、資金集めについて知ることになる。

 

タウンニュース逗子葉山版2018年3月28日号
 

開催資金を集めるために、前会長が先頭に立って協賛企業集めに奔走すると、丸山さんは市内の商店をひとつひとつ説得して回った。加えて、リストバンドの作成や、寄付箱の設置など、やることが山ほどあった。

「花火大会って、逗子が一年でいちばんにぎやかになる日なんです。外から大勢人が来て、商店街はごった返して、市内で商売をしている人たちにとってはいちばんの稼ぎ時。それがなくなることは商店街連合会の会長として、絶対避けなきゃいけないと思いました」

 

「逗子の魅力を市外の人にも知ってほしい」と逗子愛が溢れる丸山さん
 

丸山さんは開催まで昼夜走り回った。そして迎えた花火大会当日。これまでビルの屋上から見ていた花火を、初めて現地で鑑賞した。

 

逗子湾に咲く大輪の花火、奥に見えるのは江ノ島(提供写真:逗子観光協会)
 

「想いが込み上げて涙が止まりませんでした」

打ち上げられた花火を感慨深く見た丸山さんは、絶対に来年もやる、とその場で誓ったそうだ。

 

水面に映る海上花火は会場でこそ見られる(提供写真:逗子観光協会)
 



2018年と2019年、市民の反応の違いは?



資金難による花火大会開催の危機は昨年から続いているが、昨年と今年とでは、市民の反応に違いはあるのだろうか?

「全然違いますよ。昨年はお店さんを一軒一軒回って頭を下げて、寄付箱もリストバンドもなんとか置いてもらう、という感じだったけど、今年はうちにも置かせてくれって問い合わせをもらうことが多いです」

昨年の実行委員会の活動が浸透しているようだ。しかし、協賛を求め市内を回っていると、否定的な声も耳に入る。「財政難ならやらないほうがいい」という考えはやはり根深いようだ。とはいえ、全体的に市民の反応は昨年より前向きだという。

 

リストバンドはデザインも製造も丸山さん(提供写真:シュシェット)
 

「自分の家から見えるのに、わざわざリストバンドを買いに来る人もいますよ。単純に花火が見たいというわけじゃなく、花火大会をサポートしたいという気持ちが強いんでしょうね。昨年は『財政難って言ってもなんだかんだ大丈夫だろう』と思っていた方も、今年は『何かしなくちゃ』って感じているんじゃないでしょうか」

今年はリストバンドの販売も好調で、すでに追加生産をかけているそうだ。逗子花火大会はこれまで順延というかたちをとってきたが、今年は予算の関係上、荒天中止。つまり、初の一発勝負となる。行政、観光協会、実行委員会、ボランティア、と多くの人の苦労と奔走を知り、自分にも何かできることはないかと考え、まずはリストバンドを買ってみた。個々の力も集まれば大きな力になると信じたい。当日は何とか晴れてほしいものだ。



取材を終えて



花火大会開催に向けて各所が奔走しているが、否定的な声も一部あるようだ。一夜限りのイベントと、持続的な市民サービス。どちらに価値があるかという議論は、立場や環境によって答えが異なるのは当然だ。全国で花火大会の中止が相次ぐなか、開催に舵をきった逗子市。花火が散ったあとも、街には活性の火が灯りつづけてほしいものだ。


-終わり-
 
 
取材協力
逗子市観光協会
http://www.zushitabi.jp/2019hanabi.html
 
 

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