検索ボタン

検索

横浜のキニナル情報が見つかる! はまれぽ.com

逗子の保育園に古民家を改装して「自然の中で園児を育てる」ところがあるって本当?

逗子の保育園に古民家を改装して「自然の中で園児を育てる」ところがあるって本当?

ココがキニナル!

逗子にある「海の幼稚園」は、園庭がなく、ほぼ毎日園児を海で遊ばせるらしい。園の雰囲気や教育方針、海でどんなことをしているのか気になるので取材をお願いします。(うみすすさん)

はまれぽ調査結果!

逗子にある認可外保育施設「うみのこ」には庭もあるが、悪天候の日を除きほぼ毎日、海や山へ出かけて遊んでいる。その日どこで何をするかは子ども達自身が決める、自主性を尊重した教育方針

  • LINE
  • はてな

ライター:福田 優美

第二の園庭ともいえる逗子海岸に到着


 
ビーチに着くとまずは準備体操から。音楽をかけて思いっきり走り回る背景には、海と富士山と江ノ島。こんな風光明媚な景色を背に遊ぶ園児なんて、なかなかいないんじゃないだろうか。贅沢な光景に目がくらむ。

 

江ノ島と富士山が見える逗子海岸東側が定番のスポット
 

先生方の動きもキレキレ
 

れおっち先生が園児に声をかける。

「じゃあ、海入りたい子はシンちゃん(ライフセーバー)と一緒にね。ハードルしたい子はかなちゃん(保育士)のところに行って、焼き芋用の火を起こす人はここに残って」

この日は、海、ハードル、火起こしの3班に分かれることに。何をするかはもちろん子どもたちが選ぶ。海で遊ぶと張り切ってウェットスーツを着てきた女の子は、ビーチに着くと気分が変わったようで火起こし隊に入っていた。決められたように動く必要はない。というか、何も決められていない。自由に育つってこういうことか。

 

「やっぱり海やめる。焼きいもする」自由奔放、大変けっこう
 

「ぼくハードル」「わたし、やきいもする」「ぼくお砂する」
 

この日の一番人気は、ハードル。男子たちが、ライバル心むき出しでスタートラインに並ぶ姿が凛々しい。砂浜は転んでも怪我をしないので、全力で遊ぶのにうってつけだということに気づく。

 

かなちゃんこと坂本佳凪子(さかもと・かなこ)さん。保育士兼ライフセーバー
 

「位置について」の声に真剣勝負の顔。張り切りすぎて前に出ちゃってる子がいる
 

ハードルの先には網が待っている、障害物競争
 

その間、プロライフセーバーのシンちゃんこと原伸輔(はら・しんすけ)さんと海で魚探しをする子がいたが、すぐに飽きたのか砂遊びを始めてしまった。するとハードルをしていた子が突然服を脱ぎ出して海に向かう。しつこいようだが、ここには自由しかない。

 

「海は楽しい場所であると同時に危険な場所でもあると伝えることが大事」とシンちゃん
 

入園当初は海に入ることを怖がっていたという3歳児も今や立派な波乗り
 

ジーパンでもサーフィンってできるんだね
 

火起こし隊は枯れ木や枝を集め始める。「もっと大きい木がいいんじゃない?」「こっちに置いたほうがいいよ」など奮闘した結果、無事に火が起きた。「お芋焼けたよー」の声でハードルをしていた子たちも集まってくる。

 

火や水は危険なものであると同時に生きるうえで必要なものであることを体感させる
 

「これ焼けたかな?」とつんつん。芋が焼けるのが待ちきれない
 

ハードル組もにおいにつられてやってきた
 

最後まで海に入っていた子に「残しておいたよ」と配る優しい子
 

「おいしいね」「かたいよ」「もっと食べたい」とそれぞれ感想を述べながら食べているとどこからともなく「これ海につけるとおいしんじゃない!」という声が上がった。
「そうしよう!!」と一斉に海に向かって走り出し、海水に焼き芋を浸す子どもたち。お行儀よく座って食べなさい、なんて声は聞こえない。自由奔放な発想と行動は大人が必要以上に関与しないことで溢れることを間近に見た。

 

お芋を海水につける。気になったことはすぐにやってみる
 

「もっとおいしくなったよ!」とみんなに報告
 

たくさん食べたところでしっかり消火活動。ハードルを片付けて、点呼を終えて2人1組で手を繋ぎ、仲良く園に戻る。

 

火の元を埋めるために、しっかり穴掘り
 

「かなちゃんすごい! どんどん穴がおおきくなる」と尊敬の眼差し
 

最後は海水をかけて、完全に消火
 

「帰るよ」とれおっち先生が声をかけるも、なかなか集まらない
 

車道は2人1組で手をつないで
 

「ただいま〜」海のじどうかんに戻ったら手足を洗って待ちわびた給食タイム
 

うみのこの給食は、地域の料理上手な母たちのチームが担当。リーダーを務めるのは、同法人が後援する活動のひとつ「逗子こどもレストラン」の責任者、中村佐和子(なかむら・さわこ)さん。

 

いわゆる調理室のイメージとは違う、カフェのようなスペース
 

調理スタッフと保護者、お手伝いの子どもたち
 

給食は半ビュッフェスタイル。食べられる量を自分で伝える
 

庭のテーブル、ウッドデッキ、室内など、自分が好きな場所に座って食べ始める子ども達。小さい子も自分で選ぶことに慣れている。ついどこに座ればいいのか聞いてしまう自分は、誰かの指示を待ってしまっているのだと気がつき恥ずかしくなった。

 

庭に並んだテーブル。日光を浴びながらランチタイム
 

この日のメニューはハロウィーン風のビーフシチュー。「にんじんおいしい!」
 

日当たりの良いウッドデッキは、わんぱくそうな男の子たちの特等席
 

室内で食べたい子は室内で。どこで食べるかは子どもが決める