コレなんて読む?市内の難読地名をご紹介!第4弾
ココがキニナル!
横浜市は難読地名が非常に多い地域。大豆戸と北&東山田以外にも山ほどあります。ぜひシリーズであちこちの難読地名の由来を調べて!(スさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
人気シリーズ第4弾は、弘明寺町、鉄町、池辺町の3ヶ所を調査。地名の由来とともに、正しい読み方をお届け!
ライター:田中 大輔
知る人ぞ知る、難読界の強豪
今回のラストは、都筑区にある難読地名。
難度Sクラス。初見で読める人は逆に怖いというレベル
これは知らないと絶対に読めない類の地名。純粋な読みの難しさでは、弘明寺以上かもしれない。
普通は“いけべちょう”と読みたいところだが、正しくは“いこのべちょう”だ。
JR横浜線の鴨居駅を降り、鶴見川を渡った先に広がる町。
住宅も多いが、大きな道路も通っていて2007年にオープンした大型ショッピングセンター「ららぽーと横浜」があり、取材に訪れた日は天気の悪い平日にもかかわらず多くの買い物客でにぎわっていた。
大型スーパーや映画館なども入る複合施設
『新編武蔵風土記稿』にも書かれている、この不思議な読み方をする町名の謂われは実はシンプル。
『横浜の町名(第三版)』を見ると、かつて町内に「赤池」と呼ばれた大きな池があったとある。その池の近くに村があったことから“池辺”になったということなのだ。
鴨居駅近くの街並み。この道の先にららぽーとがある
キニナルのは、なぜ“いけべ”でなく“いこのべ”なのかというところ。
それについて明確な記述はないのだが、「古くは都筑郡池ノ辺村」とあるので、“いけのべ”が“いこのべ”に変化したのかもしれない。
このほか、昔は“伊子野辺”や“池野辺”とも書いたそうだ。
ところで、町内にあるこのバス停。
まさかの“Ikebe”。“Ikonobe”じゃないの?
“いけべ”だ。
納得がいかず、バスを待っていた年配の女性に話を聞いてみた。
40年以上町内に住むという女性によると「みんな“いけべ”って言ってるわよ」。
“いこのべ”じゃないんですか? と聞いてみると「正式にはそうらしいけど、話すときは“いけべ”って言ってるの」という意外な答え。
念のため都筑区役所に確認してみたが、「行政上の正しい読み方は“いこのべちょう”です。ただ、地元の方は“いけべちょう”と言う人が多いようです」とのこと。
交差点は“Ikonobe”。でも、なんか直した後が怪しい
不思議な話だが、地元に住む人たちが難読地名であることをやめてしまっているようだ。
古くから続く正しい、でも読みにくい名前を受け継いでいくか、読みやすく親しみやすい方の名前で呼ぶか。難しいところではあるが、できれば“いけべ”と言いつつも、“いこのべ”という地名も忘れないでほしいところだ。
取材を終えて
といったところで、難読地名シリーズ第4段はおしまい。
これで、都合14の難読地名を紹介したことになる。
みなさんの周りにまだ紹介されていない難しい読み方の地名があれば、ぜひコメントで教えてほしい。
今後も継続して難読地名を調べていく予定なので、第5段もお楽しみに。
―終わり―
もちのみさん
2020年06月26日 07時57分
『ぐみょうじ』横浜の人はかなりの確率で『ぐみようじ』って言っちゃいます。
ぺやりんさん
2017年10月31日 13時46分
私が住んでいた場所に、面白いエピソードがあります。横浜市神奈川区新町(しんまち)が場所です。京浜急行「神奈川新町」の駅を出た、第一京浜(国道15号線)の交差点向こうになります。海運関係の会社や倉庫、郵便局(本局)などが並ぶエリアですが、そのエリアを『出田町』普通に読むと「でたまち」(それもちょっときびしいですが・・・)なのですが、正式な地域的には「いずたちょう」と読み、標識にも「いずたちょう」と書かれていたにもかかわらず、あまりに「でたまち」の印象が強いせいか、結局「でたまち」になってしまった。という経歴を持ちます。ハマレポ参照
都筑のふくちゃんさん
2013年04月13日 14時50分
地名は文化・歴史を表すものが多く、「生きている化石」かも知れません。都筑区には、池辺(いこのべ)、山田(やまた)、勝田(かちだ)の他に、東方(ひがしがた)、大丸(おおまる)、平台(ひらだい)などが行政地名としてあります。区名の都筑(つづき)も読み難いかもしれません。幸い、公園や橋の名前に、今は行政地名として消えてしまった「字(あざ)名」が残っているのが嬉しいですね。葛ヶ谷(くずがやと)公園、神無(しんなし)公園、滝ヶ谷(たきぎやと)公園、華蔵台(けしょうだい)橋など、いろいろあり興味は尽きません。