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かつて「ちょんの間」だった黄金町は「アート」の力で再生できるのか?

ココがキニナル!

黄金町のガード下にあるアート系の店だかアトリエだかが、正直何なのかサッパリわからない。黄金町バザールもどう楽しめばいいの?(jamies900さん、すがひこさん、ぴのたんさん、神絆会さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

黄金町ガード下お店はNPO法人「黄金町エリアマネジメントセンター」が管理、誰でも入れ、商店街を散策する際に寄ってみるのがおすすめとのこと

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ライター:山崎 島

実際に「黄金町バザール」を観てみる
 


チケットを購入
 

アルバイトのお二人


高架下のスペースの展示を見る。
 


こうなっていたのか(吉本伊織《海へ》日本)


入口のど真ん中の白い箱のような作品の中。視線を上げると街が見える。
 


触り心地の良い革だった(ポール・モンドック《スメバミヤコ》フィリピン)
 

存在感大!!(ポール・モンドック《スメバミヤコ》フィリピン)
 

中国と日本の歴史に関わる作品(侯淑姿《ここは私たちの出会う場所」》台湾)


高架下では4人のアーティストが展示を行っていた。どの作品の風景と相性がよく、楽しめた。

ふらふら歩いていると街中に何やらイケメンの等身大イラストが。木村了子(りょうこ)《Be my model アーティストインレジデンスwith love》という、体験型ロールプレイングゲームであった。油絵、日本画、彫刻、写真のイケメンアーティストと黄金町を歩きながら愛を育むことができる。
 


日本画の技法で描かれた渾身のイラストと、このセリフ!!

 
ザキヤマ好みのムチムチがいなかった。残念。
  


李仁成《Flower Project》韓国
 

高架下スペースの近くにも展示されていた
 


色とりどりの美しい「傷」

 
柱や壁、トラックの荷台に偶然出来た「傷」の写真を展示してある。こんなに綺麗な「傷」が世の中にはたくさんあるのね!
 


ウダム・チャン・グエン《License 2 DRAW》ベトナム


ぶらぶら歩いている方におすすめされた作品。
 


みんなで描く偶然の絵


左に見えるタブレットで画面奥のリモートドローイングマシーンを動かす。スマートフォンに専用アプリをダウンロードすれば、24時間どこからでもこのマシーンを動かすことができる。世界中の人たちで描く偶然の絵。

目に付いた作品を見ながら歩いていると、何やら入りやすそうな建物が。
 


大きな窓が開放的
 

お茶をご馳走になった


入ってみるとカウンター居酒屋のような雰囲気。中にいた女性がにこやかに話しかけてくださった。
 


ん?


ビール飲んでもいいですかねーとか言いながら、メニューを見ると、ん? なんか違う。
 


なんと!!


こちらの建物、居酒屋さんではありませんでした。演劇センターFという、演劇やパフォーマンスの上演、ワークショップを行う場所であった。
 


カウンターの中にいるのは制作をしてらっしゃる横井さん


黄金町バザール期間中にリノベーションからはじめたスペース。街の縁側のような場所でありたい、という思いを込めてご自分たちで内装を手がけた。
 


地域の小学生が放課後になると集まってくる


こちらでは地域を巻き込んだ演劇を上演している。観客と役者が商店街を歩きながら、お店を巡る作品や、大岡川の両岸から糸電話で会話をしたり。すっごい面白そう。
 


8つの糸電話でおしゃべり 《糸電話Octet(8重奏)》写真提供:演劇センターF


中でもザキヤマが食いついたのは「とおりすがり菜園」。建物の壁面に植物が置いてあり、通りすがりの人たちが水をあげて育てる。
 


2階の植物には水鉄砲で水やり


これが小学生に大人気。ユニークなアイデアで地域と繋がっていく。



アートの街で一休み

ちょっと休憩したいなあ。京急高架下の軽食喫茶「試聴室その2」へ。
 


変わった名前
 

黒板の絵がゆるすぎて固まるザキヤマ
 

一番最初に目に飛び込んでくるのはこの舞台
 

本棚 ぎっしり詰まっている漫画はお客さんが持ち寄った物


天井が高く、自然光が入ってきて開放的な喫茶店。ゆるい雰囲気の店長さんも良い感じ。
 


ご自身もミュージシャンでいらっしゃる店長の三沢さん
 

イベントがぎっしり


喫茶試聴室は2008(平成20)年からの営業。もともと東京の代々木上原に一号店があり、そこのオーナーさんが黄金町バザールの関係者から声をかけられ「試聴室 その2」としてオープンした。ライブやイベントを活発に行い、音楽好きな人たちが集う場所になった。地元の主婦やおばあちゃんもくるそう。
 


お酒もしっかり飲める


バザール期間中は昼から営業しているが、普段は夜だけ。音楽、アートに馴染みがなくても大丈夫。自由に本を読んで過ごすことができる。

歩き疲れてお腹もすいたし、なにかいただくことに。オススメはキーマカレー(750円)。
 


何その鳥
 

パクチーが添えられている


スパイスのみで作られているこのカレー。実はいつでも食べられるわけではないそう。手がかかるので時間のある時だけ作っている。ピリっとしていて複雑な味。今まで食べたことないキーマカレー。本格的。パクチーとの相性も良く、個人的にはとても好き。クセになりますな。

ゆっくり食べながら通りを見たり、漫画を読んだりして過ごした。居心地がよくて気がつくと暗くて雨が降り出した。折りたたみ傘持ってきてよかった。次はバーの時に来ます、と三沢さんにご挨拶して黄金町駅へ向かった。
 
バザールの印象は、平日だったからか人が少なく、どこで何をしているのが分かりにくかった。街中での展示は地図だけで人を誘導するのは難しいと思う。街ならではの人への発信の仕方を研究していってほしい。作品は、色んな国の人が自分の興味の赴くままに表現していて、そこから現代の流れが受け取れて面白かった。興味のあるものしか見なくても良い、ととにかく気軽に歩いてみたら良いと思う。嫌いでムカつくものを発見するのも、結構面白くなったりする。
 


取材を終えて

アートが街に対して何ができるのか、という疑問を美術大学卒業後ずっと持っている。今回、黄金町の取り組みを見て、現実的に人を動かし、街を変えていくことの難しさを改めて感じた。

現在の黄金町は、アートが街に根付いているというよりも、異物があることに街が慣れている状態なのではないだろうか。取材を通じて、この取り組みのことを知らなかったり、興味を持ってなかったりした人が黄金町の中に多くいることを知った。街の住民でも知らないのだから、街の外から来る人には更に情報が届いてないのではないだろうか。主催者は、もっと情報を公開し、来場者が気軽に見て歩けるような仕掛けづくりをしていくべきでは、と感じた。
 


サーモメーター《するめちゃん~黄金町探訪編~》2008


また、各地で美術展覧会「ビエンナーレ」が開催されている現在、あえて黄金町にアートを見にくる理由がほしいと思った。アーティストたちは制作の場として黄金町を利用してはいたが、制作のテーマや表現方法の一部として黄金町を意識している作品には出会わなかったように思う(中にはそういった作品があるのかもしれないが)。

アートには、価値をひっくり返す力を持っていると信じたい。黄金町が持つ明るくない歴史を、アーティストたちが取り上げることで少しでも親しみやすい街にすることこそ、アートが街に対してできることではないだろうか。言うは易しだが、実際継続していくことは大変だ。少しずつでも黄金町がアートの力で人びとに開かれていってほしい。
 

―終わり―
 
 

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  • このエリアで唯一入りやすいのは高架下の古本屋さんぐらいww どの店も何やってんだかわからないし集客努力も低い。花見の時期に毎年行くけどアート系のとこはそこの馴染みが騒いでるだけで邪魔。道場の甘酒くらいしか良いものがないね。

  • 古くからの近隣住民デス。確かに不要な建築物は全て排除するも、線路下のコンクリート打ちっぱなし空間を最低限の工作で会場にしている催しでは、余り外出の目的として集客出来るとは思えません。加えて(アート方面に詳しくない為錯誤があれば失礼!)下積みレベルがメインの参加者に学校文化祭レベルの装飾では、関係者だけしか集客が見込めないとも思えてしまいます。また最近は行っておりませんが、会場空間が全て隣接している訳でもなく飛び地のような状況では全てを見て回る気にもなりにくそうデス。大資本の大手企業が主催ではなく、最小限の費用での半ばボランティア催しレベルでは仕方なくも一般に広く集客する為には、深く特化した内容では無く分野を広げるとか、知名度が高い作品・作家も織り交ぜるとか・・・費用面が最大の問題なのでしょうが、現状は余りにも関係者ダケが内輪で盛り上がっている催しにしか感じられずに残念です。

  • すぐに結果を出せることがいいことなのか、すぐに結果をだすことはただの一瞬のムーブメントにすぎなく、流行りが去れば終わりなのだと思う。何十年と街に悩まされた住人がいて、黄金町を良くしたいと思い努力している人々がここまで普通っぽい街まで持ち返してきた、そこに独自の文化を形成するためにアートというメディアを選び現在も努力を続けている。それを批判するのは簡単で残酷なことだ。ここでネガティブな意見を書いている人々は阿川大樹さんの小説「黄金町パフィー通り」を読んで欲しいと思う。アートがどうとか、なにがダメという以前に、行動をしてない人の意見など聞いても意味がない。

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