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事業費約 1120 億円の戸塚駅西口再開発事業は本当に成功したのか? 後編

ココがキニナル!

戸塚再開発について、地元でも評判がよろしくないように思われます。商店の方や利用している住民の方はどのように思っているんでしょう、生の声を取材してください(山下公園のカモメさん/yakisabazush

はまれぽ調査結果!

現在旭町通商店街では商店街を復活させようとする動きがあり、市も協力的だ。また市民の話を聞くと、再開発の成功・失敗の答えは単純に出るものではないことが分かった。

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ライター:小方 サダオ

市とトツカーナ管理者への質問



横浜市都市整備局・市街地整備部市街地整備調整課の担当者に、入居者から出たいくつかの疑問についてお話を伺った。

(1)トツカーナ内に扉がないことと三角のスペースについて
(2)フロアの業種が統一していないことについて
(3)退店する時の改装工事費について
(4)地権者や某地方銀行など大手が得をすることについて

(1)トツカーナ内に扉がないことと三角のスペースについて

「トツカーナの中には戸塚駅と戸塚西口バスセンターなどを直結する中央プロムナードを、地下1階から3階に設けています。この中央プロムナードは、安全かつスムーズな移動を実現する公共性の高い通路として、出入り口部に扉などは設けず、外部空間と一体的な吹き抜け空間として整備しました。これにより、外部空間と同じ環境になるため、ビル空調を行う必要がなく、省エネと二酸化炭素(CO2)の削減にも貢献しています」
 


屋上は吹き抜けになっている


「また、戸塚駅の橋上駅舎とバスセンターの各乗り場への降り口とを結ぶ3階では、清源院(せいげんいん)歩道橋方面への歩行者動線も確保しました。中央プロムナード沿いには従前の商店街の街並みや界隈性の再現を図るべく、間口型店舗を配置しました。このことから清源院歩道橋方面に向けて館内を斜めに貫く形となった通路沿いに、三角のスペースが生まれたのです」
 


清源院と商店街へのルートの確保のために斜めの通路になった
 

トツカーナの周囲の歩道橋にも清源院方面の表示がある


(2)フロアの業種が統一していないことについて

「トツカーナは再開発ビルのため、区分所有を基本としている中で、戸塚東急プラザとトツカーナモールの2つのエリアのうち、戸塚東急プラザについては商業デベロッパーが所有・運営しており、商業ゾーニング(配置)がなされています」

「一方、トツカーナモールについては、テナントの誘致は区分所有者の自由裁量によるところとなっています。しかしながらゾーニングを誘導した結果、地下1階の食物販が集積する『エクール』のように、戸塚東急プラザ内の食品スーパーと一体的なエリア、3階のATMエリア、1階や4階の一部のように、飲食店舗が集まったエリアや5階のクリニックエリアなどの商業空間を形成したエリアもあります」

(3)退店する時の改装工事費について

「一般的な商業施設では入居時の内装工事費に比例して、退去時の原状回復費用は高くなります」
 


東急プラザ戸塚とトツカーナモールで構成されるトツカーナ


(4)地権者や某地方銀行など大手が得をすることについて

「トツカーナは再開発ビルなので区画の大きさなどは権利者の従前の資産によるります。そのため全ての区画の形や大きさを統一させることはできませんでした。ただし、床の配置については、権利者の意見を踏まえて『床配置のルール』を定め、権利者に周知を図ったうえで実施しました。横浜市としては、公平性や透明性を確保して、床の配置を実施したものです」

続いてトツカーナ所長の鈴木さんに、入居者から出たいくつかの疑問について回答をいただいた。
 


トツカーナは「トツカーナモール」と「東急プラザ 戸塚」により構成されている


まずは現在の営業店舗について伺うと「東急プラザ56店、トツカーナモール 109店(銀行窓口区画と重複するATMの区画は除く)となっており、計165店で、空室及び休業中店舗の合計5店につき、入居率は約97%です」とのこと。

(1)に関しては「トツカーナ内には中央プロムナードという市の通路が通っており、扉を付けられないという制約を受けています。風雨が強い時には通行人の方々も困っていることは認識していますので、少しでも改善できないかと現在ビルの方々と知恵を絞っております。ただ、真下には地下鉄も通っており、構造上重量物の制限もあって困っています」

「三角のスペースはビルの基本設計で決まっていました。その区画をお店の方が選んだと聞いていますので今更という感じがしますが、工夫次第でおもしろい区画にもなるのではと思います」
 


中央プロムナードの下には地下鉄が通っているという


(3)に関しては「退店時の改装工事費は高額かもしれません。しかしこのビルは区画ごとに権利者の方々のご希望に基づいて業種などを決めたオーダーメイド的な特殊なビルなのです。ゾーンで業種を割り振っているビルと異なるため追加費用がかかること、またお店が変わる時には制御装置など大元から直す必要も出てきます。建設時には将来業種を変更する時に柔軟な対応ができるようにと市に話をした方々もいましたが、とても全店には対応できないということで却下されたそうです」と答えてくれた。

(2)(4)「従前資産の価値の大きさの順で優位性を持たせたため、地権者の権利を確保したデザインになったためです。そのためすべてのスペースの形と大きさを統一することはできなくなりました。フロアの業種が統一されていないのも、業種に関係なく権利の順に場所を選んでいただいたからです」

また前編における「閉店間近のお店の店主」のお話の中の工事見積に関する部分に関して以下のコメントをいただいた。
 
1.当社は横浜市から出店者との連絡調整業務は受託していますが工事に関しては特に業務を受託しておりません
2.トツカーナモールの出店者に対し、当社は過去に一度も原状回復工事の見積書を発行したことはありません
3.ある出店者からの依頼で、自身が手配した工事見積の比較をするためという理由で過去に一度だけ工事業者を紹介したことはありますが、その後については一切関知していません
  
さらに東急プラザ戸塚の総支配人の松井さんにお話を伺った。

運営上の感想としては「おかげさまで地元の商業施設として、幅広い年齢層のお客様にご来場・ご利用いただいております。 最近は若いファミリーのお客様も増えてきており、戸塚駅周辺の住宅供給が増加していることの影響もあるのではと考えています。また施設としては、横浜駅まで行かなくても、地元でお買物が楽しめるように、店舗構成やイベント開催などに意識的に取り組んでいます」
 


トツカーナと歩道橋でつながるサクラス


今後力を入れていきたいことに関しては「エリア間競争に勝ち抜くためには、プラザとトツカーナモール、サクラスや東口の商業施設、地元商店会などと地域ぐるみでの協力が必要になってくると思います」と答えてくれた。



利用者の声は?



最後にトツカーナの利用者にお話を伺うことにした。

まずは3階のベンチに腰かけていた、地元民の中年女性の2人組、FさんとRさんだ。

トツカーナについて伺うと「特に魅力はないわね。買い物するなら横浜駅の周辺で、トツカーナはついでね。お店の業種はバラバラだし、とりあえず店を入れておけばいいや、といった感じの、つぎはぎだらけの印象よ。特にお店に特色もないし、通路も分かりづらいわ」
 


駅前にバスセンターのある戸塚駅東口


再開発に関して伺うと「以前はバスセンターが遠かったし、どんなものになるか楽しみにしていたけど、できてがっかりしたわよ。常識だと駅前にバスセンターがあってその後ろにデパートがドーンといった感じでしょ。それがビルの中を通ってなんて、中途半端な便利さよ。バスセンターまでやたらと昇り降りさせるし、タクシー乗り場は遠いし、年配者にはきついわよ」

厳しい言葉ながら、地元への愛着から来るもののようにも感じた。
 


冬場は寒いプロムナードの4階


つづいて寒風吹きすさぶプロムナードの4階で、ワンカップ酒を飲む初老の男性、Tさんに声をかけた。

再開発に関して伺うと第一声が「きれいになってよかったよ」というものだった。
続けて「旭町商店街は戦後の闇市からできたものなんだ」という。
 


闇市時代の旭町通商店街 戸塚今昔(戸塚通商)


だから古い木造の薄汚い商店がひしめき合っている雰囲気で、弘明寺みたいな立派な商店街とは対照的だった。それが今は見違えるように立派になって、快適でありがたいよ」とのこと。

「バス停への昇り降りがつらいけど、エレベーターがあるから大丈夫だよ。またバスは駅の横で降ろしくれるし助かるよ」と答えてくれた。



取材を終えて



利用者の声でははじめに声をかけた2人から賛否両論の意見が出たがこれは出来過ぎた結果のようだった。

しかしこのことが、街にはいろいろな意見を持つさまざまな人たちがいることを証明しているように感じ、再開発が成功したか失敗したかの答えは容易に出るものではない、という思いを持った。

ところで前編でお話を伺ったRさんのお話の通り、3月にトツカーナの民間への売却が決まったそうだ。行政の主導で始まった事業だが、Rさんの言うように民間の運営になることで、利益を追求する方向性に向かうのだろうか?

パルソの入居者を取材中「遠くなったけれどわざわざ買い物に来た」という旭町通商店街のころの常連客がお店に入ってきた。例えパルソ、トツカーナの形になっても“旭町通商店街への愛着”が消えない限り、ビル内で商店街が復活する可能性はあるのではないだろうか?
さらに今後のほのぼの商和会の活動によって再開発地区と旭町通商店街が一体となり、戸塚駅西口駅前が独自の発展を遂げてゆくことは期待できるだろう。
トツカーナの今後を見守っていきたい。
 


1965(昭和40)年の戸塚駅西口『戸塚今昔』(戸塚通商)


―終わり―
 

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  • 戸塚駅西口再開発の失敗。区は2020年2月24日から3月1日まで駅前道路を駐停車禁止の社会実験と暴挙を実行。駅前整備の目的も忘れ戸塚駅西口再開発をした事が元凶です。再開発大失敗はビルの後方に交通広場を計画したこと。バス降車は狭い駅前道路で交通妨害をしている。タクシーの降車所は駅前になく、歩行者は車道横断を強いられます。一般自動車による送迎は道路に一時停止以外ありません。狭い駅前道路は陸橋の柱のため拡幅も出来ません。駅前道路は自動車専用道路ではない。人が行き交う大事な場所です。停車も禁止とは人間無視とは甚だしい。駅に来る自動車は幼い子供から高齢者まで沢山の人の送迎場所の必然からです。人にやさしい社会に全く目を向けない再開発!その失敗を隠すための姑息な策を次々にやる市・区。その表れが2月24日から3月1日までの社会実験?という暴挙。無理を実行する市・区。駅前道路を駐停車禁止は絶対に反対します。

  • 今日駅からのタクシーの運転手に聞いた。再開発を良く言う人は誰もいない。分かりにくいし、お年寄りに優しくない。辻堂のテラスモールの評判がとても良いとの話。私もテラスモールは大好き。良く行きます。映画館も有るしね。戸塚にはお勧め出来る飲食店が全くない。新しく出来たマンション住人の受け皿が無い。寿司屋、洋食店、ケーキ屋のレベルが低すぎる。

  • 20年ぶりに戸塚、行ってきました。相変わらず古臭い駅を抜けて、トツカーナのビルを見た時はちょっとしたワクワク感がありましたが、、、こんなにつまらないビルは初めて(笑)というくらいにシャボイ再開発でした。昔はいい意味でカオス感がありましたが、今は悪い意味でのスッキリ感だけ。まだ再開発して間もないというのにビルの劣化も所々に目立ちました。もう行くことはないでしょう。残念です。

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