川崎市のJFE敷地内、不法占拠の家屋群の正体は?
ココがキニナル!
川崎市池上町がキニナル!時代に取り残されたようなこの一角はJFEスチールという会社の土地を不法に占拠した住宅地だと聞いたが調査して!(マイクハマーさん)
はまれぽ調査結果!
JFEスチールという工場の敷地内に、違法に建てられた住宅群。工場と住民との間で定期的に話し合いの場などが設けられるが、いまだに解決していない。
ライター:小方 サダオ
池上町の有名スポットを訪ねる
池上町には有名なスポットがある。
まずは飯塚議員に薦めていただいた焼き肉店・道飛館(どうひかん)を訪れ、店主に話を伺った。
池上町の焼き肉店・道飛館
まずはお店とご自身に関して伺うと「私は在日3世になります。店は50~60年前に私の祖母が始めました。インターネットには国内最古の焼肉店などと書かれていますが、当時は町内で家の軒先でホルモンなどを焼いて、小遣い稼ぎをしていた人たちが多かったため、当店が一番古いわけではありません」
「昔は在日の人は公務員になれない、など差別問題が大変でした。今では帰化や永住権が簡単に取れ、そのようなことはないです。私たちは男兄弟ですが、日本人の女性と結婚しています」と答えてくれた。
道飛館の店内
お店の土地に関して伺うと「この土地は私たちが所有する土地ですが、以前は日本鋼管のもので、先代が買ったものかもしれません」と答えてくれた。
また強制連行について伺うと「私は“強制だけでなくて、一攫千金を狙うなど自ら日本に来た移民の人”もいたと思いますよ」と答えてくれた。
注文したメニューに関して伺うと「ハラミとホルモンになります。祖母の『わざわざここまで来てくれるんだから肉は良い物を出さなければいけない』という言葉を守り、国産の良いクラスの物をお出ししています」と答えてくれた。
注文したハラミとホルモン(ハラミ1400円、ホルモン500円)
国産の良質な肉を提供してくれる
上質の肉にオリジナルのたれをからめると絶品で、猛暑の中の取材には格好のスタミナ補給になった。
サービスしてくれたキムチ
続いてドラマ『GOOD LUCK!!』で有名になった、釣り船「つり幸」を訪れた。
釣り船・つり幸
店主にお店に関して伺うと「戦前からある釣り船屋で、私で3代目になります。以前は近くの堤防へと案内していましたが、現在は東京湾内にどこでも案内しています。40年前に日刊スポーツ指定の店になりました」と答えてくれた。
東京湾内どこでも案内してくれるという
つり幸の釣り船
お店の土地の権利と池上町に関して伺うと「当店は東京電力の土地を借りています。40~50年前までは、北朝鮮や韓国の人たちが多く住んでいました。裏の方は路地が細く、迷路のようになっていて、あまり行ったことはありません」と答えてくれた。
ロケ地として多く使われていることに関して伺うと「当店はロケに関しては拒否はしません。『GOOD LUCK!!』のドラマの時は冬場のロケで、仕事が終わってからロケが始まったので、仕事の邪魔になりませんでした」
店内にある、ドラマ『GOOD LUCK!!』の関連の色紙や写真
「またAKB48がデビューした直後のころ、神7と言われてる女の子たちがロケで来たこともありました」
乃木坂46のメンバーの色紙などが店内に飾られている
「高見盛さんは性格がよくて印象的でした。また有名な某5人組グループの中の1人も船を貸しきって、趣味として来られます。有名人は町の中で遊びづらいので、船に乗ってのんびりとするのが好きなのかもしれませんね」と答えてくれた。
印象的だったという高見盛
東京から近いこともあり、つり幸は釣り好きの有名人にとって一息できるオアシス的な存在なのかもしれない。
町の人に話を伺う
最後に池上町の住人に話を伺うことにした。
まずは高架下の広い通りに近い場所に長年住む、男性Cさんに話を伺うと「私は両親が韓国人です。父は戦時徴用で日本に来ました。18才から21才まで地方で出光関連のタンカー内に残る廃油を回収する作業をしていました。その後川崎に移り、池上町に住むことになりました」
池上町にあるアパート
横に長い特徴のあるアパートだ
現在は住人がいないようだ
「池上町には徴用で来た人たちが多く住んでいたのです。父はそこで外国人の人夫を各工場に振り分ける仕事をしていました。朝鮮総連の団長をしていたホジョンマンもそのころ人夫をしていたそうです。私の住んでいる土地は東京電力の土地を借りています」と答えてくれた。
次に町内の奥のほうに住む、JFEスチールの土地の家に住むと思われる、男性Sさん。水まき中にもかかわらず話をしてくれた。
街の住人に関して伺うと「20~30年前までは朝鮮人や韓国人が半々くらい住んでいたが、今は街中で暮らしづらい事情を持つ人たちやフィリピンなどの外国人を、不動産店がこっちに回してくるので、外国人が増えている。一軒家は古くからの人が住んでいるけれど、アパートには外国人など新しい人が住んでいるよ」と答えてくれた。
この問題の解決策に関して伺うと「以前JFEスチールと市がやって来て、開発デベロッパーが説明図を持って来たりして、10回くらい話をしたよ。そうしたら急に来なくなっちゃったんだ」
「仲介役の李牧師が亡くなったこともあるのかもしれないけど、住民たちが自分勝手なことばかり言うから・・・。勉強会のときも、ガヤガヤして『出て行くときに補償金出すのか!』なんてうるさく言うからね。工場側が嫌になっちゃったんじゃないのかな?」
「私たちも隣近所とはあまりふれあいがなくて、話もしないよ。住人は欲張りばっかりだよ。市は『話し合いのときに全員の合意が必要だ』というけれど、自分勝手なことをいう人が多いし、まとまるわけないよ」
細く曲がりくねった池上町内の路地
「私たちだって区画整理はしたいよ。広い道路際のいわば一等地に住んでいる人たちは文句がないだろうけれど、こんな狭いところに住んでいると大変なんだよ」
「今は一軒家で一人暮らしの高齢者が多く、介護活動などがしづらいよ。子どもがここに住みたくないから出て行って、段々と空き家が増えていっているんだ。死ぬまでこのまま、と思っている人が多いだろうね」と答えてくれた。
また番地が複雑なのでは? と伺うと「このあたりは池上5-12とかになってて、番地はないよ」と答えてくれた。
下水道の整備が整っていないと聞いたことを伺うと「以前は問題があったけれど、水道に関しては自分たちでお金を出し合って、20軒でひとつの共同水道を作ったんだ。これはそのためのポンプなんだけれど、壊れちゃったので、業者に頼んで修理してもらわないといけないんだ」と答えてくれた。
故障中のSさんの水道ポンプ
改築された家屋も多い
また庭仕事をしていた男性に伺うと「私は以前は溶接関係の仕事をしていて、30年ほど前に知り合いの池上町に住んでいた韓国人に頼まれて、彼の家を買い、ここに引っ越してきました。この家は8年前に改築したものです」と答えてくれた。
また現在の環境やJFEスチールに関して伺うと「水道に関しては、数軒で100万円ほど出し合って、自分たちで設置しました。何年かに一度、JFEスチールと役所の職員がやって来ます。向こう側からの売却額の提示もないし、進展していません」と答えてくれた。
屋根同士が触れそうな池上町の住宅
注意して改築をしないと隣の住宅に重なる可能性がありそうだ
また自転車で買い物帰りの中年男性は「私はここに住んでいた、韓国人の父と日本人の母を持つ娘の元に嫁養子きました。今は家主から、この2階建ての一軒家を借りて家族で住んでいます。環境としては問題がなく、水道を共同タンクから取り入れていますが、水道料金は家族4人で2ヶ月約3000円と安いですよ」と答えてくれた。
この男性が知り合いのところに案内してくれた。
改築したからなのか、立派な家も多い
初老の女性に伺うと「私は1947(昭和22)年にここに嫁いできました。そのころは、家がなく原野が多かったです。私の夫はJFEスチールで働いていました。土地の問題に関しては、工場側が韓国、朝鮮の人たちを強制徴用で住まわせることにしたのですから、どうしようもないでしょう」
「以前は公害がひどかったです。住人の中にはぜんそくになった人たちがいて、公害病のために補償として100万円ほどもらった人もいました」
「昔は壊して立て直すことはできたけれど、今はリフォームしかできず、建て直しをすることは工場側が許さなくなったようです。そのため一度家を壊すと囲いをされてしまいます」と答えてくれた。
一度家を壊すと囲いをされ、建て直しができないようにしている、という
さらに家が密集する場所で自転車の修理をしていた男性は「私は40年ほど前にここに来た。会社をやっていた時に、不渡り手形を出しちゃって・・・、10年間の内に3回もだよ。それでどうにもならなくなって、ここに住むことにしたんだ。この家は22年前に買ったものだよ」
池上町の中ほどにあるたばこ店
平屋建てのたばこ店
「払い下げの場合、払い下げと区画整理と二重に支払いになるんだよ。だから交渉の場になっても、払い下げてもらうより『今は追い出されないし、タダの状態で済んでるんだからそれでいいじゃないか』という人たちが多いんだよ」
「李牧師が活動していた時は、払下げしてもらうことに積極的な動きが出ていた。『買うものを買ってちゃんとしたい』という人たちが半数以上いればいいけれど、ここの人たちは半数以上が『その必要はない』という人たちなんだ」
池上町の中ほどにある、町内会館
「だけどそんな人たちがこの町を作ったんだよ。お互いに譲り合って路地を作って、それぞれの家を建てたんだ。いまだにプロパンガスだったり、水洗ではなく汲み取りの人もいるけれど、そんなに不便ではないよ」
「しかし路地には緊急車両が入って来れないし、災害時だけは心配だね。大きな道路には消火栓が通ってるから、そこからホースを使っての防災訓練を、町では年に一度やっているんだ」と答えてくれた。
市としては「JFEスチールには土地を短的に売らないで、住民全員の同意で区画整理をしたい」という。しかし複雑な歴史的背景のある地区で、住民の気質のこともあり、それは難しいのではないだろうか?
取材を終えて
池上町の住人たちからは、公に保護されていない環境だからこそお互い助け合っているが、反面、自分勝手なマイペースさを通して生きている感じを受けた。不法占拠が問題となっているが、住民から感じた人間らしさがとても印象に残った。
池上町の住人からは人間らしさを感じた
―終わり―
Conrad DeGuiaさん
2020年07月02日 09時48分
国内に残った徴用者が286人しかないのに池上町のみで約200軒の不法占拠。徴用とか強制連行とか嘘ついてる人がいっぱいじゃない?
ロンさん
2020年03月29日 08時05分
火を放てばいいのに。
ふ じ たさん
2018年12月11日 18時19分
上下水道とめちゃえばいいのに