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片倉町から鴨居駅まで、市バス36系統が通る菅田道路に多くある神社やお寺、道祖神を徹底調査!

ココがキニナル!

片倉町駅から鴨居駅まで市バス36系統が歴史を感じる道だった。この道がどういう道だったか、道路沿いの神社はどういところか、付近の道路建設の歴史な観点も交え調査を!(茱萸澤村民さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

片倉町から鴨居駅までのこの道路は「菅田道路」。付近には最勝寺や神明社などのお寺や神社があり、道路沿いには双体道祖神・庚申塔などがあった。

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ライター:橘 アリー

長導寺前バス停より先にもキニナルものが!

続いて・・・
 


バス停の名前になっている「長導寺」は

 
長導寺バス停から、路地を小机方面側へ入って行った突き当りにある。
 


長導寺は、神奈川区史によると1598(慶長3)年の草創であるようだ

 
小机本法寺の第七世真浄院日潤聖人が開山したと言われており、ご本尊は首題宝塔(しゅだいほうとう)、釈迦、多宝如来、日蓮大菩薩である。

次に「長導寺バス停」から鴨居方面へ150メートルほど行ったところには・・・
 


庚申橋という橋があり
 

その横に庚申塔と地神塔がある
 

右が庚申塔で左が地神塔

 
これまでにあった石碑同様、祠が作られて大切に祀られている。
庚申塔は1702(元禄15)年に立てられたもので、青面金剛像が刻まれている。地神塔は、「地神塔」の文字が刻まれた石碑で、1808(文化5)年に立てられたものである。



道路碑から先の様子は?



「道路碑」のバス停から鴨居方面へ進むと2つ目に「ひまわり団地前」のバス停があり、その上には杉山神社がある。バス停の横には石碑があった。
 


片倉町方面側の「ひまわり団地前」のバス停。中央の階段を上って行くと杉山神社に着く
 

けっこう急な階段である
 

杉山神社の創建年は不明だが、1732(享保17)年に再建されたと言われている

 
祭神は、五十猛命(いたけるのみこと)で、日本書記では、素戔嗚尊(すさのおのみこと)の子どもであるとのこと。
 


また、バス停横の石碑は
 

右が地神塔、中央が庚申塔、左が地蔵菩薩像

 
それぞれ立てられた年は、地神塔が1801(享和元)年、庚申塔が1825(文政8)年、地蔵菩薩像が1750(寛延3)年。庚申塔には、青面金剛が刻まれている。

菅田道路は、延長3200メートルの市道で、決して長いとは言えないであろうその区間に、16基の石碑があった(富士塚の石碑を加えると、37基)。上記のもの以外にも、菅田町(菅田道路から少し離れた場所)には神社やお寺、石碑がまだまだたくさんあるようだ。

菅田町が下菅田町だったころの様子は、新編武蔵風土記稿によると、小さな山が多い谷合の地域で、谷間に家が作られ、畑が多く田んぼは少なかったようである。
 


現在も菅田道路沿いの菅田町には畑がある

 
実際に地域の70代の年輩の方々に聞いたところ、やはり昔は菅田道路の周辺はほとんどが畑で、菅田道路は農業を営む地元の人々の生活道路であったという。また、鴨居や神奈川方面へ行き来する重要な道路でもあったようだ。

「庚申信仰」とは、庚申の夜に人が眠ると三戸が体内から抜け出して悪事を天の神様に告げる、ことを防ぐものであった。しかし「神奈川区誌」によると、この地域の農村では「庚申塔」は農業の神様として崇められることが多かったようである。

菅田道路沿いに多くの「庚申塔」や石碑が見られるのは、農業を営む人々の生活道路として発展した証だとも言える。
 


菅田道路は、現在も地域の人々にとって身近で便利な道路である


以前の調査でも、36系統のバス停の名前のように、昔の字名がついたバス停が他にもあった。念のため、横浜市交通局に「昔の字名を使うことが多いのか」尋ねてみたが「分かりません」とのことだった。

バス停の名前として、昔の字名が残されていると、当時の様子を振り返ることが出来て良いものではないだろうか。




取材を終えて



今回の調査では、バス通りで石造物をたくさん見つけた。
神奈川区石造物一覧表によると、記事中に紹介したものも入れて、菅田町には、11基の庚申塔、5基の地神塔、2基の道祖神、4基の馬頭観音、4基の地蔵菩薩像などがあるようだ。(文字碑・墓碑・狛犬なども入れると117基)

機会があったらこれらの石碑を訪ね歩いてみるのも面白いかもしれない。
 


マップはこちら! ※クリックで拡大します



―終わり―
 

参考文献

『神奈川区誌』
『神奈川の民族』
『神奈川の石仏』
『神奈川区石造物一覧表』
『下菅田村平左衛門記録長』
『神奈川の道祖神』
『神奈川区の今と昔』
『六人衆の道案内その9』
『港北区神奈川区 鳥山・菅田地区を巡る歴史探訪』
『神奈川の富士講』
 

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  • 三枚町から菅田・鴨居にかけての菅田道路は確か昭和初期の昭和恐慌と言われた戦前に失業対策の公共事業として造成されたと記憶しています。菅田道路や鴨居駅前の道路は満足な歩道が無く、片側一車線の道路の割に海上コンテナや大型トレーラーも通行する渋滞が激しいエリアです。都市計画道路山下長津田線や羽沢池辺線が事業中で、交通分散やバイパス化を目指していますが、現在の市政下では事業が止まったままにみえます。ここ数年で横浜市として都市計画道路整備に対する認識や目標についての発信が殆どなったという考えもあるようですが、東日本が過去数年で震災や大水害など様々な自然災害を経験し輸送経路や避難経路の重要性を目のあたりにした今こそ、しっかり現実を直視し、道路整備も根気強く進める事を再認識してほしいと思います。

  • 「神明社入口」と「猿渡」の間に私のキニナル投稿した「セブンイレブン横浜鳥山町店」があります。一緒に取材してくれたのでしょうか…

  • 普段乗らないバスに乗ってふと気づいたキニナルことを投稿したのですが、ここまで詳細なレポートにしあげてくださりすごくうれしいです。236年前、大願成就で双体道祖神を寄進した金子おふじさん、これで有名になりましたね。その大願ってなんだったのでしょう。歩くのにちょうどいい季節になってきたこともありますし、記事をプリントアウトしたものを片手に、横浜農村部の昔の姿、そして当時を生きた人々に思いをはせながら菅田道路を歩いてみようかと思います。

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