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綱島街道、雑草だらけで巨大パイプのある謎の三角スペースの正体は?

ココがキニナル!

綱島街道の菖蒲園前交差点の北東角の歩道に謎の三角地があります。 雑草伸び放題のうえに巨大な銀色のパイプが逆U字に生えています。歩道では無く車道扱いの模様。 一体何のための場所なのか(シャム猫さん)

はまれぽ調査結果!

菖蒲園前交差点にある三角地帯は、諸説あるが道路拡張の計画が変更になり、交差点の形が変わったことで出来た三角スペースの可能性が有力。

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ライター:小方 サダオ

周辺住民の語る2本の道路の違いとは



投稿の道路と県道140号線の道路はどのように使われていたのだろうか。

菖蒲園前交差点から少し離れたところに住む地主Aさんに伺うと「聞いた話ですが、県道140号線は、戦時中、日吉周辺の軍事施設の関係で、連絡用の小型機が発着できる滑走路代わりとして作られたそうです。そのため1kmに渡ってまっすぐなのです」

 


県道140号線の道路は戦時中に作られた可能性があるという

 
「また菖蒲園前交差点の道路は、以前は鶴見駅行のバスが通っていて、県道140号線よりもよく使われていた道路でした」

 

菖蒲園前交差点


菖蒲園前交差点(青矢印)は角ばっている


菖蒲園前交差点に繋がる道路は、以前はバス通りでよく利用されていた

 
「しかし県道140号線はその後川崎方面へとつながる道になり、片側2車線の大きな道路になりました」

 


県道140号線の樽町交差点。左折レーンが設けられている


樽町交差点(赤矢印)は菖蒲園前交差点より角に大きな丸みがある


片側2車線の県道140号線

 
「また県道140号線は樽町交差点を突っ切り東急東横線の下を通る計画がありました」

 

県道140号線が伸びて東急東横線の下を通る計画があったという


東急東横線の鉄橋

 
「菖蒲園前交差点の道路よりも、県道140号線のほうが、川崎方面などにつなげやすく、便利だったため、大きくしたのではないでしょうか?」とのことだった。

 

県道140号線(赤線)は川崎駅(紫矢印)や鶴見駅(緑矢印)へのアクセスに便利だ

 
県道140号線は、戦時中に滑走路代わりとして作られた可能性もある幅の広い道路であったことや、川崎や鶴見方面と行き来しやすい道路だったことで、県道140号線を大きな道路にする計画に変更しやすかったのかもしれない。

最後に自身の推測に関して土木事務所に伺ってみた。

港北土木事務所の道路係長、飯沼将之(いいじま・まさゆき)さんは「菖蒲園前の交差点については、もとから道路区域の形状が交差点北東部において大きな半径の円弧状となっています。どういった経緯で道路用地(以前は国有地)としてそのような形になったかは不明です」

 

経緯は不明だという

 
「三角地帯が車道だった場合、綱島方面からきた車両は、幅広いスペースを使って左折することになります。このとき、車両が並走して左折してしまうこともあり、危険な状況が生じる可能性があります。また、左折車両の速度を増大させてしまうことや、横断歩道の距離が必要以上に長くなることから、歩行者にとっても危険な状況となってしまいます」

「このため、適切な左折導流路に交差点の形状を見直したのではないかと思われます。そうすることで、それまで車道だった部分を車両が通らなくなるので、その部分を広い歩道として植栽なども設置したのではないかと推測します」という。

「交差点のスペースが開きすぎていると左折車や歩行者にとって危険である」ために狭くしたのではないか、とのことだ。

 

戸塚土木事務所

 
次にほかの管轄のご意見も伺うべく、戸塚土木事務所の道路係長、松田裕(まつだ・ゆたか)さんに伺うと「道路の交差点の曲がり角を通りやすくするため、視認性の確保などを理由に敷地の角を切り取ることを行います。これを隅切り(すみきり)といいます」

 

『道路構造令の解説と運用』日本道路協会

 
「大きな道路ほど、『隅切り長』という削られる敷地の角の長さを長くする決まりがあり、それによって交差点の曲がり角が広く確保されます」

 

隅切り長が短いもの(赤線)より長い(青線)ほうが交差点の曲線の半径が長くなり緩やかに曲がれる
 

道路の大きさを級別に示し、隅切りの長さを調整する

 
「そのため道路を広くする計画があったものの変更になった場合、隅切り長の関係で、三角地が出来る可能性はあります。しかし、今回の三角地には消火栓などもあり、消火栓のための地下タンクの保護用地として確保された可能性もあります」と答えてくれた。

「隅切り長」の関係性から三角地が出来ることはありうるものの、ほかの可能性もあるということだった。



取材を終えて



古くから利用されていた道路も、時代の変化で周囲に出来た駅などへのアクセスの良さなどで重要度が変わってしまう。主要な道路になりかけた痕跡が、菖蒲園前交差点の三角形のスペースとして残されているのかもしれない。

 

拡張工事の変更のために出来た可能性のある三角形のスペース

 

―終わり―
 
 

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  • とてもよく調査されていて感心しました。下水管の空気抜きパイプとか、道路の変遷の歴史とか、小学校の夏休みの自由研究だったら最高評価だと思います。この場所は交通量が多いのに、綱島街道は右折車線がいないから、隅切りのおかけで見通しが良くて安全になってると思いまます。

  • 交差点の広さですが、昔は広ければ良いだろうと言う思想でした。しかし、接続する道路の広さや交通量に比して広過ぎ、自由度の高過ぎる交差点は、通過する車両が交差点内のどの位置を通過するのが最適かの判断を誤り走行ラインが乱れ、無用な接触事故を誘発している事がわかりました。そこで、かつては無用に広過ぎた交差点を、歩道を広げたり、緑地を設置するなどして、交差点の広さや、接続する道路の接触角度を最適化し、通過車両が走行ラインを認識しやすくする改修が行われている所が数多く有りますよ。今回の記事の緑地も、その一例だと思われます。

  • この先から大豆戸までの道路拡張について、以前(多分2008年)港北公会堂にて公聴会のようなものがあったのですが、それ以降話がきません。どうろの拡張計画もこのようにいつのまにかできたりなくなったりするのでしょうかね。綱島駅再開発、綱島街道、菖蒲園前交差点、ときたら次ぜひ取り上げてほしいと期待しています。

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