【横浜の名建築】当時最先端の防災設備を持った赤レンガ倉庫
ココがキニナル!
横浜にある数多くの名建築を詳しくレポートするこのシリーズ。第14回は、赤レンガ倉庫。今年100周年を迎えたこの建物は、創建当時最先端の防災設備と洗練された機能美を兼ね備えていた。
ライター:吉澤 由美子
レンガや瓦、華奢な鉄骨などが織りなすクールな機能美
(続き)
赤レンガ倉庫の回りには広い公園。旧横浜港駅プラットホームや、創建時の赤レンガ倉庫を国営保税倉庫として管理していた旧税関事務所遺構もある。
汽船連絡列車も行き来した横浜港駅プラットホームの遺構
税関事務所遺構には、分厚いレンガ壁の土台が残っている
歴史に思いを馳せながら散策するのにぴったりのロケーションだ。
ガラスと鉄によるリニューアル
1992年、横浜市より赤レンガ倉庫は、建築家の新居千秋(あらいちあき)によってリニューアルされた。
「The First Machine age=第1機械時代」をコンセプトに、創建当時も建築素材として存在した鉄とガラスを使い、余計な装飾を省いている。
大きな一枚ガラスを使った扉
1号倉庫のガラス階段の下には、荷物を滑らせて運んだ滑り台が見える。
その使いこまれた様は往時の喧噪を思わせる。
ガラス階段の下に、荷物用滑り台
表からガラス越しに見える荷物用滑り台
現代の商業施設とするために必要な数々の設備や装置が目立たないよう配され、創建100年を経た倉庫の特徴が見事に活かされている。
取材を終えて
ここは、歴史ある関内地区と、新しいみなとみらい地区の中間にあり、新旧の横浜をつなぐ要のような場所。
その場所に建つ歴史ある赤レンガ倉庫は、当時の最先端だった防災設備のおかげで関東大震災を越えて今に引き継がれ、洗練された美しい姿のまま内部に現在の最先端のショップやホールを抱えている。
2号倉庫には光にあふれた階段がある
過去と未来をつなぐ場所で、往時の最先端が現在の最先端を抱える。
リニューアルされた赤レンガ倉庫は、今の横浜を象徴する場所のように思えた。
―終わり―
横浜赤レンガ倉庫 公式サイト
http://www.yokohama-akarenga.jp/index.html
横浜市港湾局 赤レンガ倉庫サイト
http://www.city.yokohama.lg.jp/kowan/m-sight/akarenga/
bourbonさん
2015年04月28日 09時49分
懐かしい赤レンガ倉庫の姿をありがとう、小生はこの赤レンガ倉庫の最後まで物流倉庫として使用した一人として懐かしく、昔を思い出します、通常の倉庫と違い倉庫内でフォークリフト荷役ができず、猫車という一輪車にて倉庫内に積み付けをいたしました、したがってあまり重たいものは扱えずに、当時需要の多かったソ連から輸入の繭(蚕)を2階・3階にクラシックなエレベーターで上げて倉庫内に積みつけた記憶が今のように思い出します。K/W