藤沢市新林公園内にある進入禁止の柵の先には何がある?
ココがキニナル!
藤沢に『新林公園』という大きな公園があります。その公園の先には昔から進入禁止の柵があり、その先に何があるのか気になります。調査をお願いします(波に乗れないジョニーさん)
はまれぽ調査結果!
新林公園内の柵が設けられた場所は灌漑用の溜池やその水路のためのトンネルであった。池に転落すると危険なため立ち入り禁止になっている
ライター:小方 サダオ
溜池をさらに発見
ところで公園から離れた場所で地元の方の話から、新林公園の山をはさんだ向かい側にも、奥池(おくいけ)という溜池があることが分かった。
川名大池(青矢印)と奥池(緑矢印)
近所の農家の男性に伺うと「50年ほど前にはこの付近には田んぼがありました。雨が降らない時に門を開けて水を引けるように溜池を作ったのです。20軒ほどの農家の田んぼに水を引けるものでした」という。
50年ほど前まで田んぼがあった場所は住宅地になっている
奥池に向かう
住宅地を過ぎて、山裾にあるという池に向かう道沿いには、雑草で覆われた草原が広がっている。以前は田んぼであった場所なのかもしれない。
雑草だらけの空き地。以前は田んぼだったと思われる
何かを刈り取ったような跡のある湿地
山に近づくにつれカエルの大合唱が聞こえてきて、住宅地から一歩入ると自然豊かな異空間が広がっている印象であった。
山のふもとを目指すと・・・
山のふもとの一段高い場所に奥池を発見。公園内の池と違い、柵がされておらず、手つかずの自然のままの池といった印象であった。
溜池が現れた
川名大池よりも茶色く濁っている感じだ
手が入れられていない当時のままの雰囲気だ
さらに代々農業をしている男性に伺うと、まだ溜池の水を使って米を作っている人がいるとのこと。
Aさんによると「昨年まで私たちは家族でもち米を育てていました。溜池のすぐ下にある田んぼです。またある人は近くでうるち米を育てていて、今でも池の水は田んぼのために利用されているのです」
Aさんがコメを育てている田んぼ
数名の人たちがまだ池の水を使ってコメ作りをしている
「池は今、ブラックバスやカメなどの宝庫になっていて、鳥獣保護区に指定されているので禁止されているのですが、釣りをする人がいます」
甲羅干しをするカメ
田んぼが少なくなった理由については「道が細く農機具を入れられないので手作業でやってきましたが、かなり重労働なのです。また田んぼをやっていると、固定資産税の関係でコメ作りの収穫では採算が取れないため、止めてしまう人もいました」と答えてくれた。
減反政策や税金の問題などで、農作業をする人が減ったために溜池の利用価値も下がったようだが、奥池を使ったコメ作りはまだ行われている。
取材を終えて
コメ作りが行われている場所では、日本らしい里山の原風景が残っている印象であった。田んぼの存在が維持されることは、人と自然との共存の理想的な姿を保つことにつながっている感じがした。
役目を終え静かに佇む溜池
-終わり-
参考文献
「藤沢市史料11皇国地誌」(藤沢市文書館・昭和61年)
あずいちさん
2018年05月22日 18時04分
ブラックバス繁殖・・・よし、某番組にお願いして水抜こう!
ナチュラルマンさん
2018年05月22日 01時10分
新林公園の柵の農地がある森林地帯は川名緑地で、神奈川県のトラストみどり財団のトラスト緑地になっていますね。私は以前、見学したことがあります。希少な植物がたくさん、しかも絶滅危惧種の動植物がたくさん生息しております。ここは一度、道路開発の計画があり、環境が破壊される懸念がありましたが、藤沢市のボランティア団体や神奈川県のトラストみどり財団、藤沢市が保全の方向にシフトしました。たた、カメは外来種のミシシッピアカミミガメ、ブルーギルやブラックバス、カダヤシなどの外来魚、あとタイワンリスによる樹木被害、また里山管理が行き届いていないから荒れた森林をいかに保全するか、課題らしいです。