素朴で庶民的な雰囲気。はま旅Vol.60「和田町編」
ココがキニナル!
横浜市内全駅全下車の「はま旅」第60回は和田町駅。横浜国立大学の学生さんに馴染みの町は素朴で庶民的な雰囲気。
ライター:吉川 ゆこ
相鉄本線和田町駅。観光スポットはない。大きなデパートがあるわけでもない。「はま旅」の取材で機会を得なかったら、降り立つことはなかったかもしれない。
今日もぼちぼち頑張ります
コミュニティカフェで大歓迎
和田町駅は線路を挟んで北側に常盤公園、横浜国立大学があるものの、その周辺はごく普通の住宅街といったところ。とりあえず駅前のロータリーに立ち、駅周辺に何かないかな?とぐるっと見渡す。
駅前のロータリー。平日の昼間でも人が多い
メディアで取り上げられるほど人気のある商店街でもなければ、どこの町の商店街でも活気に溢れているとは言いにくい。和田町駅周辺の商店街も少し寂しい感じだ。商店街好きとして現状を憂いでいると、人だかりのできている店が見えた。
お兄さんの元気な声に吸い寄せられる
渡辺さん(お兄さん)が売っていたのは「パンの季」(http://pannoki.jimdo.com/)という店のパンだった。これが次々と売れていく。渡辺さんのお母さん手づくりなのだという。
100円から300円とお手頃価格が並ぶ
私は食パン(半斤で200円)と揚げていないカレーパン(120円)を購入。どちらも優しい味がした。
渡辺さんの笑顔も素敵だが、きっとお母さんの笑顔も素敵なのだろう。作り手の顔が想像できるようなパンだ。
厳選した食材を使ったパンをお手頃な値段で届けたいと店舗を持たないことでコストダウンを図っているのだが、知人の紹介でこの店頭で販売を行っているそうだ。
…と、ずいぶん前置きが長くなったが、パンが店頭に置いてある店はコミュニティカフェ「わっか」。社団法人横浜建設業協会、社団法人横浜市商店街総連合会と横浜市の3者が連携して行っている商建連携事業の一環で1年半前にオープン。地元の企業さんがスポンサーになり、運営をサポートしている。
スタッフの川田さん(左)と山崎さん
珈琲などを飲みながらゆったりできる
カフェとしても利用できるが、手芸教室やハンドマッサージなど毎日のようにイベントが開催されているのでイベント目当てに出かけてもいい。地域の子育て支援も兼ねているので授乳できるスペースも完備。おもちゃもたくさん置いてあった。
壁一面にはレンタル棚が並び、手づくりの手芸品などが販売されてる。これがけっこうレベル高い。
かわいい!手のひらサイズの猫ちゃん
同店では「取材なの!?嬉しい」と、こちらが恐縮するくらい大歓迎を受けた。スタッフさんは皆さん気さくで、「わっか」を好きだという気持ちが伝わってくる。いつまでもここに居たかったけど「はま旅」の先は長い。後ろ髪を引かれながらも店を後にした。
パンからたいやき、そしてナン。粉もんを巡る旅
駅前から横浜国立大学のある北側に広がる和田町商店街を歩く。まだまだ個人商店の多い商店街だ。
和田町商店街
風情のある店が残る
ぷらぷらと歩いていると小さな店を発見。たいやき!
おしゃれな店構え。たいやき「おたぎら」
店長の川田さんが1人で焼いている
特筆すべきは皮の薄さだ。「おたぎら」のたいやき(つぶあん150円)は、とにかく皮が薄い。食べると皮が厚くて、なかなかあんこにたどり着かないたいやきってある。けど、ここのたいやきはひと口目から、あんこが飛び出してくる。私は気に入った!
でも店長の名前でもないし、なんで「おたぎら」なのだろう?
川田さんに聞くと「ありがとう」をローマ字で書いて「ARIGATO」。それを逆から読むと「おたぎら」。1つ1つに感謝の気持ちを込めて焼いているそうだ。
甘さ控えめのあんこが外にはみ出している