金沢文庫駅と金沢八景駅周辺は開発事業でどう変わるの?
ココがキニナル!
金沢区の金沢文庫駅と金沢八景駅周辺で再開発工事が行われていますが、どのように変わるのか特集していただけませんか?(おかちゃんさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
金沢文庫の再開発事業案はいまだ合意に至っていない。金沢八景の土地区画整理事業は平成28年のシーサイドラインと京急の連結などに向け整備中。
ライター:山口 愛愛
「再開発事業」と「土地区画整理事業」は異なる
金沢文庫駅、金沢八景駅周辺は、平潟湾に近く緑も多く残る地域。京浜急行線と国道16号線が平行に走り、金沢シーサイドラインの金沢八景駅もあり、この地域の交通の要所といえる。
駅の東(海)側は、個人商店が多く、周辺住宅地に学校や寺社が点在している(Googleマップより)
その金沢文庫駅、金沢八景駅周辺が生まれ変わろうとしていた。しかも、ずいぶん昔から・・・。
都市整備局市街地整備推進課の堀田課長に伺うと、金沢文庫駅周辺は交通広場(広場型の道路)がないことや地元の方々により商店をもっと活気付けようとする気運が高まったため、昭和63年に都市計画が立てられたとのこと。
この事業は「再開発事業」とされる計画だ。わかりやすくいうと、再開発ビルを建て、土地建物を持っている地主さんなどが、その資産を施行主に売却するか、資産に見合う権利床を受け取ることができるというもの。例えば駅周辺の個人商店が、新しく建てられる駅ビルの中に移転するという具合だ。
しかし、現在の場所から離れて商売を続けることや開発ビルに入るリスクは大きいとされ、現状のままで良いと主張する声もある。25年経った今も、いまだ権利者の方々の合意まで至っていないという。
どのように変わるのか展望をお伝えしたかったが、その段階まで達していなかった。
一方、金沢八景駅周辺の「土地区画整理事業」は、工事が始まっていた。
駅の東口(16号側)を出て主に左手、北側の工事の様子
こちらは「再開発事業」ではなく「土地区画整理事業」にあたるので、大きな商業施設などの再開発ビルが建つわけではない。広場や広い道路をつくるなどして、文字通り、土地を整理するのがメインだ。
しかし、金沢八景も開発事業のスタートから30年もの年月が経っていた。どのような街並みになるのかは、地元権利者との長い協議の歴史が物語っていた。
シーサイドラインと京急線連結までの長い道のり
金沢八景駅周辺を見てまわりながら、金沢八景駅東口開発事務所の中出達雄所長の元へ向かった。これまでの経緯と今後の展望を語ってくれたので、現場の写真とともに説明しよう。
金沢八景駅東口開発事務所内で権利者との協議も行われる
そもそも平成元年に暫定開業した金沢シーサイドラインは交通機能を向上させようという横浜市の方針で、京急線の駅舎と接続する予定であった。
市は線路の通り道を買収して整備する予定だったが、駅前広場などもっと広く面的に整備すべきだという声が地元民からあがった。これが開発事業の発端だ。
協議は続いていたが、どのように整備するかまで話はまとまらず、平成元年、京急線と接続されないまま暫定駅で開業に至ったのだ。
金沢八景“暫定”駅だったのだ。線路が途中で終わっているようにも見える
本来の計画通り、二路線を接続させ、駅周辺の整備もするため、昭和61年に事業計画を立てるが、下の図のように「地区の北と南が分断されてしまう」など関係者の合意が得られず、平成18年3月に南北の分断を緩和したような都市計画に変更し、計画案の合意にこぎつけた。
縦長の駅前広場が南北(左右)を分断している
変更案。駅周辺に一体感が
(詳細は「金沢八景のまちづくり 都市計画の変更について」を参照のこと)