2学期制って良くなかったの?
ココがキニナル!
横浜市内の中学校で2学期制から3学期制に戻すところが増えているようですが、2学期制は良くなかったのでしょうか?(まるさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
安易な2学期制導入は失敗施策。市行政は、しっかりと検討してから導入すべきだった。
ライター:谷 直美
横浜市では、2004年以来 、市内公立小中学校のほとんどで2学期制を採用している。
ところが、以前の3学期制を復活させる動きが、市内の中学校で近年活発化してきた。
現在、市内にある中学校は146校。そのうち3学期制に戻した学校は現在までに9校あり、来年度(2011年4月)から3学期制に戻す学校も見受けられる。
2学期制は不評なのだろうか?現状を調査した。
2学期制とは
2学期制とは、学校における1年間を2つの学期に分けて行うカリキュラムのことである。
2学期制と3学期制の違いを図にすると、下のようになる。
このような大きなシステムの変更を一斉に行うには、それなりの労力が払われたに違いないのだが、2学期制がやっと定着してきた矢先に、あえて以前のシステムに戻すには、それなりの理由がありそうだ。
そもそも、2学期制を導入することになったのは、3学期制にはない下記のような3つのメリットが期待されていたからだ。
①年間10時間~30時間の授業時間を確保できる。
②ゆったりと長いスパンで指導計画を組むことができる。
③3学期のテストと成績表作成の回数が減るので、教師の事務作業を軽減することができる
一見いいことばかりのようだが・・・。2学期制の実態を、現場を指揮する校長先生、保護者に取材した。
インタビューから分かった2学期制の実態
まずは、2学期制一斉導入時も2学期制を採用する事なく、今日までずっと3学期制を継続している磯子区岡村にある岡村中学校の鈴木校長にお話を伺った。
「一斉導入前、市より2学期制に変えた場合の年間カリキュラムのシミュレーションをするよう通達がありましたが、工夫によって3学期制のままでも成り立つと判断したため、2学期制を採用しませんでした。また、子どもは短いスパンで目標設定したほうが力を発揮しやすいと考えます」
岡村中学校はゆずの2人が通っていたことでも知られている
また、今年度(2010年4月)から3学期制に戻した、金沢区釜利谷にある釜利谷中学校の相澤校長は、次のように語る。
「横浜市の2学期制実施方針の撤回を受け、職員及び保護者にヒアリング、アンケートを行ったところ、9割以上が3学期制を支持しました。休みにはしっかり休み、遊んで気持ちのメリハリをつけることの大事さ、日本の風土文化に合った流れ、行事活動に打ち込む大切さから、3学期制が我が校には合っているんです」
子供はメリハリが大事と語る相澤校長
さらに、来年度(2011年4月)から3学期制に戻す予定の、中区山下町にある港中学校の大島校長も、2学期制の持つデメリットをこう挙げた。
「夏休み、冬休みを挟んで学期がだらだら続くのでは、けじめがつきにくい。高等学校のシステムが変化していないのに、小中学校だけ2学期制にしているので齟齬(そご)が生じています。結局『2学期制という名の3学期制』になっているのが現状です」
2学期制にメリットはない!と言う大島校長
結局、3校の校長とも2学期制についてはメリットを感じていないようだ。