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日産スタジアム近くにある水門の小部屋。その正体とは!?

ココがキニナル!

日産スタジアム近くの、鶴見川岸にある大きな水門の上部にある小部屋が気になってます。中はどんなでしょうね・・宿直室?会議室?(いや、あんな所で普通会議はせんだろうが)。。。(オオバさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

会議室でも宿直室でもなく、水門の操作室!新横浜公園の遊水地としての機能を支える、大切な場所だった

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ライター:田中 大輔

今回の舞台となるのは、日産スタジアム裏手の鶴見川沿いに立つ水門と、その上部にあるという小部屋。

川のそばに水門があること自体はなんら不思議ではないが、その上に会議室や宿直室に見えるような部屋があるとなれば、確かにキニナル。

いったいどんな水門なのか。そして、ウワサの小部屋の正体はなんなのだろうか。
その謎を解くため、さっそく調査開始だ。



水門とご対面



まずはその水門の姿を確認しようと、日産スタジアムのある新横浜公園に向かった。
最寄り駅であるJR小机駅から新横浜公園に向かうと、まず日産スタジアムが目に飛び込んでくる。
 


横浜F・マリノスの本拠地でもある、日本を代表するスタジアム


問題の鶴見川があるのは、新横浜公園を抜けたその向こうだ。
鶴見川の反対側へ渡るには、亀甲橋(かめのこうばし)を使う。

橋を渡っていると、問題の水門はすぐに見つかった。
 


橋の向こうに見える大きな構造物


確かにかなりの規模の水門で、その上部にはいくつかの窓が並ぶ部屋のような部分がある。
 


確かに水門。下の部分が開閉するんだろう
 

部屋の中にはなにか置かれているようだが……


しかし、周辺を歩き回ってみても水門の近くに行ける道は見つからず、どうやら普通にはたどり着けないようになっているようだ。

ひとまず、あの水門を誰が管理しているのかを調べてみたところ、国土交通省関東地方整備局の京浜河川事務所だということが分かった。

京浜河川事務所は、「鶴見川流域センターの横にあるレーダーの秘密とは?」や「日本の最南端「沖ノ鳥島」を管理する、鶴見区の京浜河川事務所ってどんなところ?」の記事でもお世話になった国の組織。
今回も取材をお願いしたところ、あのXRAINが設置されている鶴見川流域センターと同じ建物にある新横浜出張所で対応してもらえることとなった。
 


大きなレーダーが目を引く鶴見川流域センター




新横浜公園のもうひとつの顔



キニナル小部屋の正体を知る前に、まずは出張所を訪れ水門の役割について話を聞いた。
取材に応じてくれたのは、出張所所長の上林喜美夫さん。
 


長時間に渡り、丁寧に話をしてくれた上林所長


「鶴見川流域センターの横にあるレーダーの秘密とは?」でも触れた通り、新横浜公園は鶴見川が増水した際に一時的に水を逃がす場所である遊水地としての機能を備えている。
遊水地としてだけでなく、普段は公園として利用できることから“多目的遊水地”と呼ばれているんだそうだ。
 


鶴見川流域センターの屋上から。日産スタジアムのほか、野球場なども


流域の人口密度が全国1位という鶴見川は、そのくせ氾濫しやすいという厄介な顔を持っている。
昭和50年代からは、川そのものだけでなく流域全体で被害を減らすための方策である“総合治水対策”への取り組みが始まった。
全国に先駆けて行われたアイデアで、多目的遊水地として最大390万㎥もの水を貯めることができるこの新横浜公園もその一環と言えるわけだ。

 


鶴見川多目的遊水地の全体像。左側が鶴見川、右上にあるのが日産スタジアム
(画像提供:京浜河川事務所)


いざというときは、堤防のうち“越流堤(えつりゅうてい)”と呼ばれる意図的に低く造られた部分から水を流し込むことになる。
 


越流堤。階段状になっていて、ここから水が入ってくる
 

上林所長が撮影した、2010(平成22)年12月に洪水が越流堤を超えたときの様子


これまでに10回、遊水地としての力を発揮していて、下流域での洪水被害を未然に防いでいるんだそうだ。

さて、天候が回復して鶴見川も落ち着いたとして、遊水地に貯まった水をどうするか。
なにしろ何百万トンという水だ。蒸発するのを待つわけにも、バケツでかき出すわけにもいかない。
そこで活躍するのが、あの水門なのだ。