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横浜の主要観光地を通る「あかいくつ」は運賃が100円でも採算が取れるの?

ココがキニナル!

なぜ、みなとみらい地区を走る"100円バス"や"あかいくつ"は運賃が100円なのですか?横浜市内のバスの多くは均一料金210円ですが、採算性がキニナル!(ハマ太郎さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

「あかいくつ」は導入当初に日本宝くじ協会からの車両の助成、「みなとみらい100円バス」は都市整備局からの補助があり、採算が成り立っていた!

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ライター:吉澤 由美子

「あかいくつ」は、レトロなデザインと大人100円(子ども50円)という利用しやすい料金で人気の横浜観光スポット周遊バス。
 


山下公園前を走る「あかいくつ」


運行開始は、2005(平成17)年3月。横浜は観光地がお互い比較的近いので歩けない距離ではないが、もっと楽しく回遊できるようにと導入され、以来、観光客のみならず市民の足としても親しまれている。
 


「あかいくつ」は、バス停も一目でわかる色使い


質問にあるように、この「あかいくつ」や土日祝日のみ走っている「みなとみらい100円バス」は通常の横浜市営バス料金の大人210円から考えると破格の安さ。その安さにはどういった理由があるのだろうか?

とにかく伺ってみれば100円の謎がわかるはずと、西区花咲町にある横浜市交通局を訪ねた。



あかいくつ」の採算性は?



今回、お答えいただいたのは、横浜市交通局の営業推進本部営業・観光企画課の齊藤達也課長と、野村大樹(ひろき)観光担当係長。
 


はまりんを真ん中に、左が齊藤さん、右が野村さん


今年の1月にはまれぽで紹介した「『あかいくつ』のルート変更」記事でもお世話になったお二人だ。

「そもそも『あかいくつ』は、開港150周年の象徴となるような事業をということでスタートしています」と齊藤課長。
 


ナンバーはすべて「150」。これも開港150周年が由来で引き継いでいる


「あかいくつ」は、開港150周年に合わせ「横浜を盛り上げよう」という想いから横浜市交通局が発案したもの。ルートなどは民間の観光事業者の方々とも協議を行って、横浜観光スポット周遊バスのあるべき姿を決めてきた。

横浜市の経済活性化に交通局としてなにかできないかという思いもあり、100円という思い切った決断を下したそう。
 


大人100円、子ども50円のワンコイン


齊藤課長は、「この価格設定はかなり思い切ったもの。横浜市交通局としては、勝負に出たという感じでしょうか」と説明。そして、「交通局で横浜観光を支えようという想いからスタートしているとはいえ、収支を度外視はできません。収支についてしっかり採算を合わせることも、交通局の事業としての必要条件です」と続けた。

平成23年度の「あかいくつ」の収支は、1300万円の黒字。「あかいくつ」の年間乗車数は、平成24年度速報値で約84万人。

これだけたくさんの利用者がいるので、100円でも採算が合うのだろうか?
 


バス停に赤くてかわいい「あかいくつ」サインがあった


実は、最初に「あかいくつ」が導入された時、全5両のうち4両について、財団法人日本宝くじ協会から約1億4000万円の助成を受けている。

バスを購入するにあたっては、通常でも1両2000~3000万円かかる。「あかいくつ」は思い切った改造が行われていることもあり、さらに改造費がかかる。
 


屋根の小窓、木目調のライン、窓、赤いプレートと特徴あるデザイン


独特な「あかいくつ」の車両は、通常の路線バスとは窓のピッチを変えてあって、景色が見やすくなっている。レトロヨコハマの雰囲気を伝える目立つ外観は、市外からやってきた観光客にもわかりやすい。観光事業者からも案内がしやすくなったと好評だ。
 


車内にもレンガ風の装飾があった