横浜「1000ぶら」商店街探訪Vol.5 思い出探しで巡る「たまプラーザ商店街」
ココがキニナル!
活動資金1000円で横浜中の商店街をめぐる旅。第5回は「たまプラで1000ぶら」略して「たまブラ」。学生時代を過ごした商店街であのころの自分を取り戻せるか
ライター:ほしば あずみ
横浜「1000ぶら」商店街探訪。この企画のルールは、横浜市内の商店街を「活動資金1000円」のみで「ぶらっと」歩くというもの。
第5回は、「たまプラーザ連合商店会(「たまプラーザ駅前通商店会」と「たまプラーザ中央商店会」の連合)、「たまプラーザ商店会」という3つの商店会で形成される「たまプラーザ商店街」。東急「たまプラーザ駅」を挟んだ反対側には國學院大學たまプラーザキャンパスがあり、かつて筆者が学生時代を過ごした商店街である。
卒業以来、10数年ぶりに訪れてみると・・・
あまりの変わりように腰が抜けた
駅前は再開発事業によってすっかり様変わりし、外国の駅のようになっていた。筆者の頭の中にあった「たまプラ駅」の記憶は一瞬で吹っ飛び、現在位置さえ把握できない。
ドラマ「金曜日の妻たちへ」の影響などで高級住宅街のイメージがある「たまプラ」だが、筆者の商店街の思い出は、でか盛メニューのあるカレー屋、上京してはじめて食べた巨大チャーシュー入りラーメンなど、お金のない学生にも優しい商店街だった。
あのころの店、今も元気だろうか。
見たこともない駅の様子に衝撃をうけながらも「たまブラ」開始
10年前にタイムスリップ! と思ったら
商店街の入口は変わっておらず、ほっとする。入口脇には学生たちの胃袋を満たしてくれる「インドのとなり」というカレー屋がある。ここは「食い逃げご免」という、でか盛のカレーを20分で完食すれば無料になるチャレンジメニューがあったはず。
たまブラには外せないお店、と近づくとなんと、お盆休みで店内清掃中だった。
しかも「チャレンジメニューはもう10年前くらいにやめてしまったんです」とのこと。
だが休業日にもかかわらず、お話を聞かせていただけることに。
当時のメニューを見せてもらった。懐かしい!
「食い逃げご免」は1.3kgのライスを土手のように盛り、700gのプールのようなカレーを中央に埋めたインパクトのある見た目だったのだが、総量2kgのカレーを完食するチャレンジメニューは失敗する人も多く、「残してしまってもったいない」「食べ物を大事にしたい」という考えで、現在行っていないそうだ。
写真がないとのことなので思い出して描いてみた。現在、大盛りメニューには「宇宙盛」などがある
「食い逃げご免」成功者は壁にポラロイド写真が貼られていて、知り合いの顔を見つけて話題にしたものだった。特に、友人の女の子は見た目から想像がつかないフードファイターで、お金がない時は無料を狙って何度かチャレンジしていた。本当は一度成功したらもうチャレンジはできないのだが、彼女は他の人に注文させてこっそり食べていた。
創業当時からお店に立つ加賀さんが、かつて店内に貼られていた「食い逃げご免」成功者たちの写真を見せてくれた。
ポラロイドはアルバム3冊ぶんあった。筆者と写っているのが加賀さん
ちなみに友人のポラも残っていた
実は彼女が何度も挑戦していたことがバレていたという事実が発覚。
「女性で成功したのは2人しかいないからよく覚えてるのよ」と加賀さん。黙認だったらしい。
当時の気分で注文のフリ(※現在のメニューとは異なります。加賀さんも制服ではありません)
お金がない時は400円のポークカレーがどんなにありがたかったことか。
学生時代と変わらない「インとな」の雰囲気に、駅で打ちのめされた気持ちもやや復活。再訪を誓ってたまブラを続行する。
あ! このお好み焼き屋もよく行ってた!
だが、ここ「子ぐま」もお盆休み中だった…
町の移り変わりに詳しそうな不動産屋も
商店会の会長さんだよと紹介された靴店もお盆休み