最下位ながら約10万票獲得の照屋氏

4月10日、神奈川県知事・県議会議員選挙が行われた。
得票数1,728,862票で黒岩氏が知事に当選したのは皆さんご存知だろう。
　

4氏で争われた神奈川県知事選挙の結果

さて、注目すべきは得票数4位の照屋修(てるや・おさむ)氏である。

一般に、選挙に出馬する時は自分の経歴・実績を示して意欲や政策等を選挙民にアピールするものだ。しかし照屋氏は経歴不明・知名度ゼロ。選挙事務所もなくポスターすら貼らず政見放送にも出ない。もちろん街中を遊説することもなかった。まるで「選挙活動を放棄した」としか思えない。
　

選挙ポスターすら作成されていないので、
投票用紙を見て初めて照屋氏を知った方も多いのでは？

　
ところが選挙の結果、なんと照屋氏は99,751票も獲得したのだ。
いったい照屋氏とは何者なのか？　我々は調査を開始した。
　

照屋 修 氏(58)　貴重な顔写真

地元町議選でダントツ最下位の「実績」？

とはいうものの、この照屋氏に関してはあまりにも情報が乏しい。我々が入手できたのは神奈川県公報に記載された「現住所は沖縄県嘉手納町、職業は不動産業（研究）」という情報だけ。やむを得ず嘉手納町役場に問い合せてみると、「個人情報は提供できないが、それ以前に役場の誰も照屋修という人を本当に知らない」という返事だった。嘉手納町は世帯数5,345の小さな町である。ちょっとでも地元で目立つ人なら誰かが知っているはずなのだが……。

その後もあちこちに問い合わせ、インターネットも思いつく限りのキーワードで検索してみたが何の手がかりも得られない。唯一発見できたのは2010年9月に行われた沖縄県南風原（はえばる）町の町議選に照屋氏が立候補していたということだけだった。
　

南風原町議選の選挙ポスター。証明写真のような素っ気ない写真が素敵だ

ちなみにこの選挙は定数16に対し立候補者18だった。
18人中2名しか落選しない選挙で、照屋氏はみごとに最下位落選している。投票数13499に対し得票数はわずか47だった。
　

昨年9月の南風原町議選の結果。「照屋オサム」で出馬したようだ

地元の町議選ですらダントツ最下位の人物が、神奈川県知事選に出馬するという意味がわからない。
念のため南風原町役場にも電話をしてみたのだが、答えは嘉手納町役場と同じだった。