日本で唯一!真球のキログラム原器を製造する岡本光学加工所に潜入
ココがキニナル!
横浜にこんなすごい会社があった! 第3回は官公庁でオーダーされた真球のキログラム原器を日本で唯一製造している会社、有限会社岡本光学加工所をご紹介!
ライター:吉田 忍
世界一や日本一、日本でここだけという企業が横浜にもたくさんある。世界に名だたる有名企業もあれば、知る人ぞ知るという会社もある。
そんな企業を訪ねて、一番やここだけの製品や技術を紹介するシリーズ。「横浜のすごい会社」第3回は、優れた技術と技能で最先端分野に貢献する会社をご紹介。
真球のキログラム原器を日本で唯一製造
横浜市磯子区に本社がある有限会社岡本光学加工所(資本金4500万円、従業員数66名)。官公庁でオーダーされた「真球のキログラム原器」を日本で唯一製造している会社だ。「真球のキログラム原器」とは、質量が1キログラムの球体。
官公庁の注文に応えられるほどの正確な真球原器。それは“世界で一番丸いモノ”とも言える。「世界で一番丸いモノを見られる」と、ワクワクしながら岡本光学加工所に向かった。
岡本光学加工所は磯子区にある。地図で下調べをしたら、八幡神社の隣。分かりやすいなと思って訪ねたのだが、表から見える看板がない・・・。
不安を感じながら、おそるおそる建物の隙間を入ってみると
ここで正解だった
技術を売る会社は、看板は後回しという鷹揚(おうよう)な考えのようだ。
「そういえば、改築してから看板はまだ付けてなかったねえ」という岡本社長
さっそく、真球原器について伺った。
真球原器
重さの基準は、10センチ×10センチ×10センチの体積(1リットル)で摂氏4度の純水の重さが1キログラムと決められている。そして、その重さ(物理量)の1キログラムを指定する標準器を「キログラム原器」という。
ここで作られている球体もキログラム原器のひとつだが、なぜ球体なのかというと、原器自体にかかる気圧と重力を均等に受けることと、重さが1点に集中することが理由になっているそう。
究極の精度が求められるもので、世界でも2~3社しか作れないという。
本当は、ケースから出せないほどに厳密なものなのだが、特別に開けて見せていただいた。
真球キログラム原器。これが世界で一番丸いモノだ!
真横からも見てみる
銀色に光っていて、金属のように見えるが、シリコンでできているという。究極の精度で磨き上げるとこのようになるのだ。
どのように作るのだろう? 工場を見せていただいた。
材料は円筒型のシリコン