横浜線で女性が死亡する人身事故が発生。その詳細は?
ココがキニナル!
10月1日にJR横浜線中山駅近くの「川和踏切」で発生した人身事故。現場の様子を目撃者の証言を交えて報告。
ライター:はまれぽ編集部
男性を助けようと・・・
10月1日、JR横浜線中山駅から南に約140メートルの「川和(かわわ)踏切」内でうずくまっていた男性を助けようとして線路に飛び込んだ女性が、列車にはねられた。女性は列車の下敷きになり、約1時間後に救出されたが、全身を強く打つなどしており、死亡が確認された。男性はけがをしているものの、命に別条はない模様。
事故があった川和踏切
JR東日本横浜支社広報によると、死亡したのは市内の40代女性。男性は60~70代とみられる。
悲劇は午前11時28分ごろ起きた。
踏切の前で停車していた乗用車に乗っていた女性が、線路内に人がうずくまっているのを発見。緊急停止ボタンを押して線路に入ったところに、午前11時11分発の東神奈川~橋本行き下り列車が接近。運転士は踏切に差しかかる手前で人影に気付き、急ブレーキをかけたが、間に合わなかった。
現場は緩い左カーブ。同社によると、このカーブに差しかかるときの平均時速は約85km。急ブレーキをかけたとしても停車まで250メートルほど要するという。
川和踏切を通過する横浜線の下り列車
事故の影響で同線の上下線10本が運休したほか、14本に最大で1時間12分の遅れが生じ、約1万4000人の足に影響があった。なお、乗客600人にけがはなかった。
気の毒で言葉がない・・・
「気の毒で仕方ない。自分が同じ立場なら彼女のような行動を取れただろうか・・・」。踏切の目の前にある文房具店の女性は、勇気ある女性の行動と引き換えに失った大きな代償に言葉を詰まらせた。
駅のホームよりずいぶん手前に電車が止まり、警笛が鳴り続けていることを不思議に思って店舗の外を眺めたところ、事故に気付いたそう。
救出作業の一部始終を見届け、「自分が見たことを正確に伝え、事故原因の究明に役立てて、二度とこういったことを起こさないでくれれば」という思いから詳細に現場の様子を語ってくれたのだという。
二度と悲劇を繰り返さないように、と詳細を語ってくれた女性
文具店の近くで建具店を営む夫婦は「下り列車はいつもスピードが出ている感じがする。カーブの手前に住宅もあるため、見えにくいのではないか。うずくまっていた場所がこっち(上り車線)なら、駅から出て間もなくスピードも出ていないから助かったかもしれない」と話した。
現場の見取り図
また、午前中の事故発生にもかかわらず、夕方ごろには女性を偲ぶ花束が多く供えられていた。献花者は一様に目に涙を浮かべながら深い祈りをささげていた。
女性の死を悼む花束
取材を終えて
まずは亡くなった女性にお悔やみ申し上げたい。
取材中にも何人かが口にしたが「自分だったら同じ行動ができるか?」という疑問。その場に居合わせたとしたら無我夢中になって飛び込むかもしれないという意見が多かったが、いざ現実にそういう状況に直面したら、筆者は「できない」気がする。
失った命が戻ることはない。しかし、女性の勇気ある行動には最大限の敬意が評されるべきであり、この尊い犠牲を繰り返さないためにも、関係者は徹底的に事故原因を究明してほしい。
―終わり―
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tamizoさん
2013年10月19日 10時27分
無償の愛を見た気がします。今の自分がはずかしいです。そしてこの訃報に接し、浮世が浄められんことを祈ります。合掌
ポスポスさん
2013年10月06日 21時15分
本当におどろきました。言葉もありません。ただただご冥福をお祈りするとともに、もうマスコミの方々の取材もおしまいにしていただきたいです。
さとるさん
2013年10月06日 03時05分
今回このような事で命を落とされた村田さんに心からご冥福祈らずにはいられません、そして村田さんから教えられた事、村田さんは困っている人がいると率先して手助けをされるような優しい方だったようですね、村田さんのように自分の命を犠牲にしてまで人を助ける事は自分には出来ないかもしれません、でも重い荷物をかかえて大変そうなご高齢の方に手を貸してあげたり、道に迷っている人に道を教えてあげたり、そんな日常の光景でよくある困っている人に率先して手助けが出来たら、そんな気持ちを村田さんから教わりました。村田さんありがとうございました。