今年で提携40周年、横浜の友好都市「上海」との関係ってどんな感じ?
ココがキニナル!
2013年は中国の上海市との友好都市提携40周年。横浜での記念行事予定は?文化交流や民間交流活動も。上海まで行き、友好都市提携の行事予定、市民の意識を調べてほしい(NAKAKITAさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
港町という共通点を持つ横浜市と上海市。講演会や映画祭を自治体・市民レベルで実現。上海の障がい者を招く交流イベント「ベーカリーチャイナ」も開催
ライター:ムカイカツヲ
幕末から明治維新にかけて、諸外国から訪れる人々の海の玄関として国際都市へと発展していった横浜。特に当時は珍しかった西洋人が多く居留していたこともあり、横浜は、日本に居ながらにして「外国」を体感することのできる貴重な街だったと思う。
しかし、さらに歴史をさかのぼって日本と最も関わりの深い「外国」はどこかと考えてみると、それは中国だろう。漢字を始めとして、今の日本人の生活・文化には、その影響が目に見える形で根付いている。
高層ビルが立ち並ぶ夜景の美しい上海(フリー素材より)
今年、2013(平成25)年は、その中国最大の経済都市・上海市と横浜市とが友好都市提携を結んで40年にあたる。国レベルで考えると決して良好とは言えない昨今の関係がありながら、両市の間でどのような交流イベントがあったのか。調べてみた。
提携の経緯
横浜市役所でお話を伺った
両市の提携関係についてお話を伺うために横浜市政策局を訪れ、国際政策室の三枝さん・関谷さんにお話を伺った。
国際政策室の三枝さん(右)と関谷さんは、上海を含む提携都市・姉妹都市などを担当
横浜市と上海市の友好都市提携関係は、1972(昭和47)年の日中国交正常化の後、自治体レベルでの友好関係を深めようということで始まったものだ。なんと国交正常化の翌年、1973(昭和48)年には、横浜上海友好都市提携宣言がなされた。(なお、現時点で世界中の74都市と友好提携関係を結んでいる上海市にとって、横浜市が一番目の友好都市だそう)。
そもそも、かつて両市の間には定期航路も存在し、国際貿易港を有する港町同士としても繋がりが深かったのだ。ちなみに、横浜“港”と上海“港”とは友好港でもあり、こちらも今年が30周年にあたる。
経済的な結びつき
横浜市は、中国に進出したいと考えている横浜の企業をサポートし、また横浜市において事業展開を目指す中国企業の窓口として機能する、上海事務所を持っている。
近未来都市の顔を見せる上海(横浜市HPより)
このような海外拠点を地方自治体である横浜市が設けたのには、横浜の経済界からの要請が強かった、という事情がある。ご存じの通り、中国に在るのは自由経済ではなく、「国家」主導の計画経済。事業の開始にあたっての手続きも煩雑で、大きな夢を持った横浜の企業が中国への事業進出を考えても、ハードルは決して低くない。そのような事情がありながら、上海近辺だけでも100を超える横浜の企業が中国進出を果たしているのには、このような横浜市によるサポートがあったからだとも言えるだろう。
なお同事務所では、中国国内における横浜市のPR活動なども行っているが、観光地としての横浜を中国人にアピールすることは思ったよりも難しいそうだ。成田から東京に入った外国人観光客の足は、そのまま箱根や京都へと向かうことが多いのだ。この点では、鎌倉なども含めた横浜市への観光動線作りが求められているかもしれない。
ちなみに、上海事務所に常駐している横浜市の職員の方はお一人だけ、しかも活動範囲は中国全土だそう。お疲れ様です・・・。