新横浜のコンビニ脇にポツンとある「蛇骨神社」の歴史に迫る!
ココがキニナル!
新横浜のファミリーマート脇にポツンとある小さな神社。蛇骨神社と言うらしいが掲示板に由来や拝殿の新築が云々書かれている。この神社の由来や今後について調べてほしい(mirrorさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
一度はなくなった神社だが、地元有志によって13年前に再建された神社。由来は諸説あるがヘビを葬った塚に建てられた神社との説が最も説得力がある
ライター:田中 大輔
考えてみれば、ヘビというのはつくづく不思議な生き物だ。
脚がなくウニョウニョと這い回る姿を不気味に思う人は多い。聖書などではヘビは悪者だ。でも、ヘビを神様やその遣いとする文化も日本にはあるし、ツタンカーメンのマスクにもあるように権力の象徴としても見られる。脱皮を繰り返す生き様は再生や永遠を感じさせ、世界保健機関(WHO)のシンボルにもヘビが描かれている。
よく言えば神秘的。悪く言えば気味が悪い。そんな不思議な動物にまつわる神社が、新横浜にもあるのだ。
ヘビの骨を名乗る小さな神社
新横浜駅の篠原口から新幹線の高架に沿うように10分ほど歩いたところにあるのが「蛇骨(じゃこつ)神社」だ。
背の高いビルに囲まれて、その神社は建てられている
コンビニの駐車場にポツリと建てられていて、お社というよりは祠といった趣の小さな小さな神社。白と赤、2つの鳥居があり、祠の柱にはヘビの意匠が施されている。
お社は小さいが、凝った造りになっている
ほかにもヘビを象(かたど)った置物などもあり、その名の通りヘビと関わりの深い神社のように思える。ただ、神社の名前は「ヘビの神社」ではなく「ヘビの骨の神社」だから、謎は深まるばかり。
この鉢がお賽銭箱の代わりになっている
いろいろと調べた結果、この辺りの自治会に詳しい方がいるとの情報を聞くことができたので、さっそく取材をお願いした。
一本杉の足元に
ご本人の希望によりお名前は伏せるが、話を聞かせてくれたTさんは地元に長く住む70代の男性で、蛇骨神社の管理をしているという人物だ。
正面から。いったいどんな歴史を刻んできたお社なのか
この神社、実はかなり古いもののようで文化・文政(1804年~1830年ごろ)期に編纂された『新編武蔵風土記稿』の中にも登場する。
Tさんは「誰もが知っている神様が祀られた由緒ある神社というよりも、自然発生的に始まったものだろう」と話す。
もともと、この神社は今よりも数十メートルほど新幹線の高架側にあったそうだ。
そこには土の盛られた塚があり大きな大きな杉の木が立っていた、とTさんは話す。その杉のたもとに建てられた祠が蛇骨神社だったのだそうだ。
地域の方が描いたかつての一本杉。左奥の建物は大倉山記念館だそうだ
その杉はあまりにも大きく、戦争中に敵機の目印になりかねないとして軍により切り倒されてしまう。戦後のTさんが若いころは、塚の上に切り株だけが残されていて祠もなくなってしまっていたという。
しかも、新幹線を通すときの整地で塚も埋められてしまい、その時点で少なくとも江戸時代から続いていた蛇骨神社の痕跡は一旦完全に消されてしまったということになる。