横浜・川崎の、訳アリお買い得物件はどんなものがあるの?売買一戸建て編
ココがキニナル!
TVの企画で、不動産屋さんを取材して訳アリ物件や格安物件などを紹介するものがありますが、横浜・川崎などの取材エリア内にはどのようなものがあるのかキニナル。(NAKAKITAさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜・川崎にも、相場の200万円~1000万円程度お買い得になっている訳アリ物件が多数あった。ただし、どの条件を優先すべきかでお得感は変わる。
ライター:山口 愛愛
川崎、港北方面のお買い得物件を調査
確かに「格安物件」と聞くだけで、大いに興味を引かれる。格安の訳もキニナルところだ。横浜・川崎にはどんな格安物件があるのか探ってみよう。
ここは不動産のプロの手をお借りする。
取扱物件の多さや、経営年数の長さなどから、複数の不動産業者をピックアップ。今回の企画について説明して取材協力をお願いした。
「おもしろそうな企画ですね」と取材内容についてご承諾いただけたのは、中区尾上町に本社を構えるリスト・サザビーズ・インターナショナル・リアルティさん。
横浜駅東口に構える。横浜、湘南、東京エリアはお任せ
物件巡りを案内してくれるのは、横浜支店課長の雨宮豊さん。
群馬県出身の雨宮さんは、高校時代に地元から友人4人自転車で横浜を訪れた際、ひと目見たランドマークタワーに感激し、憧れの横浜へ移住を決意したそう。ちなみに、現在は都筑区在住。
雨宮課長。「お客様にとっての最良物件をご提案させていただきます!」
宅地建物取引主任者のプロの目と、自身の横浜での物件探しの経験を生かした、おすすめの「格安物件」を巡ってみよう。
今回は、立地などの特別な条件で訳アリが多く、賃貸よりも売買価格が高いために大幅値引きが期待できる新築一戸建てを紹介してもらうことに。その驚きの価格とその理由に迫っていく。
「訳アリ物件」の正式な定義はないが、例えば、物件の前の道路が、建築基準法において条件付の道路であったり、前住人が住居内で死亡してしまった理由により、想定の金額より値引きされている物件を指している。
家の前が「条件付き道路」だから格安
まずは川崎市麻生区へ移動。
さっそく1軒目の物件へ。小田急小田原線柿生駅からバスで13分、「下麻生」バス停より徒歩3分の物件。
(物件情報・ポイント)
新築2階建て。3LDK。土地面積約93平方メートル。建物面積約82平方メートル。 スーパーマーケットまで徒歩1分。小学校まで徒歩3分。
間取り図
物件の前には「新築売家」の幟(のぼり)がはためいている。外観については後ほどお伝えするので、まず中へ潜入。
玄関から続く廊下の奥にドアがあり、左手にキッチンと16.3帖のリビングが広がる。
廊下は、明るいリビングに続く
広いリビングの横から2階へ
2階は5.7、6.2、6.7帖の洋室が3部屋。収納もしっかり
「キッチンと対面式の広いリビングがウリですが、流しの蛇口が浄水器機付きで、伸びるシャワー型になっていたりと細かい機能もついているのも喜ばれますね」と雨宮さん。
便利な蛇口。上下に収納もあり、使いやすいキッチン
新築2階建てで、収納や機能も充実。静かな住宅地だが、道路のすぐ向かいにスーパーがあり、生活しやすそうだ。
ずばり、お値段は2580万円。同じ条件での周辺の相場は3000万円くらいとのこと。
なぜ格安かというと、この土地の入口が両隣の敷地に挟まれていて細く、いわゆる「旗竿地(はたざおち)」になっているからなのだとか。
細い入口を抜け、奥に建物がある
この部分がカースペース
LPガスという点も割安の理由のひとつだそう。「気にならなければお買い得」
そして格安の最大の理由は家の前の道路にあった。
道幅が2.7メートルの細さ。車1台通るのがやっと
建築基準法では、建物の敷地は幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接している必要があるそうだが、この家の前の道路の幅は2.7メートル。「建築基準法43条1項ただし書き道路」にあたり、このような条件付きの道路の場合、建物の増築や再建築ができる保障がないなどの制約があり、安くなっていることが多いそう。
家の前の道路と入口の狭さが気にならない人や、増築や再建築を考えてないという人にはお買い得というわけだ。
「真横に線路がある」から格安
続いて2軒目へ移動。
緑区台村町の新築2階建て。JR横浜線・横浜市営地下鉄グリーンライン中山駅より、なんと徒歩2分の好立地。しかし、この立地に格安の理由があった。
奥行きのある細長い建物はイタリアにも合いそうな雰囲気
(物件情報)
4LDK。土地面積約112平方メートル。建物面積約100平方メートル。
ウォシュレット、リビングダウンライト、浴室15インチテレビなどの多彩な設備付き。
間取り図も細長い
こちらはリビングが2階にあるタイプ。階段を上がりドアを開けると、すでにハイセンスな住人がいるような充実した設備に驚く。
テーブルセットやダウンライトを完備
1階には洋室が3部屋
2階のキッチンの横にも6.8帖の洋室がある
駅から徒歩2分の立地で、お洒落な生活が満喫できるイメージが浮かぶ。
キニナルお値段は、3980万円。
まわりの相場は5000万円程度で1000万円程度のお買い得物件だ。
さて、その格安の理由は取材しているときから、わかったのであった。なんと、この家は電車の線路の真横にあるのだ。
2階の窓から撮影した横浜線はこの近さ
線路に平行するかのように建っている
取材中に電車が通るとかすかな振動を感じる。騒音は「うるさい」と思うほどでもなく、慣れてしまえば生活に差し障りがないように思えた。
「音の感じ方は人それぞれですし、終電後は電車が走りませんから夜間が静かなら大丈夫という人にはとてもお買い得ですね。騒音など、現地に行ってみないとわからないことがあるので、時間帯や曜日を変えて見学することもポイントですね」と雨宮さん。
防音対策で二重サッシになっていた
湿気防止効果がありデザイン性も高い特殊な壁だそう