中華街の手相占いは、どこの店も同じ結果が出るって本当?
ココがキニナル!
中華街には手相占いの店が多くありますが、どこの店で鑑定しても同じことを言われるのでしょうか。また、実質、どのくらいの業者があるのでしょうか。手相以外の占いもキニナル。(恋はタマネギさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
中華街には約50の占い店がある。手相占いの基本は同じで性格などは5軒でほぼ一致。ほかの占いや、占い師自身の経験などを元にした助言は、人による
ライター:山口 愛愛
中華街には、実力個性派の占い師がそろう
当たるも八卦、当たらぬも八卦。占いの中でも体の一部を見て診断する手相占いは、現状や本質的なものがわかるなどといわれる。
諸説あるが、手相占いは4000年ほど前からインドで始まり、その後、中国やエジプトで広まった。日本には中国から、平安時代に易学とともに伝わったといわれる。中国から伝来したこともあり、さらに風水学に基づいて造られた中華街での手相占いは信頼が厚いようだ。
生命線、運命線、頭脳線、感情線などを読んで鑑定(※クリックして拡大)
中華街発展会協同組合に問い合わせたところ、占いの店として発展会に加入しているのは10店舗ほどだが、ここ2~3年で、加入していない店も含め、手相占いは増え続けているようとのこと。中華街の店舗や看板、ネット検索で確認した限り、50店舗以上はあるようだ。
今回は、老舗人気チェーン店から、新店、ネット口コミなどで評判が広がった個人店まで5店舗で検証してみる。
中華街で多数見かける占いの看板
ちなみに、このキニナル調査担当に筆者が選ばれたのは「たいていの人は、5店舗であれやこれや言われたら気にしちゃうから・・・」。占いをどっぷり信じている人よりも、周囲の人に何を言われても、どう思われてもあまり気に留めない筆者なら客観視して調査できるのでは、という見解。どんな鑑定結果が待っているのか、いざ、中華街へ。
人気スポット横浜大世界の中にも占いが
まずは調査する5店舗の特徴と、鑑定していただく先生を紹介しよう。
(1)鳳占(ほううらない)やかた 市場通り店
入りやすい雰囲気
中華街に6店舗、新宿に2店舗を構える。開業は1995(平成7)年で、昨今増えているという中華街の占い店の中では古株の店だ。占い師は約60人を擁し、中華街では年間20万人も鑑定している実績豊富な店。占い師を育成する「みかど学院」を運営している。
みかど学院の院長、伊藤行斎(ぎょうさい)先生は、定年までファッション販売の大手企業に勤め、人事部として、採用の見極めや若手社員の相談に乗っていた。1対1の対面でコミュニケーションを取りながら、問題を解決してきた経験も生きているという。手相占いは、10分程度で1000円。今回取材した店舗5店は、ほぼこの価格設定だが、これも同店から広まっていったそうだ。
先生のそのほかの鑑定は、相性占い、算命学など。
占い師の人格が大切と伊藤先生
「中華街で一番古いと思います」と、鳳占やかた総務部長の居城(いしろ)さん
ちょこっと楽しめるおみくじも
(2)福運閣
元々は開運グッズ販売店の福運閣
場所は関帝廟通りの天長門の近く。中国の工芸品や風水開運グッズを扱う店舗で、運気上昇に関連する占いを今年から取り入れた。中華街の占い店としては新しく、発展会には入っていない。
坂元紫峰(しほう)先生は、かつて事業に失敗し職を探しているときに、広告で高島易断(明治時代に活躍した占い師、高島呑象〈どんしょう〉が始めた易学のこと)を知ったそう。
1日8時間の研修を3ヶ月積んだ後、見習いとして全国をまわり、その後一人立ちした。中華街での占い師の経験は10年あるが、時間や相談とともに料金が徐々に上がっていくシステムを取り入れた店より、じっくりとお客さんの身になって鑑定したいという思いから福運閣へ。東京・自由ヶ丘でも鑑定をしている。
先生のそのほかの鑑定は、九星気学、周易活断など。
易学鑑定でも知られる坂元先生は、若かりしころは編集の仕事も
1回10分程度980円、サービスタイムは500円でもしっかり鑑定
(3)華陽園(かようえん)
中華街大通り沿いの角の店はにぎわう
中華街大通りに面する有名店。老舗のお土産屋さんだったが、類似店が増え運営が厳しくなったこともあり、コストのかからない新しいサービスをと5年前に占い店としてリニューアル。
雑誌の開運ナビゲーターとして活躍している、仁☆晴雲(じんせいうん)先生をはじめ、先生を指名して鑑定に遠方から訪れるリピーターも多い。英語、中国語、韓国語が堪能な占い師も多数。料金は、10分程度で1000円。
先生のそのほかの鑑定は、人相、九星気学、四柱推命、タロットなど。
奥様は占い師ライターの仁先生
「お客さんの意見も取り入れ、店作りしています」と運営担当の小川さん
(4)占い処 愛梨(アイリー)
「カモメ市場館」の2階が占いフロアになっている
チャイナドレスやアオザイを扱う「カモメ市場館」の1号店から、口コミでお客さんが広がり、2010(平成22)年にオープンしてから4年間で中華街に4店舗に拡大。1号店は1階のオープンスペース、2階の個室のほか、カフェラウンジでグループ占いも可能。
ジュエリー先生は、テレビ番組のレギュラーとして、お笑い芸人のサンドウィッチマンと占い鑑定をしていたことで知られ、芸能人の鑑定経験も豊富。料金は10分程度で1000円。
先生のそのほかの鑑定は、人相、算命学、タロット、方位、姓名判断、相性など。
「占い師の資質があったとしても勉強して土台をつくらないとダメ」とジュエリー先生
一般利用もできる2階のカフェは緑溢れる癒し空間
カフェの奥に個室の占いブース
(5)幸せ占い えがおの神様
横浜大世界の2階が占いコーナー。その中に手相占いのえがおの神様がある
横浜大世界の中にブースを構える、河野順子先生が営む個人店。発展会に入っているのは珍しいとのこと。亡くなられたご主人は、日本人初、北極点に単独徒歩で到達した河野兵市(ひょういち)氏。ご主人の死をきっかけに運命や占いに、より興味を持ち、人を笑顔に導きたいとの思いで鑑定。認定臨床心理カウンセラー、臨床心理療法士の資格も生かし、カルチャー教室での講師も務める。著書に『自分がわかる手相術』などがある。料金は、こちらも10分程度で1000円。
先生のそのほかの鑑定は、しあわせ占い(手相+生年月日)、タロットなど。
本名を名乗ることも大事にしていますと河野先生
著書や講義を通して手相術を教えている
では、それぞれのお店での鑑定の様子をご紹介。