何か社会の役に立つ記事が書きたい、と最近強く思っている。編集部・山岸に話したところ、東神奈川の「できずの歩道橋」の調査を依頼された。

実はここ、2012（平成24）年10月のはまれぽの記事「国道15号沿い神奈川新町付近のガードレールは、なぜ車線を潰すように設置された！？」で取材をし、仮設ガードレール設置の理由を調査。「バリアフリー対応の歩道橋へ架け替え工事中」という昭和40年代に作られた神奈川二丁目にある歩道橋の状況をお伝えした。
　

ここ。JR東神奈川駅から高架をくぐり、徒歩5分ほど。国道15号にある歩道橋
　

このあたり

あれから2年、現在はどんな様子なのだろうか。よし、改めて気を引き締めてがんばる。



放置された歩道橋

歩道橋の管理は市ではなく国がしているため、取材先はなんと国土交通省。いきなり「省」って・・・不安を抱えつつ国土交通省関東地方整備局横浜国道事務所へ。
　

横浜市営地下鉄三ツ沢上町駅から徒歩10分ほど
　

迷わず来られました

スタートは好調なんじゃないでしょうか。がしかし、この後まさかの建物内で迷うという大失態。ご親切な職員の方に助けられた。ありがとうございました。
　

交通対策課のと山田さん（右）と吉崎さん

今回取材にご協力くださる山田さんと吉崎さん。お二人ともお忙しいのに、お時間を作ってくださった。ありがとうございます。

まずは工事開始から現在までの流れについてお伺いした。神奈川二丁目交差点にある歩道橋の工事が始まったのは2012（平成24）年。歩道橋工事はあらかじめ輸送できる大きさのパーツを工場で作ってから組み立てるため、実際現場に入ったのは翌年の2013（平成25）年。
　

現在の神奈川二丁目交差点の様子。交通量が激多い

神奈川二丁目の工事の手順は、まず旧歩道橋の隣に新歩道橋のデッキを作り、当初の目的である「バリアフリーの階段」を作り、次にもう片方の階段を作る。その次に旧歩道橋を撤去してから最後にエレベーターを2基設置して終了。工事が滞りなく進んだら4年で完成していた。費用は現時点で国から約１億6000万円出ている。
　　

以前はまれぽでも掲載させていただいた完成図。実際の完成の際は若干変更するそう

工事は2014（平成26）年度4月ごろから止まっているという。柱と、舗装されていない通路とバリアフリー階段、そしてもう片方の階段が未完成のまま約7ヶ月放置されている状態。一年弱は手つかずのまま。

なんだかいろいろな事情があるようで、聞きにくいけども・・・何故工事が止まってるんでしょうか？　山田さん、「次の工事を発注し、手を挙げる業者さんがいませんでしたが、施工手順・工程等の検討をし、現在は高欄・通路部の舗装工事着手に向けて検討をしています。」と答えてくださった。

この歩道橋の工事は、1年単位の予算で発注する。業者はその都度「一般競争入札」で決めるのだが、その時に手を挙げる業者が全くいなかったそう。このようなことを山田さんたちは「不調」と呼ぶ。そ、そんなことってあるんですね・・・

では「不調」になった理由は何故か？　山田さんが考える理由は、「こちらでは理由はわかりません」とのこと。この辺は交通量も多いし、足場を作ったり落下防止のネット作ったり、業者さんも大変そう。でもここまでやったんだから、どうにかしないと困るなあ。
　　

見せていただいた図面。赤い部分が新しい歩道橋の設計図

こうなる予定（提供：横浜国道事務所神奈川出張所<2012>）

そもそも、こちらの歩道橋架け替え工事をしているのは、車椅子や自転車が通れるバリアフリーの歩道橋にするため。階段を緩やかにして自転車が通れる通路を作り、エレベーターを2基設置する予定。

横断歩道ではとても危険なこの場所に、一刻も早く通りやすい歩道橋ができるのを待ち望んでいる方が多いのではないか。

この先の工事予定を聞いてみると「はっきりは言えないのですが、年内には高欄（てすり）と舗装をなんとかしようと思っています。その後1～2年の間には現在階段がついていないところに仮設の階段を設置したいです」とおっしゃっていた。

いつ完成なのかは、今の段階ではなんとも言えない、との返答だった。
　

横浜国道事務所さんは神奈川県内の国道の管理をしてらっしゃる　

工事が止まっていた期間は、既存の工事方法でどうにかならないか、などを模索されていたらしい。工事に関して、自治会長さんから工事の進捗についての問い合わせはあるが、周辺住民からのクレームはほとんどないとのこと。

また、安全面について伺うと、支柱部分ができあがっているので、崩れ落ちる可能性もないという。「工事中の歩道橋に侵入する人はいないのか？」という質問については「仮囲いをして立ち入れないようになっていますので、未だ聞いたことがありません」という返答。

「近隣の皆様にはご迷惑をおかけしているので、私たちもなるべく早く完成させたいです」と山田さん。神奈川二丁目は特定の箇所に集中して交通事故が発生しているという「事故危険箇所」として認識されているようで、歩道橋の早期完成を願います。
　

看板と記念撮影。何故か異常に照れるザキヤマ。自分が分からない