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ズーラシアに2頭のキリンが仲間入り! 来春には「アフリカのサバンナ」も全面開園!

ココがキニナル!

2015年春に「アフリカのサバンナ」が全面開園を迎えるズーラシアにやってきた2頭のキリン「エマ」と「カルメン」。引っ越し作業の様子をレポート!(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

大きなトラブルもなく、キリンはスムーズに来園! 今後は来年春の展示開始に向けて、少しずつ環境に慣らしていく

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ライター:田中 大輔

2015年春の全面開園に向けて着々と準備の進むズーラシア。現在、整備中の「アフリカのサバンナ」が出来上がると、1999(平成11)年の開園以来、ついにすべてのゾーンが完成となり、53haを超える日本最大級の動物園となる。

その「アフリカのサバンナ」に造られた真新しい獣舎では、多摩動物公園から引っ越してきたチーターの「アスナロ」や、広島市安佐動物公園から来たライオンの「ソラ」など、来春からお客さんを楽しませてくれる仲間たちがすでに生活を始めている。

そんなズーラシアに昨日(6日)、新たな動物がやってきた。
 


ようこそ横浜へ!

 
全面開園を前にズーラシアに来園したのは、2頭のキリン。アメリカはテキサス州のグラディス・ポーター動物園からはるばる海を越えてやってきた「エマ」と「カルメン」だ。
ともにメスで、エマが2012(平成24)年7月1日生まれ、カルメンは2013(平成25)年12月1日生まれと、2頭ともまだまだ子ども。
 


こちらは野毛山動物園の「そら」。彼よりも若いズーラシアの2頭

 
10月21日(火)に成田空港に飛行機で降り立ち、磯子区の動物検疫所で検疫を受けていた2頭。
ズーラシアにキリンが来るのは初めてで、「アフリカのサバンナ」オープンに合わせてやってきた。
日本国内でのキリン飼育頭数は1998(平成10)年をピークに減少しているそうで、新しい血統である彼女たちには、国内での繁殖への貢献が期待されている。



空飛ぶキリン!?



キリンたちのお引っ越しは、輸送箱に入った彼女たちをトラックで運ぶところからスタート。当初は午後の到着予定だったが、予定よりも早い昼前の到着となった。しかし、2頭とも落ち着いた様子。

エマとカルメンを載せたトラックはキリン舎の前につけられ、今度はクレーンを使って輸送箱を車から降ろしていく。
 


 

輸送箱がトラックで運び込まれ、ワイヤーでがっちり固定していく

 
子どもとは言え、身長は2.8メートル近くあり、体重も約300kg。ちょっとしたミスが命取りになるこの作業には、20人近くの人が当たったそうだ。

通常、新しい動物を迎え入れる際は、担当飼育員にサポートが2~3人付くくらいだと言うから、いかに大がかりなものだったかが分かる。直接作業に携わる人以外にも、多くの職員や報道陣がキリン舎前に集まり、まさに一大イベントといった感じ。
 


空飛ぶキリン。暴れることもなく、すんなりと空中へ

 
同園事業推進係の須田さんによれば、心配していたのは「重機の大きな音や吊り上げたときの振動に驚いてしまわないか」ということ。ただでさえ故郷から遠く離れたところへ連れてこられた2頭。神経質な面もある動物だそうだから、見守る側も気が気ではないといった様子。
 


多くの人が作業を見守った。カメラの後ろにも人がいっぱい

 
ところが、人間たちの不安をよそに2頭ともへっちゃら。

子どもであることも幸いしたのか、驚く様子もなく、カルメンにいたっては輸送箱を吊るすワイヤーが気に入ったようで、箱のすき間からなんとかワイヤーを舐められないかと四苦八苦していたほどの余裕だった。
 


無事に着陸。箱のすき間からわずかに網目模様も見える

 
輸送箱を開けて獣舎に入るシーンでは、万が一の場合を考慮して取材陣は一旦外へ。2頭が新しい環境でひとまず落ち着くのを待って、改めてその姿を見せてもらうことになった。


いよいよ可愛らしい2頭のキリンちゃんがお目見え!・・・キニナル続きは次ページ≫
 

 

新しい家、新しい暮らし



遠くテキサスから横浜にやってきた彼女たちの新しい家。
そこは2頭にとっては快適な場所でないとならない。ここが落ち着ける場所にならないと、いずれ展示場に出たときに帰ってきたがらなくなってしまうからだ。
 


ここがキリン舎。広々としたスペースで快適そう

 
来日から今日までの2週間以上、2頭は輸送箱の中で暮らしていたそうだ。
検疫所では天井を外すなどして、少しでも快適になるようにしてくれていたそうだが、身体を目いっぱい伸ばして歩き回るのは久々。
 


カメラの群れに向かってくるカルメン。好奇心旺盛!?

 
ひとまず新しい部屋に不満はない様子で、天井から吊るされたエサを食べるのに一生懸命。
時折、柵の向こうの仲間に近づいてみたり、報道陣に視線を送ったりと落ち着いた雰囲気で関係者もホッとした表情を見せていた。
 


柵越しに再会した2頭。「長旅だったね」と言ってるかどうか

 
今後は、担当飼育員とコミュニケーションを深め、様子を見ながら展示場に出る練習をしていくそうだ。
寒さもある程度は大丈夫だそうで、暖かくなったころにたくさんのお客さんと会うために、少しずつ新しい環境に慣れていくことになる。
 


人工保育で育ったカルメンは人にも慣れているそうだ

 
「アフリカのサバンナ」全面オープン後は、同じ草食動物のエランド、グラントシマウマのほか、肉食動物であるチーターとも一緒に展示される予定。野生の状態に近い展示になるこの試みは、国内初となるそうで注目が集まるところだ。



取材を終えて



「アフリカのサバンナ」で、これから輸送されてくる動物はリカオンやクロサイといった面々。クロサイも大きな動物だが、恐らく国内での引っ越しとなるそうで、大型動物を海外から迎えた「今日が山場」だったそうだ。

その山場を無事に乗り越えた須田さんは、「ホッとしています」と笑顔。大きなトラブルもなく、2頭のキリンはズーラシアの仲間入りを果たした。

開園から15年を迎えたズーラシア。
キリンは、お客さんから「見たい!」という要望があり続けた動物だった。
 


人間の期待をよそにお食事に夢中。これからヨロシクね!

 
そんなキリンが加わったことをうれしいと話す須田さんは、「本物のサバンナの情景が浮かぶような作りになっていますので、ぜひ見に来てもらいたいです」と話す。

いよいよ全面開園に向けてラストスパートとなったズーラシア。「アフリカのサバンナ」を彩る2頭のキリン。来年の春がますます待ち遠しくなってきた。


―終わり―
 

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  • 今まででも開園から閉園までゆったり周っていたズーラシアですが、更に広くなるのであまりゆっくりできずにやや残念であり、動物が増えて嬉しくもあります。バードショーや、ラクダライドもあるし、今からサバンナエリア拡大がとても楽しみです。

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