バリエーション多彩! 横浜にある七福神を完全網羅! vol.3
ココがキニナル!
この間野毛の成田山で七福神を見かけました。横浜市に七福神はいくつあるのでしょうか。気になります(tokuさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜にある七福神は全部で9つ! 各エリアや寺社ごとに、個性豊かな七福神めぐり第3回は瀬谷・金沢・浜編!
ライター:一藁 雅之
七福神とは「福をもたらすとされる神様たち」のことだ。おめでたい神様として知っている方も多いだろう。富や長寿、商売繁盛、家庭円満などの福にあやかるため、横浜にある七福神めぐりのスポットを紹介するこの企画。
宝船に乗ってやってくる七福神(フリー素材より)
今回は瀬谷・金沢・浜七福神の3つのエリアをまわってみよう!
まずは瀬谷エリア
はじめに、瀬谷区区政推進課によると、瀬谷エリアはもともと七福神がいたが、1984(昭和59)年にダルマ大師(七転八起=転んでもまた起き上がる)を加えた、全国でも珍しい八福神になったという。区やそれぞれの寺社が加盟している瀬谷仏教会が中心となっており、毎年1月にはガイドの会による「八福神」めぐりや、スタンプラリーが行われている。
瀬谷八福神の全体図
南から順に全通院勢至堂(ぜんつういんせいしどう)、宗川寺(そうせんじ)、西福寺(さいふくじ)、宝蔵寺(ほうぞうじ)、徳善寺(とくぜんじ)、長天寺(ちょうてんじ)、善昌寺(ぜんしょうじ)、妙光寺(みょうこうじ)の8ヶ所だ。それぞれに八福神にちなんだ「八福草」が定められているのも特徴。
それでは全通院勢至堂の寿老人から見ていこう!
横浜市瀬谷区下瀬谷1-27。瀬谷駅からバス約13分
長寿の象徴とされる鹿(玄鹿=げんろく)がお供
徳善寺の別院として建立されたこの仏堂。地元民が見た夢で「勢至(せいし)菩薩」が土中から掘り起こされたことを由来としている。また横浜市の名木古木に指定されている藤の大樹も必見だ。
2ヶ所目は夫婦銀杏で知られる宋川寺の福禄寿。八福草はヒガンザクラ。
瀬谷区北新26-13。三ツ境駅からバス約5分
石川宗川の篤い信仰心によって開山
山門脇にある雄樹と雌樹の銀杏が、夫婦円満や安産祈願の信仰とされてきた。
美しい花を咲かせるヒガンザクラ
3ヶ所目は筆供養にくる参拝客も多い西福寺の布袋尊と八福草の万年青(おもと)。
住所は瀬谷区橋戸3-21-2。瀬谷駅から徒歩約15分
掲げた右手が神々しくも楽しげな印象
貫禄たっぷりでご利益がたくさんありそうな石像
ちなみに、これが万年青(フリー画像より)
樹齢1000年を超える巨大な椎(しい)の樹にも注目。布袋様とあわせて“あせらず。おおらかに生きよ”という教えが身にしみるだろう。
4ヶ所目は徳川家光が朱印を授けた宝蔵寺の弁財天。八福草は石蕗(つわぶき)。
瀬谷区瀬谷5-36-14。瀬谷駅から徒歩約10分
女神らしく、美しく清らかな見目形
境内は学問の神として知られる天満宮(菅原道真公奉安)があり、弁財天の智恵財福のご利益とあわせて受験生や学生が多く訪れるとのこと。
秋にはツワブキが咲き誇る(フリー画像より)
5ヶ所目は四季折々の木々も楽しめる徳善寺の毘沙門天とハギ。
瀬谷区本郷3-36-6。瀬谷駅から徒歩約10分
残念ながら非公開
横浜市指定の名木“たらよう”と”かや”は、武運を司る毘沙門の寺社の樹らしい趣として楽しめる。
美しく咲くハギ(フリー画像より)
6ヶ所目は七福神では珍しいダルマ大師を祀った長天寺。
取材時は八福草のススキのシーズンではなかった(フリー画像より)
瀬谷区相沢4-4-1。瀬谷駅より徒歩約7分
撮影時、本堂はあいにく外観工事中
赤くて丸い「七転八起」のフォルムではない御神体が新鮮
禅宗の祖と仰がれるダルマ大師のほかにも、養蚕の神や子どもの健康を願うお地蔵様など、個性的な信仰も祈願しておきたい。
7ヶ所目は甲斐の国、武田氏と縁のある善昌寺。恵比寿と晩秋には淡い紫色の吉祥草(きちじょうそう)が見られる。
瀬谷区竹村町1-14。瀬谷駅よりバス約5分
残念ながら12年に1度、寅年のみの公開
タイミングが良ければ吉祥草も楽しめる(フリー画像より)
本堂の薬師如来は別名「寅薬師」、「目の薬師」と呼ばれおり、寅年にのみ開帳される。また言い伝えによると、武田信玄が寅年以外の年に開扉したため、仏罰で失明したとのこと。
最後は1000年以上の歴史を持つ妙光寺の大黒尊天。
瀬谷区上瀬谷8-3。瀬谷駅からバス約5分
こちらも、あいにく非公開
「八福草」は秋の七草でもあるキキョウ(フリー素材より)
日蓮宗の祖として知られる日蓮上人が宿泊したとされる寺社。また、県の重要文化財に指定されている梵鐘も必見だ。
以上、8ヶ所で瀬谷八福神を網羅できる。バスを使う場合、所要時間は約2時間強。のんびり約3時間、徒歩で巡るのももちろんおすすめしたい。